高崎線で遅延が多い原因を調査! 主要な理由は4つ

高崎線

JR高崎線(東京~高崎)にて遅延が毎日という頻繫に発生している原因について調査。

相互直通運転による他の線区の影響・営業キロ数の長さ・人身事故・安全確認の実施などの存在が主な原因に挙げられる。

当然ながら首都圏の中で遅延が発生する頻度はトップクラス。5、10分程度の小規模な遅延から完全な運転見合わせ・運休まで様々だが、ダイヤが不安定なのは確実。

朝から夜まで時刻表通りに列車が走ることは年間を通して非常に少ない。

最新の遅延情報(JR東日本公式ホームページ)>


高崎線の遅延の主な理由

遅延の原因 頻度 詳細な内容
安全確認の実施 ★★★★ 線路内立ち入り、踏切障害物検知による安全確認の実施
人身事故 ★★★★ 踏切・駅構内の人身事故による運転見合わせ
路線の営業キロ数が100超 ★★★★★ 東京~熱海間の営業キロ数が104.6kmと長距離
他線区の影響 ★★★★★ 上野東京ライン・湘南新宿ライン(横須賀線・宇都宮線・高崎線・常磐線)のダイヤの乱れの影響をダイレクトに受ける
※これら以外にも車両・線路設備・電気系統の故障などがある

参照:鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

高崎線の東京~高崎間で遅延や運転見合わせの原因となる点として、上記4つが当てはまる。

人身事故、安全確認の実施、営業キロ数が長いという高崎線そのものにダイヤが乱れやすい理由が存在することはもちろん、それ以外にも他の路線に起因する問題も結構多い。

特に絶対に無視できないのが、「営業キロ数の長さ」と「他線区の影響」である。これら2点の重要度が大きい。

他線区の影響

高崎線の相互直通運転

かつては宇都宮線とともに上野始発だったJR高崎線であるが、現在は上野東京ラインの開通によって東京駅まで乗り入れる。

東京駅から南側ではさらに東海道線にも直通し、電車1本で最長で静岡県の沼津駅まで行ける。埼玉方面と神奈川方面とを行き来できるようになった反面、不利益を感じる重大な欠点が遅延の多さ。

上野東京ライン、あるいは湘南新宿ラインの遅延率は首都圏の鉄道路線の中でも特に多く、定時運行が困難な環境を作り出している。

それらを構成する高崎線で遅延が生じるのはもはや当たり前の現象となった。

相互直通運転(上野東京ライン・湘南新宿ライン)

宇都宮線の列車の直通先

  • 上野~大宮:宇都宮線(線路を共有)
  • 東京~熱海:東海道線
  • 大崎~戸塚:横須賀線(湘南新宿ライン)

※以下は直通サービス

上野東京ライン:東京駅・上野駅経由で東海道線へ乗り入れ
湘南新宿ライン:武蔵小杉駅・新宿駅経由で横須賀線・東海道線へ乗り入れ

高崎線と定義づけられている区間こそは東京~高崎間だが、ほとんどの列車はそれ以外の区間や路線と相互直通運転を実施している。

「上野東京ライン」「湘南新宿ライン」という直通サービス名で列車が運転されている。

上野東京ラインだと、東京駅から神奈川県側にて東海道線へ乗り入れている。

湘南新宿ラインだと、大宮駅から東北貨物線を通して池袋駅・新宿駅・渋谷駅などを経由して横須賀線の線路を通って戸塚駅まで行き、そこから東海道線の線路へと入る。

池袋~大崎では線路を埼京線とシェア、大崎~戸塚は横須賀線とシェアしている形。

高崎線内を走る同一列車がこれらの異なる路線と行き来しているため、それらの路線にて遅延が発生すれば高崎線の電車も同時に遅れる。

例えば、東海道線内にて人身事故が発生して運転見合わせになると、高崎線の電車も一時的にストップする。

最終的には運転再開までは、東京駅を境に直通運転の中止と折り返し運転という代替手段が取られる。とはいえ、それでも無影響にはならず、最低でも5~10分は遅れる場合がほとんど。

関連路線の影響(宇都宮線・埼京線)

