首都高の渋滞の原因とは!? なぜいつまでも解消されない?

首都高速道路は全国的に見て慢性的な渋滞が発生している道路である。その原因とは何か、今回は調査してみた。新規路線が次々と開通する中でも、なぜほとんど解消されないのか。

都市高速道路としては、東京都心部を走る首都高のほかに、阪神高速や名古屋高速などが知られている。

いずれも規格は低規格で制限速度が遅く設定されているが、渋滞の発生頻度は圧倒的に東京の首都高が多い。

東京近郊では、ここ最近になって圏央道や東京外環自動車道、首都高中央環状線などの新路線が開通している。しかし、渋滞は依然として多く残っている。


東京一極集中が原因!

圏央道や東京外環自動車道の開通は、都心部には用がなく通過する車によっては都合がいい。都市部を迂回するバイパスの役割を果たしているため、都心部へ出入りする余分な車が減る。

都心部にとっても、通過していく車が入ってこないことで、その分渋滞の要因が減る。これらの新しい高速道路が多大な恩恵をもたらしているのは確かな事実である。

しかし、残念ながら都心部の交通量が多いのは変わらない。しかも、近年は東京一極集中が進んでいることから、その分都心部へ入ってくる車両の数も多くなっている。

車の流入数の絶対値が多くなればなるほど、渋滞が起きやすくなる。他の地方から東京へ入る車の大半は首都高を使うことになるため、それによって渋滞も起きやすいというわけだ。

直接的な原因は上り勾配と合流部

ただ、交通量が多いだけでは渋滞はそう簡単には発生しない。一定の速度で交通が流れていれば、その量が多くてもちゃんと動いている状態が続く。

首都高で渋滞が起きてしまう職説的な理由が交通量の多さではない。上り勾配と合流部の存在が、渋滞へと直結する原因である。

渋滞の原因である上り勾配

首都高速道路株式会社HPより

上り勾配において、車は平たん部と同じパワーで走っているとスピードが落ちる。後続車は、前を走る車が減速すれば衝突をさけるために減速せざるを得ない。

車間距離を確保するため、後続車は前の車よりもさらにスピードを落とすこととなる。後続車が減速するという動きが何台も続けば、最終的には車の流れが止まってしまう。

交通量が多い首都高で簡単に渋滞が発生する原因の1つなのは想像できるだろう。

首都高の合流部

また、合流部の存在も渋滞が起きる原因だ。合流部では、車が2路線以上から集まるため、一気に交通量が爆発的に増える。

しかも、合流する際には他の交通と速度を合わせる必要があるため、上り勾配と同じように減速せざるを得ない。後続車へ次々とスピードダウンの動きが伝わる。

同じく最終的には車の流れが止まってしまう。首都高は特にジャンクションが多い。こまめに分岐点が存在するため、直接的な原因となる箇所が多い。

少子高齢化なら渋滞緩和か

日本は全国的に少子高齢化が続いている。今のところ、東京とその周辺の地域に限ってはむしろ人口が増加傾向にある。

東京一極集中が続いているのは確か。地方の過疎化を合わせて社会的な問題となっている。

しかし将来的には、東京においても人口が徐々に減っていく見込みとなっている。人口そのものが減少に転じている今、人口が増えているのは今だけだ。

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少子高齢化が進むことでデメリットがあるといわれているが、メリットもある。その1つが渋滞の緩和だ。

首都高を走る車の絶対数が少なくなる。それに加えて、新規路線の開通で1路線当たりの交通量が少なくなる。

そうなれば、たとえ上り勾配やジャンクションでの合流部があっても、車の流れがストップしてしまうほどの渋滞には至りにくくなる。


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