北陸新幹線には無料で使えるWi-Fi(無線LAN)の設置状況を調査してみた。かがやき・はくたか・あさま・つるぎのどの種別でも共通する。
接続するための条件は決して難しいものではない。スマホやタブレットで車内からインターネットにアクセスする際には、SIMカードによるデータ通信で行う必要がない。
東京~金沢間ではE7系またはW7系で運転されているが、どちらにも新幹線の車内で利用できる無料Wi-Fiが設置されている。(全編成への供用開始は2019年9月)
契約している携帯電話会社によらず、メールアドレスで登録すれば誰でもインターネットに接続することができる。
北陸新幹線の無料Wi-Fiの設置状況
車両 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
E7系 | 〇(一部×) | 〇(一部×) | 〇(一部×) |
W7系 | 〇(一部×) | 〇(一部×) | 〇(一部×) |
E2系(廃止) | × | × | × |
※全編成へのWi-Fi設置は2019年9月見込み |
E7系、W7系のいずれにも無料Wi-Fiが設置されている。E7系は「JR-EAST FREE Wi-Fi」というSSID、W7系は「JR-WEST FREE Wi-Fi」というSSIDである。
JR東日本版はメールアドレスで登録すると利用できる。JR西日本版はメールアドレスまたはLINEやTwitterなどのSNSアカウントで登録して利用できる。
<北陸新幹線Wi-FiのSSID>
- E7系(JR東日本所属)=JR-EAST FREE Wi-Fi
- W7系(JR西日本所属)=JR-WEST FREE Wi-Fi
普通車自由席でも指定席でも、あるいはグリーン車でも電波が提供されている。かがやき・はくたか・あさま・つるぎのすべての種別で同じである。Wi-Fiが使えない列車種別はない。
すべての編成に取付は2019年9月ごろ。
東海道新幹線や山陽新幹線と同じく、北陸新幹線でもWi-Fiが誰でも使えるようになる。
北陸新幹線と東京~高崎間で重複する上越新幹線に関してはE2系が主流。E2系は北陸新幹線ではすでに運転終了しているが、Wi-Fiは設置無し。
参照:【早見表】全国の路線ごとの新幹線の無料Wi-Fiの有無!
SSIDは車両で異なる
北陸新幹線のE7系・W7系はいずれも外観はほぼ同じであり、普通の人には違いがわからない。しかし、厳密には違う車両で、それを所有する鉄道会社が異なる。
E7系はJR東日本が所有、W7系はJR西日本が所有する。
そして、Wi-FiのSSID(アクセスポイントの名前)もE7系とW7系では異なる。上の図はJR西日本のおでかけネットから抜粋したもの。2つでh違うのがわかる。
前記のとおり、JR東日本のE7系は「JR-EAST FREE Wi-Fi」、JR西日本のW7系は「JR-WEST FREE Wi-Fi」である。
北陸新幹線は東京~上越妙高はJR東日本の管轄エリア、上越妙高~金沢はJR西日本の管轄エリアであるが、車両でどちらのSSIDになるかは異なる。E7系なら全区間でWi-Fiは「EAST」、W7系なら全区間で「WEST」がつく。
東海道・山陽・九州新幹線は同じ区2つの鉄道会社に属する車両が相互で乗り入れる形になっているが、Wi-FiのSSIDは3社とも「Shinkansen Free Wi-Fi」となっている。北陸新幹線は分離されているのも変わった特徴ではないか。
なぜ最初はWi-Fiなしだった?
半世紀以上も前にできた東海道新幹線では早い時期からWi-Fiが導入されていた。それなのにどうして最近完成した北陸新幹線には付いていなかったのか。
北陸新幹線にWi-Fiが付けられない理由として、利用者数があまり多くないことが挙げられるだろう。それにより運行本数も少ない。
東京~金沢間を走る列車は1時間当たり1~3本程度である。そして、乗車率も通常の閑散期は低い状態が続く(長野~金沢間は特に)。
>>【北陸新幹線】本数が少ないのはなぜ!? 毎時1~2本だけの理由
中でも富山県、石川県内は自由席であっても座席が埋まるわけではない。指定席・自由席ともに混むのは土日祝をはじめ行楽シーズンくらいに限られる。
無料で利用できる無線LANサービスを導入するメリットがないと考えられていた。費用対効果が薄いために、北陸新幹線では無料Wi-Fiを設置していなかった。
JR東日本の区間でもJR西日本の区間でも同じように考えられてきた。
トンネル内は圏外のところも
北陸新幹線は、スマホやタブレットのデータ通信ですら行えないところがある。それが、トンネルの中だ。地上の電波である4G回線も3G回線も届かない空間であるため、トンネル内だと「圏外」となってしまう。
東海道新幹線や山陽新幹線など、あるいは地下鉄では、トンネル内にも携帯電話の通信設備が引かれているため、圏外にはならない。地上の電波を拾えているわけではない。
現在、北陸新幹線のトンネルにはこのような不便さを解消させようと、通信設備を整備されている。もうすぐこれが完成する見込みとなっていて、そうなればどこを走っていても4G回線や3G回線からは通信ができる。
北陸新幹線では、トンネル内にはこのような設備が引かれなかった理由も利用者数の少なさにある。
乗車率こそは高くても、本数そのものが少ないため費用対効果が合わなかったのも事実。
そのため、列車がトンネルの中に入ると携帯電話でデータ通信をしたり、電話による音声通話ができなくなる。
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