東京メトロ東西線の混雑度について、朝ラッシュ時の乗車率は日本一である。千葉方面からの上り電車(B線)はもはやすし詰め状態である。
朝の通勤時間帯には乗車率が200%を超えるように、地下鉄東西線だけが特段に混雑する。その理由は、沿線の特徴と東京メトロならではの良さにある。
他の路線場合、1980年代は車両に駅員が押し込まないと電車のドアが閉まらないほどラッシュの混雑が激しかった路線が複々線化やダイヤの工夫、新型車両の導入、沿線人口の減少で次第に緩和され、満員電車であってもすし詰め状態にはならないほどにまで収まってきた例が多い。
しかし、東京メトロ東西線に限っては今でもかなり重度な混雑状況となっている。夕方についても、茅場町駅より西船橋方面に行く電車は急激に混雑する。
沿線開発が未だに進行
東京メトロ東西線の場合、沿線が急激に開発されたという歴史を持っている。路線自体も戦後の高度経済成長期に作られたが、開通当時は沿線は田んぼや畑が広がっていて住宅地はほとんどなかった。
東西線ができたことで、線路の周辺に住宅地が作られ始め、そこに住み着いた人が東西線を使って都心部へ通勤するようになった。
さらに、直通運転する東葉高速鉄道線が開業すると、今度は西船橋から東葉勝田台までの沿線も急激に開発されるようになった。東葉高速鉄道を利用する人の多くは西船橋駅で降りることなくそのまま東京メトロ東西線内に入ってくる。
沿線の住宅地の開発は未だに進行している。そのため、人口も増加傾向にあり、東西線のラッシュ時の激しさが和らぐ見通しはまったく立っていないといえるのが今の現状だ。
運賃が安い
東京メトロ東西線を利用する人が多いもう1つの理由が、運賃の安さだ。東京メトロの場合、長距離の利用となるとJRよりも安い。西船橋から大手町の運賃は280円である。一方、JRを使って東京駅まで行った場合、運賃は380円と、地下鉄よりも100円高い。
このため、JR総武線の利用者が都心へ行く場合には、西船橋で電車を降りて東西線に乗り換える人が少なからず存在する。値段が安いという理由で東西線に人が流れ込んでくる構図になっていることで、ますます混雑する原因となっている。
さらに、東京メトロであれば都心の深い部分まで行ける。JRの場合は、東京駅や新宿駅といった大きなターミナル駅へのアクセスは非常に良いものの、山手線の内側へのアクセスは悪い。
都心部への交通手段として非常に便利であるがうえに千葉方面から多くの人が東西線を選ぶ要因となっている。
まとめ
- 沿線開発は今も進行
- 東葉高速鉄道へ直通乗り入れ
- 運賃が安い
- 都心部へのアクセスが良い