車道を走るロードバイクは邪魔と感じる人は相当多い。渋滞の原因にもなり、後続車を妨害するような状態になっていることがかなり多い。
自動車を運転するドライバーからすれば、ロードバイクはまさに「天敵」ではないだろうか。
賛否両論あるにせよ、迷惑な存在だと思われても決して不思議ではない。
目次
邪魔な背景と要因
<ロードバイクが邪魔な背景と詳細> | |
主な理由 | 詳細な内容 |
---|---|
速度差 | ロードバイクはしょせんは自転車。巡行速度は20~30km/hが限界。自動車との速度差があるため、相対的に邪魔になる。 |
趣味性が大きい(遊び目的で乗る) | ロードバイクは趣味の領域。仕事や買い物などの日常生活を営む上での移動手段ではない。特にサイクルウェアを着る人たちは完全に遊び。遊びで道路を占拠するという悪いイメージが大きい。 |
歩道をあえて走らない | ロードバイクはほとんど車道を走行。「自転車通行可」の歩道も通らないが、その理由は歩行者の安全よりも単に車道の方がスピードが出しやすいからという理由。 |
車道を走るロードバイクが「邪魔」な存在になる理由は上の3つになるだろう。
アクセルを踏めば加速する自動車との速度差があることは当然だが、それ以上にドライバーにとっての悪いイメージがあるのも無視できない。
趣味性が高くて必需性に乏しいこと、道路をレース場のような感覚で使うロードバイク利用者のイメージが大きく影響している。
実際のところ、歩道(自転車通行可のところ)をあえて走らずに車道を走るロードバイクが多いのも、スピードを求めていることに由来している。
自動車との速度差
物理的に邪魔なのは速度差によるもの。
ロードバイクは自転車の中ではスピードが出るとはいえ、それでも巡航速度は20~30km/hが限界。
自動車は乗用車でもトラックでもオートバイでも一般道路で60km/h程度で流れている。
制限速度が低い道路であっても50km/h以上が実勢速度であるところがほとんど。
車道を走るロードバイクは少なくとも自動車よりは遅いため、物理的に邪魔になる。
趣味性が大きい(遊び目的)
おそらくロードバイクに対する感情が悪い最も主要な理由が「趣味性が大きい」点ではないか。
<同じ自転車でも用途が異なる>
- ママチャリ…日常生活を営むための乗り物(単なる移動手段)
- ロードバイク…競技用で趣味のための乗り物(遊び目的)
→円滑な交通の妨げになったとしても、両者では感情が異なる。
ロードバイクは普通の自転車(ママチャリ)とは違って競技のもの。
特にピチピチのサイクルウェアを着てロードバイクに乗っている人は、仕事や日常生活のために自転車に乗っているのではなく、遊びで乗っていることがほとんど。
集団で走っているロードバイクは完全に100%遊び。第三者の印象では、集団走行(トレインと言う)は公道で自転車レースしている感覚と同じ。
ドライバーからすれば、遊びで車道をゆっくり走る邪魔者になる。「一般道路を走る遅いF1」とイメージしてもよい。
物理的な要素よりも、道路上で遊んでいるイメージから対ロードバイク感情が悪化している大きな理由なのは間違いない。
歩道をあえて走らない
ロードバイク乗りの多くは歩道を敬遠する。
幹線道路では歩道でも「自転車通行可」の標識があるところがほとんど。ママチャリだとこの場合は歩道を選ぶ人がほとんどだが、ロードバイクはそれを好まない。
>>ロードバイクも歩道を走ってOK、それとも車道のみしかダメ?
歩行者に衝突する危険があるからという理由ではない。
単に「歩道だとスピードが出せないから」という理由。歩行者がいない歩道でも、車道と比べて段差が多く、速度が出しにくい環境なのが現状。
ロードバイクならではの性能を生かして高速走行したいために車道を走る人が多いわけだが、自動車ドライバーにとってはこれも邪魔だという悪い感情を抱くもう1つの理由になる。
「スピードが出しやすい」ことを言い換えれば、「暴走する」にもなり得る。
暴走する自転車は当然自転車ドライバーにとっては邪魔以外何者でもない。
「自転車通行可」の歩道を避けてあえて車道を走る理由の要素がある限り、ロードバイクへ対する悪い感情は消えないだろう。
どれくらい邪魔?
ロードバイク=邪魔の重症度 | ||
事例 | 邪魔の度合い | 概要 |
---|---|---|
片側2車線以上のバイパス | ★★★★ | 第2通行帯(追い越し車線)を使えば簡単に追い越せるが、交通量が多いため邪魔。 |
閑散としている片側2車線の道路 | ★ | 特に問題なし。 |
片側1車線の幹線道路 | ★★★★★ | 路肩がない場合はなかなか抜けず、後続に長い車列(渋滞)が発生する。邪魔以外何者でもない。 |
片側1車線の生活道路 | ★★★ | 幹線道路ほどではないが、なかなか抜けないことでは邪魔。 |
中央線のない生活道路 | ★ | 特に問題なし |
農道 | ★ | 特に問題なし |
邪魔の度合いの目安
★★★★★:誰もが見ても円滑な交通の妨げだと判断できるレベル
★★★★:円滑な交通に支障が出るレベル
★★★:円滑な交通に少々支障が出るレベル
★★:遅いロードバイクの存在が少し気になるレベル
★:特に問題はないレベル
交通量が多いバイパスや幹線道路になるほど、ロードバイクは自動車のドライバーにとって邪魔な存在になる。
片側2車線でも、交通量が多ければ車線変更がうまく行かないため、車道を走るロードバイクは円滑な交通の妨げになる。
片側1車線の幹線道路はもはや100%「邪魔」になるだろう。
交通量が多い幹線道路は対向車がかなり多い。ロードバイクを抜かそうとする車でも、なかなか抜けないことが想定される。
急増するロードバイク
近年はロードバイクと呼ばれるタイプの自転車に乗る人が急速に増えているが、邪魔で迷惑な乗り物だと批判の的ともなっている。ドロップハンドルでスピードが出る種類だが、基本的には車道を走るケースがほとんどである。
そもそも自転車は、本来は原則として車道を走行することが道交法上では定められている。ロードバイクでもクロスバイクでも、あるいは軽快車であるママチャリも同じだ。
歩道を走るのはあくまでも例外であって、歩行者の保護という観点から仮に歩道を走る場合でも徐行が義務付けられている。
今日の事情として、ママチャリに乗る人のほとんどは実際には車道をあまり走らず、歩道を走っている人は非常に多い。低速で走るということで、歩道であっても車道を走るよりは安全であると考えている人が多い。
しかし、ロードバイクの場合は高速走行するため、スピードが出せる車道を走る人が圧倒的に多い。歩道を走るというのは、道幅が広い場合など歩道そのものの環境が良い場合くらいである。
車道では後続車の渋滞の原因になることも
ロードバイクが車道を走ることで自動車のドライバーに迷惑になる根拠は以下になる。
- なかなか追い越せない
- 車よりも低速で走る
ロードバイクが車道を走っていると、それよりも速い自動車は追い越していく。ここだけに関しては、抜かれる方も抜く方も全く問題はない。
しかし、片側1車線の道路や道幅が狭い道路となると、対向車が来たり抜けるスペースがなくて渋滞の原因となることがある。
特に交通量が多い幹線道路となると、たった1台のロードバイクを追い越すために何台ものクルマが渋滞の列を作ることがある。
もちろん法律上は自転車が車道を走っている分には問題ないのだが、実際問題としては円滑な交通の流れの妨げになっているのは目に見てわかる。
おそらく、特にドライバーにとっては、ロードバイクをはじめとする車道を走行している自転車が邪魔だと感じている人はいるだろう。
狭い車道を自動車と自転車で共有するのは、現実的にはかなり難しいことがわかる。スピードが出るロードバイクでさえも、自動車の巡航速度にはかなわない。
幹線道路は特に邪魔になる
ロードバイクの車道走行で問題となる場所となるのが幹線道路。交通量も多く、自動車よりも遅いロードバイクが車道を走行していると、交通の流れの妨げになってしまう。
幹線道路は一般道路の中でも特に重要な道路であり、速達性や運転の快適さが求められる。
こうしたところでは、自転車の歩道通行可になっているケースが多い。スピードを出したいロードバイクでも、少なくとも自動車のドライバーにとっては歩道を走ってもらいたいものだろう。
最も行政にも問題がある。自転車の走行空間を考慮せずに道路を建設したという点は欠陥としか言えない。車道なのか歩道なのかを明確に決めなければ、車道を走るロードバイクは邪魔になってしまう。
自転車レーンが近年は整備されつつあるが、実際に整備されているのは一部に過ぎない。しかも、道路の幅が広いところでしか作れない。狭い部分では整備不可能。
車道を走れば、ドライバーにとって邪魔と感じてしまう状態が続いているのが現状だ。
集団のロードバイクはもはや妨害レベル
ところで、ロードバイクが集団で走っている光景を見たことはないだろうか。チームを組んでツーリングをする人たちがこれに当たる。
4、5台、あるいはそれ以上の自転車が隊列を組んで走っていると、後続の車はさらに追い越すのが難しい。
後続車が追い越せずに渋滞に
追い越すためにかかる時間が長くなり、しかも複数の自転車をぬかすために慎重にならざるを得ないからである。
片側1車線で交通量が多い幹線道路では、特に集団で走るロードバイクが邪魔になる。自転車の集団の後ろに長い渋滞が発生することが少なくない。
幹線道路とは、都市間の物流を担う道路である。自動車専用道路ではないものの、自動車の通行のために建設された道路といってよい。
そこを娯楽のためのロードバイクが集団で走って渋滞の原因になることは円滑な交通の妨げの原因となる。すなわち、妨害行為であることは否定できない。
少なくとも、後続に長い行列ができてもそのまま集団でロードバイクに乗り続けるのは、マナーの観点からは悪い。