小田急線の朝ラッシュの混雑は複々線化後の今でも以前とあまり変わらないという意見が結構見られる。
複々線化が完了する2018年3月までは混雑率は約190%まで達すると発表されていた。下北沢駅に到着する上り電車が最も激しく、これは具体的にどれくらいのレベルかというと、スマホの操作が難しいとされるほどのものだった。
複々線化によってかつてと比べるとデータ上では混雑が緩和されたようだ。しかし、実際に乗った感想としては大差ない。特に快速急行、通勤急行は依然として激しく混んでいる。
混雑率は本当に190%→160%未満へ解消されたのか?
世田谷代田~下北沢が最混雑区間とされているのは確かだが、公表されている混データは種別ごとの違いは反映していない。
調査方法があくまでも小田急線の駅の乗降客数と列車の運行本数、車両の定員を目安に算出していることが影響している。通過駅の設定がある速達列車は除外されている。
快速急行・急行・各駅停車ではそれぞれ実際にどれくらい混雑するのか。本当の乗車率はいくつくらいになるのか。また、時間帯は何時から何時までがピークに達するのだろうか。
参照:【朝ラッシュ】小田急の混雑の時間帯とは!? 上り・下りを調査
急行系の乗車率はまだ190%近く!?
<急行系の種別>
- 快速急行
- 通勤急行
小田急線の中でも特に混雑するのが快速急行である。新百合ヶ丘駅と登戸駅からはかなりの多くの乗客が乗ってくる。最初に大量の人が降りていくのは下北沢駅であるが、それまではぎゅーづめの車内が続く。
ドア付近にいる人は電車に乗り切れるか乗り切れないかのレベルである。
成城学園前駅(通勤急行)を発車する際にはドアが閉まらないケースも時々ある。快速急行も登戸駅出発時は同じような光景が見られる。
朝ラッシュの上りの急行は乗車率が体感的に約200%近くに達すると感じられていたが、今でもその超満員電車が解消はされていない。
>>小田急の快速急行の混雑はどのレベル? 朝も昼間も空席なし!?
どんなに小さく見積っても、快速急行や通勤急行の朝ラッシュの混雑率は180~190%程度ではないか。
ドア付近に立っているとスマートフォンやタブレット端末を操作するのはほとんど不可能に近い。
ただひたすら次の降車駅である下北沢駅に到着するまで我慢し続けるしかないのが平日の朝の通勤通学の時間帯の現状なのである。
各駅停車は混雑緩和
急行の混雑度がかなり激しいのが事実だが、各駅停車も乗車率が高いことには変わりないが、以前よりも緩和されたという感覚はする。
かつては優等列車の運行上各駅停車の本数は少なかったものの、線路容量の増加で向ヶ丘遊園駅始発の各停が増発された。
各駅停車の場合は近距離しか乗らない人が圧倒的多数であるため、長時間満員電車に乗り続けることはない。高い乗車率は数分間のみである。
朝は特に1分でも早く職場などへ行く必要がある人が多いこともあり、急行が使える駅からわざわざゆっくり各駅停車の方を選ぶ人はかなり少ない。
夕方、夜の帰宅ラッシュも大混雑
朝の時間帯だけでなく夕方と夜の帰宅ラッシュでも、複々線化完了後のダイヤでも混雑が大幅に解消されたという感じはしない。
同じく各駅停車ならある程度乗客の数は減ったと感じる。準急も停車駅が多いこともあって、大混雑というほどにはならない。
快速急行・急行は以前と変わらないくらい大混雑になる。通勤ラッシュならではの超満員電車で車内空間に余裕はない。下北沢→登戸は特にすし詰め状態だ。
これら2種別に限って言えば、複々線化が完了した今でも混雑が緩和されたとは感じない。
>>【帰宅ラッシュ】小田急線の夕方・夜の混雑する時間帯・区間を調査
登戸~新百合ヶ丘はパンク状態
かつての小田急の上り電車の毎朝の光景といえば、下北沢駅の手前で発生する電車の渋滞である。
下北沢駅は単なる複線だったころは京王井の頭線へ乗り継ぐ人が結構降りていくため、乗降時間が長くかかっていた。後続の列車が前を走る列車に追いついてしまい、駅ホームの手前で止まることを余儀なくされていた。
複々線化の事業完了でこれはおおむね解消され、急行線・緩行線ともにラッシュ時でもスムーズに流れている。
朝も登戸駅から代々木上原駅までは複々線が完成しているため、各駅停車は緩行線を走り、急行や準急、快速急行は急行線を走る。そのため、先頭の電車に後続が接近するという現象はない。
ところが、登戸駅から新百合ヶ丘駅までの区間は単なる複線。上下線それぞれ1本の線路しか通っていない。
各停と急行系が同じ線路を走ることになるため、線路容量が限界の状態に達する。これが、上り電車のの渋滞とノロノロ運転の原因となっている。
そして、時刻表通りの運転ができなくて5~10分くらい遅延するのが日常茶飯事となっているのが現状。
>>【小田急】新百合ヶ丘まで複々線化が実現する可能性はやはりゼロ!?