JR東海が管轄する東海道本線の名古屋地区は遅延が多く発生している。大垣~豊橋間では感覚的にほぼ毎日何かしらのトラブルが起きている。
最悪も場合は運休や運転見合わせとなって完全にストップするが、このようなケースもかなり多い。通常通りの平常運行があまりできていないのは間違いないだろう。
同じ東海道本線でも、静岡地区よりも遅延が多いのは確か。中京圏では、日本の大動脈の東海道線で何が起きているのか。
距離が長いのが一番の理由
東海道線の名古屋地区で遅延や運転見合わせが頻発している理由の最も大きな原因は路線距離の長さではないか。
基本的に、ほとんどの列車は豊橋~大垣間を走る。ここだけで116.4kmという長い距離になる。さらに、一部の電車は静岡県側は浜松駅まで、滋賀県側は米原駅まで乗り入れる。
長い距離を一度に走るということで、途中で何かのトラブルに遭遇する確率は距離が短い路線と比べると大きい。
車両や信号、線路ポイントなどの設備の故障も起こりやすい。どこか1か所でも不具合が発生すれば、全線にその悪い影響が出てしまう。
大阪地区の東海道・山陽本線においても、名古屋地区と基本的に遅延の多さは変わらないが、理由は同じであろう。走行距離が長いことで問題が生じやすい環境になっているというわけだ。
高架区間が少ない
東海道本線の名古屋地区の場合、高架区間があまりない。大きな駅の周辺では連続立体交差事業が早い段階から進んでいて、高架橋の上を電車が走るようになっている。
しかし、大半の区間では地上を走る。道路とは踏切で交差しているところばかりでもある。これにより、人身事故が起きやすい。
一度人身事故が発生すると、長い時間運転見合わせとなる。ちょっとした遅れだけでは済まない。
東海道本線は、距離が長いことで踏切の総数も周辺の路線よりも多い。もし仮に高架区間がもっと長ければ、ダイヤの乱れは少なくなるに違いない。
乗客が多いのも理由
名古屋地区における東海道線の利用者数は、名鉄名古屋本線と並んで中京圏でトップクラスである。
乗客の数が多ければ、その分人身事故が起きる原因も多いこととなる。分母が多ければ、それに比例して分子も増える。
中央本線や関西本線では、東海道線よりは遅延が起きにくい理由はこれだ。利用者の総数が少ないため、必然的にトラブルの要因となる人も少ないという理論が成り立つ。
東海道線と並行して走り、乗客の数が多い名鉄名古屋本線でも同じように遅延や運転見合わせが多い傾向にあるが、その原因もこの理論の例外であるとは言い難い。