関連する路線

  • 上野~大宮:宇都宮線(線路を共有)
  • 池袋~大崎:埼京線(湘南新宿ライン)
  • 大崎~武蔵小杉:相鉄・JR直通線(湘南新宿ライン)

高崎線単独の列車が直接乗り入れるわけではないものの、運転系統が何かしら関連する路線が上記。

まず、高崎線は大宮以南では宇都宮線と線路を共有。路線も正式には「東北本線」に当たる区間。ここでは宇都宮線のダイヤの影響を受ける。

一部列車は「湘南新宿ライン」として新宿駅を経由するが、これらの区間はまた別の路線と同一線路を共有したり、高崎線とは関係ない第三の路線と相互直通運転を実施している。

湘南新宿ラインが走る池袋~大崎間は埼京線の線路。ここで埼京線のダイヤの乱れの影響をまず受ける。

大崎~武蔵小杉間は埼京線と相鉄本線を乗り入れる相鉄・JR直通線も走る。

高崎線の東海道線直通の湘南新宿ラインも横須賀線へと入るわけだが、同じところに相鉄線と関係する電車も走っている。

これにより、相鉄本線での運行支障が発生した場合はその影響も受ける。

さらに、埼京線はこれとは別に大崎駅を境に東京臨海高速鉄道りんかい線と相互直通運転を実施している。ここの影響も若干は湘南新宿ラインへ波及。

これにより、高崎線(東京~高崎)とは直接的に関係ない路線の遅延が原因で定時運行ができなくなる構図が明確に存在している。

人身事故・安全確認

高崎線は特に人身事故が発生することが多い。

一度事故が発生すると、最低3、4時間は列車の運転が再開できない。大規模な運転見合わせにも発展する。

発生する箇所としては踏切内と駅構内の2パターンがほとんどだが、特に気になるのが前者。

踏切での人身事故

高崎線の踏切

踏切は人身事故が起きる場所の典型的な原因である、クルマなどの一般交通と電車が衝突する可能性も高い。

踏切での事故は電車が100%止まってしまう要因なのは確か。復旧には時間を要するため、大幅にダイヤが乱れるよくある理由。

大宮以北の高崎線単独区間は特に地上平面交差が数多く存在。

上尾駅・桶川駅・鴻巣駅・熊本駅などの主要駅でさえ地上にあり、高架化・地下化は一切されていないが、これは途中の駅間でも同じ。

連続立体交差事業もほとんど進められていないため、道路とは踏切で交差する地点が膨大の数にのぼる。

踏切の数が多ければそれだけ事故が起こるリスクが上がり、実際にも踏切内での人身事故による運転見合わせは他の路線よりも明らかに頻発。

安全確認の実施

踏切に関連することは実際の交通事故を意味する「人身事故」だけではない。

列車通過直前の立ち入り、障害物の検知といった問題も発生する。

このような出来事が生じると、電車と人や車が衝突・接触しなくても一旦電車が止まって安全確認を行うことになる。

異常がないことの確認作業には最低5分はかかる。運転士や車掌が車外の様子を見たり、司令部へ報告するためだが、これは短時間で終わるわけではない。

1時間以上のような長い時間にわたって続く遅れではないものの、遅延としてカウントされる基準の5分は絶対に超える。

また、駅構内の列車緊急停止ボタン(非常ボタン)の作動に関してもよくある事例。

宇都宮線との重複区間である大宮以南だと宇都宮線の電車を対象に非常ボタンが作動すると、後続の高崎線がつっかえてしまって遅れへとつながる。

営業キロ数が100km超

営業キロ数が長い高崎線

他の路線の影響が大きく関係している高崎線だが、距離自体の長さもまた気になるポイント。

運転系統としての終点は宇都宮駅の場合がほとんどということで、東京~高崎間に絞ってもその営業キロ数は105.0km。首都圏でも有数の長距離路線。

両毛線の新前橋駅発着だと合計で112.3kmになる。

路線距離が長い分、途中で何かのトラブルが発生する確率が高まる。

前述の踏切事故をはじめ、架線支障、ポイント動作不良、信号トラブル、車両故障などの設備の故障が短い路線よりはリスクが高い。

実際のところ、高崎線内での要因によって他線区へ遅延の悪い効果が波及することもかなり多い。

