JR東海道線(名古屋地区)の朝ラッシュにおける混雑ではどのくらい激しいのか。中京圏で最も利用者数が多い路線だが、乗車率はやはり高い数値に達するのか。
朝ラッシュの時間帯では、豊橋方面へ向かい上りは新快速と快速、区間快速が優等列車となっていて、岐阜方面の下りは特別快速と快速が速達列車に設定されている。
いずれも、各方面から名古屋駅に向けて混雑の激しさが増すような需要となっている。名古屋駅に近づくにつれて乗車率の数値が高くなっている。
豊橋→名古屋の朝はどんな感じ?
豊橋方面から名古屋駅に向かっていく下り列車では、最も混雑する区間は公式には熱田→金山間とされている。乗車率は最終的には150%近くまで達する。
しかし、ここでは普通電車しか停車しない部分で、特別快速などの優等列車は通過運転する場所だ。
そして、各停よりも快速系の方が利用者数は多い。長距離ユーザーはほとんど優等列車に集中するためである。
実際に混雑が最も激しくなるのは刈谷→金山間の特別快速である。一気に7駅通過する区間で、10分強は走り続ける。ここで乗車率は150%程度の混み具合になる。
本数が少ない快速も同じく混雑する。刈谷~名古屋間では追加で大府駅と共和駅にも止まるが、混み具合は大差ない。150%程度の乗車率に達する。
ドア付近に立ると、圧迫感を感じるくらいのレベルである。もっとも、車両も転換クロスシートのものが使われていることから、ロングシートと比べると1両あたりに乗れる乗客の数は少ない。
乗車人数の割にはスペースに余裕がないため、結果として窮屈な車内空間となっているのは否定できない。
大垣→名古屋の朝はどうだ?
一方で岐阜方面から向かってくる電車の場合、豊橋方面からの電車とは違いがあるのだろうか。
走行距離は岐阜県側の方が短い。本格的に混雑が激しさを増すのは岐阜→名古屋間に限られる。快速以上の優等列車の途中駅は尾張一宮駅のみとなっている。
小さな駅をすべて合計しても途中に5駅しか存在しない。そのため、満員電車の状態が続く区間は決して長くはない。
新快速・快速・区間快速のいずれも大垣→岐阜間は各駅に停車する。座席に関しては、よほどのことがない限り始発の大垣駅ですでに満席となる。
穂積や西岐阜から乗っても座れない。岐阜駅は大きな駅ではあるが、降りていく人は少なく、乗ってくる乗客の方が圧倒的に多い。
尾張一宮駅では快速以上の電車は各駅停車と接続して追い越すことがほとんど。これにより、普通電車から乗り換えてくる人が多い。
尾張一宮→名古屋間の乗車率は130%程度になると見られる。公式データはないため、実測値は不明だが観察してみると概ねこれくらいになるだろう。
名鉄名古屋本線と並行するため混雑は緩やか
JR東海道線の名古屋地区はほぼ全線に渡って名鉄名古屋本線と並行して走っている。線路は同じ地域を走っているため、沿線の鉄道利用者を分け合っている構図となっている。
東海道本線が通るエリアは中京圏では最も鉄道利用の人口が多い地域といわれている。独占地域となっているJR中央本線よりも多い。
しかし、2つの路線で乗客を分け合っているため、朝ラッシュでも混雑はそれほど激しいものとはならない。
名鉄vsJR、競合する2社を比較! それぞれどんな違いがあるのか?
所要時間は基本的にJR東海の方が名鉄よりも早い。線形が良好なことに加えて駅数が少ないためだ。
長距離はJR、近距離は名鉄ともいわれている。近距離輸送は名鉄が中心となっているため、JR東海道線の普通(各駅停車)はそれほど混まない。