高速バスの料金は新幹線や特急列車などの鉄道よりも安い。普通や快速電車の乗車券とほとんど同じくらいの値段に抑えられている。
指定席で確実に座れるうえ、格安な移動手段というのがメリットである。なぜ線路を走る電車よりもお得なのか。
逆に、なぜ新幹線や特急は運賃が高速バスよりも高いのか。そんな疑問を考えたことが一度はあるという人は少なくないだろう。
バスはランニングコストが安い
鉄道 | 高速バス |
車両+線路が自前 | 車両のみ |
軌道・信号・駅の保守管理でコスト大 | 高速道路の通行料金のみ |
すべて鉄道会社が管理 | 道路は行政が管理 |
新幹線や特急は線路を走る。長距離路線の場合、ほとんどはJR各社(旅客鉄道会社)だろう。
鉄道は車両そのものの値段がものすごく高い。10両編成だと1編成で約10~15億円ほどどなる。新幹線はさらにその2,3倍ほどの価格となる。
バスは1台当たり数千万円。自家用車よりは大幅に高いものの、まとまった数の乗客が乗れるという点では安い。
鉄道はさらに線路の保守点検に多額の費用がかかる。高速走行する新幹線や特急の走る路線だと毎晩のようにメンテナンスが必要となる。
列車の運行はただ車両を動かすだけでない。維持管理にかかるコストをすべて鉄道事業者だけでまかなわなければならない。
道路を走るだけの高速バスよりもランニングコストが高いのは確か。高速道路の通行料金を考えても、鉄道の方が割高になる理由がある。
安い分運行が不安定に
ただし、高速バスには1つ大きなデメリットととらえられる欠点が存在する。所要時間の不正確さである。
一般交通が走る道路を使うという点から、渋滞に巻き込まれる可能性がある。一般道路を走る区間もあり、信号待ちなどで所要時間が変動する。
途中に障害物がない鉄道は時間には正確で安定性には強い交通手段である。特に都市部では秒単位で運行されるほど。
人身事故や天候などで電車が遅延することはあるが、それでも確率的には高速バスよりも低い。
しかも、鉄道の方が交通事故が少ないために安全性が高い乗り物でもある。高速バスはリスクが伴う。死亡事故が起きるケースもしばしばある。
新幹線や特急列車は安全かつ時間に正確というところがメリットであり、値段が安くなくても多くの人が選ぶ移動手段という地位を誇っている。
運賃の価格の安さ以外に長所といえるメリットがないのが高速バスの特徴とも捉えられるだろう。
まとめ
高速バスが安い理由とは
- ランニングコストが安い
- 車両だけあれば走れる
- 時間に不正確で運行が不安定