全国の新幹線の車内の自動販売機の設置状況の有無を路線および車両ごと調査してみた。
結論を言うと、現在では九州新幹線以外の国内のすべての新幹線では列車内にある自動販売機が廃止された。普通車自由席・指定席、グリーン車のいずれも今も残っている路線はない。
かつては多くの新幹線で自販機が搭載されていたものの、駅構内の売店の充実化に伴って需要が低下したためほとんどで全廃された。車内販売と同じ傾向でもある。
新幹線の路線ごとの自販機の設置状況
路線 | 種別 | 自販機の有無 |
東海道山陽新幹線 | のぞみ | 無し |
ひかり | 無し | |
こだま | 無し | |
みずほ・さくら | あり(N700系8両編成) | |
九州新幹線 | みずほ・さくら | あり(N700系8両編成) |
つばめ | あり(800系、N700系) | |
東北新幹線 | はやぶさ・こまち | 無し |
やまびこ・つばさ | 無し | |
なすの | 無し | |
上越新幹線 | とき | 無し |
たにがわ | 無し | |
北陸新幹線 | かがやき | 無し |
はくたか | 無し | |
あさま | 無し | |
つるぎ | 無し |
全国の新幹線の各路線ごとの列車内の自動販売機の設置の有無はこのようになる。
見てわかる通り、ほとんどの路線では自販機がまったく設置なしということがわかる。飲み物は乗車前に購入しておくことが基本になる。
東海道・山陽新幹線
- 東京~新大阪=全列車終了済
- 新大阪~博多=8両編成のN700系だけ設置あり
東海道・山陽新幹線では2014年3月のダイヤ改正で16両編成の列車はすべて自動販売機が撤去された。
現在はのぞみ号とひかり号でのみ車内販売が行われているだけで、飲み物の自販機はない。
山陽新幹線に限れば、九州新幹線に直通するみずほ号、さくら号のN700系8両編成に自動販売機が設置されている。
こだま号での運用が中心になっている700系には自販機はまったくない。こちらは2012年には廃止された。
山陽新幹線の場合だと、九州新幹線への乗り入れ列車は自販機あり、東海道新幹線への乗り入れ列車はすべて自販機無しという形になっている。
九州新幹線
- N700系(8両編成)=3号車・7号車に設置あり
- 800系(6両編成)=4号車に設置あり
九州新幹線では今のところすべての車両に自動販売機が設置されている。N700系8両編成、800系6両編成ともに付いている。
N700系8両編成の場合は3号車と7号車のデッキ、800系6両編成では4号車のデッキにそれぞれ自動販売機がある。
清涼飲料水が販売されている。2019年3月に九州新幹線では博多~鹿児島中央間の全線で車内販売(ワゴン販売)が廃止された。したがって、乗車中に飲み物が帰る唯一の手段が自販機になった。
なお、自動販売機に関しては今のところJR九州で廃止にする予定はない。
東北・上越・北陸新幹線
JR東日本が運行する東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線ではいずれも自動販売機が設置されていない。
最近では車内販売が相次いで終了されているが、自動販売機に関しては最初から存在しなかった。
ほとんどの列車では基本的に乗車中に飲み物を買える機会がない。事前に駅の売店やコンビニなどで購入してから新幹線に乗ることが求められる。
北海道新幹線の開業で乗り入れるようになったJR北海道所属のH5系、北陸新幹線の開業で同じように登場したJR西日本所属のW7系もまた同じく自動販売機が設置されていない。
自販機がない理由とは?
新幹線の車内に自販機がほとんどの路線でない理由としては、以下の要点が挙げられる。
<車内に自販機がない理由>
- 駅構内の売店の充実化
- 事前に購入してから乗る乗客が増加
- 販売管理の難しさ
新幹線の車内に自動販売機の設置が長くは続かなかった理由は、このように需要の低下と販売管理の難しさにある。
近年では駅構内のコンビニや売店の充実化が進んだことで、乗車前に事前に飲み物・食べ物を買ってくる乗客が以前よりも増えた。
自動販売機も新幹線の車内にはなくても、駅のホーム上には設置されているところがほとんど。
わざわざ乗車後に自販機を使う必要性が低いのが理由の1つになっている。
さらに、販売管理の難しさもある。走行する列車内に自販機があるということは、商品を補充する機会は車庫に入庫しているときに限られる。
駅構内ならいつでも商品の補充が可能だが、列車内となるとそうはいかない。その分手間やコストが余計にかかる。
結果的に販売価格も高い値段になり、ますます乗客が新幹線の車内の自販機を避ける原因にもなった。
乗車率がいつも高い数値を維持できている東海道新幹線でも2014年に全廃された理由もこれに当たるだろう。