東海道・山陽新幹線のこだま号では車内販売(ワゴン販売)がない。2012年春に廃止されて、駅のホーム上にある売店や自動販売機で飲食品を買うしか方法はない。
一方ののぞみ号とひかり号では引き続き車内販売が行われている。停車駅が少ない速達種別で実施される一方で、各駅停車のこだまだけがない。
なぜこのようになっているのか。その理由を考える。
車内販売がない3つの理由
- 近距離しか乗らない人が多い
- 人件費の削減
- 乗車率が低い
近距離だけの利用が多い
こだま号は各駅停車型ということで、これに乗る人は近距離を移動する人が多い。「ぷらっとこだま」のような長距離移動の企画切符の販売もあるが、それでも全体から見たら少数派である。
「ぷらっとこだま」は空席が出るのを防ぐために、あえて安い料金で新幹線が乗れる制度を用意しているだけに過ぎない。
こだま号がある目的はのぞみ・ひかりが停車しない駅を乗り降りする人の手段である。短い距離を新幹線で移動する人向けの列車ということで、車内販売があっても買う人は少ない。
2012年に廃止された最大の理由がこれに当たる。売れないから消えたといってよいだろう。
人件費の削減
車内販売には多額の人件費がかかる。東京~新大阪、あるいは新大阪~博多間を連続して販売員が乗るため、人件費がコンビニなどと比べて高くなる。
車内販売の需要があるのぞみ・ひかりであれば会社側が獲得する利益は結構大きい。人件費がかかっても行うメリットが得られる。
一方の車内販売をしても売り上げが少ないこだまだと、利益よりも損失の方が多くなってしまう。これでは運営会社にはメリットがない。
人件費の削減して無駄な出費を下げるためにこだま号での車内販売はなくなった。
乗車率が低い
こだま号は東海道・山陽新幹線の中で最も乗車率が1日を通して小さい種別である。自由席も指定席も空席が多い時間帯がほとんど。
のぞみ・ひかりはすぐに満席となってしまう。ここで車内販売をやれば確実に儲かる。顧客となる人の母数が多いからだ。
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こだま号は乗車率が低いため、車内販売を利用する可能性のある乗客そのものが少ない。
近距離移動のようにそもそも買う可能性が低い人が多い中、乗客そのものが少ないため、さらに需要が小さい。
わざわざ車内販売を行う合理的な理由がない。
待避時間にホームの売店・自販機が使える
こだま号は頻繁に優等列車の通過待ちを行う。それによって、駅での停車時間が長いところが多い。
少なくとも5分程度は停車し続けることから、この時間を使って駅のホーム上にある売店や自販機を利用することができる。
一旦列車を降りて、求めている飲食品を買って、またすぐに列車に乗れば、乗り遅れるということもない。
東京~新大阪だと、通過待ちを行う駅としては、以下が挙げられる。
- 小田原
- 三島
- 静岡
- 掛川
- 豊橋
- 名古屋
- 岐阜羽島
- 米原
ただし、実際には通過待ちを行う駅と行わない駅がある。停車時間が長くなるというアナウンスがあった駅でのみ売店・自販機を利用するのがよい。
そうでないと一旦下車した時にそこに取り残されてしまう可能性がある。
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列車種別の違い | 東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線 |
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