小田急線の朝ラッシュの混雑に関して、乗車率は約190%まで達すると発表されている。下北沢駅に到着する上り電車が最も激しい。これは具体的にどれくらいのレベルかというと、スマホの操作が難しいとされるほどのものだ。
複々線化によってかつてと比べるとデータ上では混雑が緩和されたようだ。しかし、実際に乗った感想としては大差ない。特に快速急行は依然として激しく混んでいる。
しかし、公表されている混雑度は各駅停車に限った話である。世田谷代田~下北沢が最混雑区間とされているのも調査方法がすべての駅に停車する各停に絞っているためだ。通過駅の設定がある速達列車は除外されている。
快速急行・急行・各駅停車ではそれぞれ実際にどれくらい混雑するのか。本当の乗車率はいくつくらいになるのか。また、時間帯は何時から何時までがピークに達するのだろうか。
急行の乗車率は200%近く!?
小田急線の中でも特に混雑するのが急行である。新百合ヶ丘駅と成城学園前駅からはかなりの多くの乗客が乗ってくる。最初に大量の人が降りていくのは下北沢駅であるが、それまではぎゅーづめの車内が続く。
ドア付近にいる人は電車に乗り切れるか乗り切れないかのレベルである。成城学園前駅を発車する際にはドアが閉まらないケースも時々ある。
朝と夕方の急行は経堂駅には停車しないため、ここでさらに乗客が乗ってくることはないが、新百合ヶ丘と成城学園前の乗降人数が多く、しかも各駅停車から乗り換えてくる人も多い。
その結果、朝ラッシュの上りの急行は乗車率が体感的に約200%近くに達すると感じられる。ドア付近に立っているとスマートフォンやタブレット端末を操作するのはほとんど不可能に近い。
ただひたすら次の降車駅である下北沢駅に到着するまで我慢し続けるしかないのが平日の朝の通勤通学の時間帯の現状なのである。
各駅停車も同じくひどい
急行の混雑度がかなり激しいのが事実だが、各駅停車もまたかなり乗車率は高い。国土交通省から公表されている通り、小田急線の上り電車は190%という乗車率になっている。
急行や準急は成城学園前~下北沢間の6駅を一気に飛ばす。その結果、各停しか止まらない祖師ヶ谷大蔵・千歳船橋・経堂・豪徳寺・梅が丘・世田谷代田の6駅から乗車する人が乗れるのは各駅停車のみとなっている。
優等列車がノンストップとなるこの区間は、各駅停車に乗客が殺到してかなり混雑する。新宿方面に進むごとに乗客が電車に乗ってくる。そして、世田谷代田駅を出発する頃にはぎゅーづめとなる。
ただし、各駅停車の場合は近距離しか乗らない人が圧倒的多数であるため、長時間満員電車に乗り続けることはない。高い乗車率は数分間のみである。
朝は特に1分でも早く職場などへ行く必要がある人が多いこともあり、急行が使える駅からわざわざゆっくり各駅停車の方を選ぶ人はかなり少ない。
下北沢駅手前で渋滞、そして遅延へ
ところで、小田急の上り電車の毎朝の光景といえば、下北沢駅の手前で発生する電車の渋滞である。
下北沢駅は単なる複線となっていて、上りのホームが1つしかない。一方で京王井の頭線へ乗り継ぐ人が結構降りていくため、乗降時間が長くかかる。そのため、後続の列車が前を走る列車に追いついてしまい、駅ホームの手前で止まることを余儀なくされる。
登戸駅から梅ヶ丘駅までは複々線が完成しているため、各駅停車は緩行線を走り、急行や準急、快速急行は急行線を走る。そのため、先頭の電車に後続が接近するという現象はない。
ところが、地下区間へ入る下北沢駅の手前からは再び複線となり上下線それぞれ線路が2本から1本に減る。
各停と急行系が同じ線路を走ることになるため、線路容量が限界の状態に達する。これが、上り電車のの渋滞とノロノロ運転の原因となっている。そして、時刻表通りの運転ができなくて5~10分くらい遅延するのが日常茶飯事となっているのが現状だ。
2018年を目途に下北沢駅も複々線化される見通しとなっている。これが完成すれば朝の時間帯でも電車の渋滞が解消される。スムーズに駅ホームに到着できるようになるだろう。