全国の新幹線の路線および種別ごとの車内販売の実施の有無について。
近年は売上の減少と人件費の高騰といった背景があり、車内販売を廃止する事例が増えている。しかし、長距離向けの速達型の種別では依然として残っているところがまだ多い。
あくまでも運転区間が短い列車、近距離移動が中心の各駅停車型の種別、そもそも利用者数が少ない路線で終了しているにとどまっているのも確か。
路線と種別ごとの車内販売の有無
路線 | 種別 | 車内販売の有無 |
東海道新幹線 | のぞみ | あり |
ひかり | あり | |
こだま | 無し | |
山陽新幹線 | のぞみ | あり |
ひかり | あり | |
こだま | 無し | |
みずほ | あり | |
さくら | あり | |
九州新幹線 | みずほ | 無し |
さくら | 無し | |
つばめ | 無し | |
東北新幹線 | はやぶさ・こまち | あり |
やまびこ・つばさ | 無し | |
なすの | 無し | |
北海道新幹線 | はやぶさ | 無し |
山形新幹線 | つばさ | あり |
秋田新幹線 | こまち | あり(盛岡以南) |
上越新幹線 | とき | あり |
たにがわ | 無し | |
北陸新幹線 | かがやき | あり |
はくたか | あり | |
あさま | 無し | |
つるぎ | 無し |
自販機の有無と同じように車内販売もまた、近年は縮小傾向にある。
大都市間の輸送に特化した路線の中でも速達型では引き続き実施されているものの、そうではないところでは廃止された。
最近の新幹線の車内サービスとしては、スマホやタブレットを充電できるコンセントの設置、列車内でのインターネットへの接続ができるよう無線LANを提供する無料Wi-Fiの提供が進められている。
それに反比例するように車内販売は消えつつある。
東海道新幹線
種別 | 車内販売の有無 | 実施区間 |
のぞみ | 〇 | 新横浜~京都 |
ひかり | 〇 | 新横浜~京都 |
こだま | × | ー |
東海道新幹線ではのぞみ・ひかりの2つでは車内販売が実施されている。
いずれも新横浜~京都の区間にて販売を実施している。
通過駅の設定があるこれらの種別は1日を通して乗車率が高く、常に乗客が多いという背景から売上高が比較的高い。
特にのぞみ号は自由席・指定席は常に混雑している。車内販売を利用する人もかなり多く、全国の新幹線・在来線特急列車の中でも最も売れている種別である。
一方のこだま号では車内販売が2012年に廃止された。
各駅停車型の種別ということで、利用者は近距離の移動の人がほとんど。長時間にわたって乗車するわけではないため、売上が低かった。
山陽新幹線
種別 | 車内販売の有無 | 実施区間 |
のぞみ | ○ | 新神戸~小倉 |
ひかり | △ | ー |
みずほ | ○ | 新神戸~小倉 |
さくら | ○ | 新神戸~小倉 |
こだま | × | ー |
山陽新幹線ではのぞみ・ひかり・みずほ・さくらの4つにて車内販売を実施している。
新大阪~博多間がJR西日本の管轄エリアということで、通しで走る列車では新神戸~小倉の区間にて販売している。
みずほ・さくらは九州新幹線内に乗り入れる種別だが、山陽新幹線の区間では車内販売が行われる。
東海道区間と同じように、これらの種別はいずれも速達型の種別のため乗車率が高い。売上も大きいことから、駅構内のコンビニが充実した今でも続いている。
一方のこだま号では車内販売は実施されていない。全駅に止まる各駅停車ということで、利用者層は近距離ユーザーが中心。
九州新幹線
九州新幹線ではすべての種別にて車内販売は行われていない。
新八代~鹿児島中央が部分開業した2004年より車内販売を実施してきたものの、2019年3月のダイヤ改正にて終了となった。
JR九州が管轄する博多~鹿児島中央を走る列車すべてで廃止になり、速達型のみずほ・さくらの2つでも未実施に切り替えられた。
あくまでも車内販売があるのはJR西日本の管轄エリアである山陽新幹線の新神戸~小倉のみである。
九州新幹線は全体的に利用者数が少なく、車内販売を行っても売上高が以前から低迷していたのが理由に挙げられる。
東北・北海道・秋田・山形新幹線
種別 | 車内販売の有無 | 実施区間 |
はやぶさ | 〇 | 大宮~新青森 |
こまち | 〇 | 大宮~盛岡 |
はやて | 〇 | 盛岡~新青森 |
やまびこ | × | ー |
つばさ | 〇 | 大宮~山形 |
なすの | × | ー |
東京駅発着の定期便だと東北新幹線でははやぶさ・こまち・つばさの3つだけである。
はやぶさ号は東京~新青森間、こまち号は東京~盛岡間でのみ車内販売が実施されている。
はやぶさ号の北海道新幹線区間である新青森~新函館北斗間、こまち号の秋田新幹線区間である盛岡~秋田間では車内販売は2019年3月のダイヤ改正にて廃止された。
東北新幹線でもやまびこ号、なすの号では全区間にて車内販売が行われていない。
山形新幹線のつばさ号は実施されているが、連結されるやまびこ号では未実施である。