なお、上野東京ラインで高崎線と東海道線を通しで走る高崎~熱海間の営業キロ数は209.6km。在来線普通列車としては超長距離。

途中で何かの問題が生じるリスクは高いのがより理解できるだろう。

それほど影響はしていない要因

遅延の原因 頻度 詳細な内容
混雑 高崎線は首都圏でも混雑率が低い。
設備故障 ★★ 車両、線路、信号、電気系統などの故障。頻度は低い。
過密ダイヤ 高崎線は過密ダイヤといえるほど本数は多くない。
悪天候 ★★ 内陸部かつ平野がほとんどのため、頻度は高くない。

遅延の原因として認識されやすい内容として上記の内容もある。

人身事故や信号・車両トラブル、あるいは悪天候が直接的な理由で電車がよく遅れるのは否定できない。

しかし、いずれも他の路線よりも遅延が起こりやすい大きな理由というほどのものではない。

毎日のようにダイヤが乱れる要素としては不十分で、あくまでも原因の一角にとどまる。

慢性的な混雑

朝夕の通勤ラッシュによる混雑も遅れの原因として見られることがあるが、高崎線はこれには該当しにくい。

混雑が原因での遅延の詳細

  • 高崎線:宮原→大宮の混雑率およそ160%
  • 首都圏では比較的緩やかな数値

高崎線の最混雑区間は宮原→大宮だが、首都圏の中ではそれほど高い数値ではない。

参考:高崎線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

朝夕の混雑率の記録が大きいところではその分停車駅での乗降時間が長くなって遅れる。

そんな事例もゼロではないが、他と比べるとこうなる事例は少ない。

混雑が原因で高崎線の電車がこれほど頻繁に遅れるとは判断できない。

設備故障

車両故障、ポイント動作不良・レール破断・架線支障・信号トラブル・電気系統トラブルなどの設備故障も電車が運転見合わせになる原因。

実際にこれらの要因で遅延が生じることがあるが、その頻度は決して多くはない。

営業キロ数が長い分、どこかの地点で生じる可能性が高いのは確かだが、頻度的にはレアであることには変わりない。

したがって、設備故障が毎日のようにダイヤの乱れが生じる原因とは言えない。

過密ダイヤ

過密ダイヤでは乗客にとっては電車への乗車機会が多くなり、輸送力もその分上がる。

しかし、定時運行の面では不利になりやすい。駅での停車時間が少しでも長くなると、後続列車が追い付いてしまって電車の渋滞が発生する。

2,3分間隔という短い間隔で走る路線もあるが、それとは対照的に高崎線は5~10分間隔が空くことがほとんど。

「ノロノロ運転」「ダンゴ運転」と呼ばれる現象は少なく、運転本数が遅延の原因になる度合いはかなり小さい。

 まとめ~要約すると

運転見合わせ中の高崎線

東京から大宮、上尾、鴻巣、熊谷などを通って群馬県へと延びる鉄道路線であるのがJR高崎線だ。埼玉県北西部の人々には欠かせない移動手段となっている。

しかし、遅延や運転見合わせが多い路線でもあり、電車が頻繁に止まるとして不評である。

2015年からは上野東京ラインが開業したこともあって、東京駅より先の神奈川県内の東海道線とも直通運転を行っている。他路線の運手状況の悪影響も受けやすい。

湘南新宿ラインとして運行している列車が存在する点についても同じことが言える。こちらからの悪影響も受けやすい。

さらに、高崎線内には多くの踏切が設置されている。踏切は渋滞の原因にもなる厄介な場所であるが、事故が起きやすいポイントで、人身事故の原因の1つであることは間違いない。

加えて、大宮~東京間の線路については、宇都宮線と線路を共用する形となっているのも良よく止まる理由となっている。

仮に高崎線単体では異常がなかったとしても、宇都宮線で何か不測の事態が起きると影響は高崎線にも少なからず及ぼす。

こうしたいくつもの要因が存在することで、JR高崎線では運転の見合わせや遅延が多発するのである。


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