JR宇都宮線の快速は日中は1時間に1本あるが朝の時間帯はまったく走っていない。すべて普通(各駅停車)になっている。
下りの場合は「快速ラビット」が朝の時間帯でも2本走っている。しかし、上り電車に関しては1本も走っていない。すべて各駅停車となっている。本数は多いとはいえ、速達列車がないということで遠距離ユーザーからは不満の種となっている。
土日についても上りは一切快速が朝の時間帯は走っていない。平日も含めて一番最初の電車で湘南新宿ライン横須賀線直通の10時台である。夕方~夜間については上下線とも通勤快速またはラビット号が走っている。前者は平日、後者は土日祝日の運転となっている。本数は日中と同じ1時間に1本だ。
朝ラッシュ時にない理由は?
宇都宮線は大宮以南は高崎線から来る列車と線路を共有している。湘南新宿ライン・上野東京ラインともに高崎線と同じ線路を走っていることから線路容量にはあまり余裕がない。
利用者数もピークに達する時間帯であることから、各駅停車を減らすわけにはいかない。各停だけでもすでに飽和状態であり常に満員の状態となっている。もし快速を走らせてしまうとすぐに先行列車に追いついてしまう。停車駅が少なくなったとしても結局はノロノロ運転となりかねない。
各停を待避させて快速を追い抜かせるという案が存在するが、そうしてしまうと今度は各駅停車の利用者から不満の声が上がってしまう。朝ラッシュの時間帯はもともと所要時間がかかる上に待避時間が追加されるとさらに時間がかかることとなる。
そもそも、待避できる駅も決して多いとは言えない。待避設備があるのは大宮以北の駅のみである。大宮以南ではまず快速を増やせる余力はない。宇都宮線単独の区間に入っても、待避可能駅は、蓮田・白岡・久喜・栗橋・古河・小山くらいしかない。しかも古河以南は上下線のどちらかしか待避できない。
設備の面でも朝ラッシュの列車の運行本数が多い時間帯においては快速電車を走らせられることはできないと言えるだろう。
他の路線も同じ?
通常の複線の路線の場合、JRについては朝ラッシュの時間帯は各駅停車のみしか走らせていない例が多い。
中央線快速・総武線快速についても実質的にはすべて普通列車である。中央線の場合、日中は毎時4本運行されている「特別快速」は朝は走っていない。
総武線は東京から千葉駅まで複々線となっていて緩行線と快速線の2つの線路があるが、それ以上の速達列車はない。京浜東北線に対する上野東京ラインと同じ構図になっている。