新名神高速道路の高槻JCT~神戸JCTにかけての区間の道幅が狭いと感じた人はいないだろうか。滋賀県や三重県内と比べると路肩やトンネルの内部に広さがない。
それもそのはず。高槻JCTから神戸JCTにかけての部分の設計速度は100km/hとなっている。道路構造令に基づいた規格も第1種2級となっている。
滋賀県や三重県内の新名神高速道路の道路規格は第1種1級と定められている。設計速度は120km/hであるため、道幅が広くてトンネル内にも路肩が確保されている。
従来の「○○自動車道」とまったくといっていいほど同じ形で建設された。特別高規格な設計で作られたわけではない。
大都市圏のため低規格に
新名神高速道路という点では、他の区間と同じ路線名であるのは確か。しかし、道路が通る場所には違いがある。高槻JCT~神戸JCTにかけては大都市の近くだ。
つまり、地方と比べると建設費や土地の値段が高い傾向にある。大阪都市圏の中では山間部を通っているものの、それでも同じ山間部である三重県や滋賀県などの部分よりは都市部に該当する。
道幅が広い高規格の道路で作ってしまうと、莫大なコストがかかってしまうというデメリットが出てくる。
費用対効果に合わせるためにやむを得ず道路の規格を低くしたのが高槻JCT~神戸JCTの区間というわけだ。
早期開通を図って1日でも早く既存の名神高速道路や中国自動車道、阪神高速の渋滞や混雑の緩和を実現させるためにも、設計速度の高さを優先しなかった要因に挙げられる。
法定速度100km/hのままに
新名神高速道路の高槻JCT~神戸JCTの区間では、制限速度は高速道路の法定速度に当たる100km/hとなっている。
今のところ他の区間でも従来通り100km/hに抑えられているものの、近い将来には引き上げられる可能性が高い。
今後は制限速度も120km/hに引き上げられる見通しとなっている。この点では新東名高速道路と同じだろう。
しかし、新規開通の区間では従来通りの100km/hに抑えられるだろう。設計速度そのものが100km/hである以上、それよりも速いスピードには設定されないだろう。
ただし、それでも従来のルートと比べると大幅に制限速度が高くて所要時間も短縮化できることには変わりない。
既存の名神と中国道では、ほとんどで80km/h規制がかかっている。阪神高速道路に至っては60km/hということで一般道路と変わらない。
そう考えると、大阪都市圏においては新名神高速道路の規格は結構高いと判断できる。