やまびこ号では以前は車内販売があったものの、停車駅が多くて近中距離利用者が大部分を占めていることもあって売上が低迷していた。
駅構内のコンビニなどの売店が充実したこともあって、同じように2019年3月のダイヤ改正にて終了となった。
北海道新幹線内の新青森~新函館北斗間ではすべての列車で車内販売は行われていない。
上越新幹線
種別 | 車内販売の有無 | 実施区間 |
とき | 〇 | 大宮~長岡 |
たにがわ | × | ー |
上越新幹線ではとき号のみ車内販売が行われている。
各駅停車のたにがわ号では行われていない。
実際に車内販売が行われるのは大宮~長岡の区間である。
かつては駅弁が販売されていたものの、現在では飲み物やちょっとしたお菓子に限られている。
北陸新幹線
種別 | 車内販売の有無 | 実施区間 |
かがやき | 〇 | 大宮~富山 |
はくたか | 〇 | 大宮~富山 |
あさま | × | ー |
つるぎ | × | ー |
北陸新幹線ではかがやき・はくたかの2つで車内販売が行われている。
いずれも大宮以北で実施されている。はくたか号は長野~金沢間では完全な停車型の種別だが、速達型のかがやき号の本数が少ないこともあって乗車率が1日を通して高い。
車内販売の売上も比較的良好な背景から、他の路線とは違って継続されている。
あさま号とつるぎ号では車内販売は行われていない。いずれも運転区間が短い各駅停車ということで、乗車率が低くて近距離輸送が主役のため、実施には至っていない。
なお、かがやき・はくたかの2種別でも車内販売があるのはあくまでも定期列車に限られる。繁忙期に運転される臨時列車では全線で車内販売がない。
車内販売のあり・なしの違い
有り | 無し | |
運転区間 | 短い | 長い |
停車駅 | 各駅停車 | 通過駅多数 |
利用者数 | 混んでいる | 空いている |
新幹線という括りは同じであっても、車内販売の有無は乗客1人当たりの利用距離の長さと乗車率が関係している。
長時間乗車する人が多い種別で、乗客の数が多い路線では車内販売が実施されている。
逆に乗車時間が1時間未満の人が多くなりやすい各駅停車型の種別、あるいは乗客の数がもともと少ない路線では車内販売が廃止された。
最近では駅構内でコンビニやその他売店が充実していることもあって、食べ物や飲み物を新幹線に乗る前に購入して持ち込む人が増えている。
車内販売が継続されている路線および種別でも、かつてよりは販売されている商品が縮小されている。
事前に買って乗るパターンが増えたことで車内販売での売上が低迷したことが、廃止または縮小された理由なのは確か。
各路線ごとの車内販売の事情
路線 | 内容 |
東海道新幹線 | 車内販売がやって来る時間 のぞみ/ひかりでも廃止の可能性とは、こだま廃止について |
山陽新幹線 | 車内販売がやって来る時間 |
九州新幹線 | 全列車廃止とその理由 |
北海道新幹線 | 全列車廃止とその理由 |
東北・秋田・山形新幹線 | 種別・区間ごとの車内販売の有無 やまびこ/なすので廃止の理由 <山形新幹線>区間ごとの有無と来る時間 <秋田新幹線>区間ごとの車内販売の有無 |
上越新幹線 | 種別・区間ごとの車内販売の有無 |
北陸新幹線 | 種別・区間ごとの車内販売の有無 |
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項目 | 関連する記事 |
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自由席の列車別混雑 | のぞみ(休日)、のぞみ(平日)、ひかり、こだま、みずほ、さくら、つばめ |
やまびこ、なすの、つばさ、とき、たにがわ、はくたか、あさま | |
自由席の駅別混雑状況 | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線 |
東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形新幹線 | |
指定席の列車別混雑 | のぞみ、ひかり、みずほ、さくら |
はやぶさ、やまびこ、とき、かがやき、はくたか | |
コンセント | 東海道・山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、山形新幹線、上越新幹線 |
Wi-Fi | 東海道・山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |
最高速度 | 東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、九州新幹線、山形新幹線、北海道新幹線 |
列車種別の違い | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |
運賃 | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |