近鉄奈良線の10両編成、なぜ終日実施しないのか!?

近鉄奈良線の快速急行では10両編成での運転を行っている。朝と夕方の通勤ラッシュの時間帯は、激しい混雑に対応するために1列車当たりの車両数を増やしている。




近鉄奈良・大和西大寺~阪神尼崎間の区間に限って、快速急行は8・10両編成で運転している。

日中の時間帯だと近鉄奈良線では6両編成が基本となっている。特急以外の種別では、ラッシュの時の快速急行よりも短い車両数で走らせている。

混雑する快速急行だけ10両編成

10両編成で走る近鉄奈良線

ここで1つ疑問が浮かんでくる。なぜ近鉄奈良線では終日に渡って快速急行の10両編成での運転を行わないのか。

阪奈間の最速列車ということで、どの種別よりも快速急行が混雑しやすい。各駅停車や準急は、ラッシュだとひどく混雑するものの、満員の状態が続く区間が短く、しかも並行して近鉄けいはんな線も通っているため、輸送力はそれほど問題ではない。

本当に混雑しやすいのは快速急行と急行で、その中でも鶴橋~生駒間はノンストップの快速急行に乗客が殺到しやすい。

通勤通学のラッシュとなると輸送力が大幅に不足するための処置として、近鉄奈良線では快速急行に限って10両編成での運転を行っている。



なぜ終日10両編成にしないのか?

しかし、なぜわざわざ大和西大寺駅や阪神尼崎駅で電車の増解結を行ってまで車両数をコロコロ切り替える必要があるのか。

それは、日中の時間帯は比較的空いているからである。電車が空いているのに10両編成で走らせると、今度は供給過剰に陥る。

大和路快速

阪奈間の重要な交通網となっているものの、近鉄奈良線は同時にJR大和路線とも並行している。

JR西日本との競争もあることで、実際には沿線の鉄道利用者を分け合っている構図となっている。それにより、乗客の数はオフピークだと多くはないというわけだ。

さらにもう1つ大きな理由がある。それは、阪神線との相互直通運転によるものだ。阪神なんば線の尼崎~大阪難波間は10両編成に完全対応している。

しかし、阪神本線は6両編成までにしか対応していない。梅田~元町間の全区間で、10両編成にはまったく対応していない。

阪神電鉄

阪神本線は同一地域をJRと阪急でシェアを分け合っているため、高い輸送力がまったく求められていない。そんな事情から、阪神本線には10両編成のまま乗り入れられない。

日中も10両での運行となると、毎回尼崎駅にて増解結の作業が必要になる。これだと作業量が多くなり、停車時間も延びる。効率的な鉄道の運行とはならない。

限られた条件の中で需要に柔軟に対応していくためにラッシュの時だけ10両編成にして、大和西大寺駅や阪神尼崎駅で車両の増解結をしているというわけだ。

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