東名阪自動車道では毎日のように渋滞が発生している。この原因とは何か。接続している新名神高速道路や伊勢湾岸自動車道では流れが良いが、なぜこの四日市JCT~亀山JCTだけ詰まってしまうのか。
朝夕になると混雑が激しくなって長い車列が出来る。ノロノロ運転から完全に流れが止まってしまうことがほとんどだ。
最近になって、東名阪道の一部の区間では暫定6車線(片側3車線)へと拡幅された。これまで路肩だった部分に付加車線を追加する形で本線車道となった。
しかし、それでも渋滞が解消されたわけではない。以前より少し緩やかになった程度に限られる。それほど東名阪自動車道の混雑が激しいことを示す。
新名神の代替道路となっているため
新名神高速道路の既存の開通区間である亀山~草津間は2008年に開通した。しかし、亀山以東の部分では未開通の状態が続く。
本来の接続先は伊勢湾岸自動車道になる。新名神と伊勢湾岸が本線でそのままくっつくはずだが、四日市~亀山間が未開通のため、代わりとして東名阪自動車道がこの区間の接続道路という役割を果たしている。
新名神ができたことで東名阪道の交通量はそれまでの2倍に増加した。これで、円滑にさばける交通量の限界を超えた状態になっている。
交通量そのものが多いことが、東名阪道の慢性的な渋滞の最もの原因と言ってよい。新名神が完成すれば、これまでの渋滞はほぼ完全に消えることが期待できる。
勾配が多いことが直接的な原因
東名阪道の道路の性質そのものにも渋滞の温床となっている要素がある。線形が悪くて勾配が多いのが渋滞の直接的な原因だろう。
三重県区間は全線を通して山間部を走っている。制限速度が80km/hということで、完全に山中を走る高速道路となっているが、この低規格な設計こそが容量を超えた交通量による渋滞を後押ししている。
車が上り坂にかかると自然と速度が低下する。交通量が少なければ、後続車に与える影響は少ない。
しかし、新名神の受け入れ先となっている以上、このスピードの減速が流れを悪くさせている。そして、上り坂のはるか手前まで渋滞ができてしまう。
平地で勾配が少ない構造だったら、東名阪道でもこれほどにまで激しい渋滞が起こらなかったものと考えられる。
名阪国道を経由する車も多い
もともと東名阪道は新名神と伊勢湾岸自動車道を連絡する道路というわけではなかった。名古屋方面と名阪国道(国道25号線)や伊勢自動車道へアクセス手段としてできた。
名阪国道に当たる亀山~天理間は無料の自動車専用道路となっている。格安で名古屋と大阪方面と結ぶ道路として知られている。
東名阪道・名阪国道・西名阪道が1つの道路になっていて、このルートの1つの部分を担っているのが東名阪道である。
性質が変わったのは新名神高速道路ができてからにほかならない。これを機に渋滞が深刻なものへと変わった。
とはいえ、新名神が全線開通する時には東名阪道の渋滞も過去のものとなる。