東海道線、宇都宮線、高崎線を走る車両であるE231系のモーター音が最近変わったと気付いた人はいないだろうか。あの独特のインバーター音が消え去ってしまい、まるでE233系のような走行音に変わってしまったと思っている人もいるだろう。
小山車両センターや国府津車両センターに配属されているE231系は、導入された2001年からすでに15年超も経っているため、車両の老朽化が進んでいる。そのため、機器更新の時期が来たのである。
機器更新によって、更新車のE231系は近郊型E233系の日立製IGBT-VVVFインバータとほとんど同じようなサウンドとなった。これに気が付いた人は多いだろう。
JR東日本では、これまでも既存の車両の機器更新を実施してきた。たとえば、総武線快速や横須賀線を走るE217系は、1994年に導入されたため、2010年頃に機器更新を行い、モーターなどの交換を行った。
これによって、今までのモーター音とは違ったものとなり、より現代ならではの電車のモーターの音になったことで有名である。
E231系についても、このように電車の機器を最近のものに交換することによって、モーター音が変わり、かつてのような音ではなく最新タイプのサウンドとなったのである。
ただし、機器更新によって変わったのは、目立つところはVVVFインバーターとドアエンジンだけであるため、高速域でのモーター音は今まで通りのものとなっている。とはいえ、「墜落インバーター」がなくなったのは大きいだろう。
嘆く人もいるのは事実!
ただ、今までの独特の音をそのまま残してほしいという声も決して少なくない。鉄道ファンなどの一部の人は、E231系にしかない独特のインバータの音を楽しく人もいたのは事実である。
そういった人にとっては、機器更新によってモーターの音が別の音色に変わってしまうことはとても残念なことであろう。また1つ楽しみがなくなってしまうと感じることだろう。
こうした現象は、E217系の機器更新の際にも起こった。E217系は誕生時はGTO-VVVFというタイプのインバータを使用していたため、発車時には音階風のインバータ音を発していた。
しかし、更新後は現代ならではのIGBT-VVVFというタイプのものになってしまったため、かつての発車時の音階を聞くことができなくなってしまった。このため、反対の声も少なくなかった。
車両の改造によって、今後は走行時の騒音が少なくなり、より静かな車内空間が実現されることだろう。また、揺れも少なくなって乗り心地もよくなるだろう。しかし、同時にかつての音を耳にできなくなるのも事実である。