埼玉高速鉄道線で遅延が多い原因は基本的に1つのみ。東京メトロ南北線・東急目黒線との相互直通運転がその理由。もっと詳細に言うと、南北線と目黒線内での停車時間の超過がほとんど。
特に埼玉高速鉄道線はほぼすべての電車が南北線へ乗り入れる。下り列車(浦和美園方面行)を中心に5~10分程度列車が遅れることが多発。
埼玉高速鉄道線そのものでは、ホームドアが整備されていること、全線が地下もしくは高架上を走り、踏切が存在しない。
これにより人身事故による運転見合わせのような完全に電車の運行がストップするほど深刻なものにはならないものの、数分は遅れが出やすい。
<最新の遅延情報に関しては公式ホームページにて。>
南北線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
相互直通運転 | ★★★★★ | 東京メトロ南北線、東急目黒線との相互乗り入れ |
埼玉高速鉄道線にて遅延の原因となる点として、上記2つが当てはまる。
埼玉高速鉄道線内でのトラブルよりも、相互直通運転によるものが大きい。
東京メトロ南北線、東急目黒線と相互乗り入れを行う。さらに、目黒~白金高輪間は都営三田線と同じ線路を共用する。
どれか一方でもダイヤの乱れが生じると南北線にも遅延が出る。
路線名 | 平日20日間の遅延日数 | 多さの判定 |
---|---|---|
銀座線 | 7.4日 | かなり少ない |
丸ノ内線 | 14.7日 | やや多い |
日比谷線 | 12.3日 | やや多い |
東西線 | 16.4日 | 非常に多い |
千代田線 | 18.4日 | 非常に多い |
有楽町線 | 16.0日 | 非常に多い |
半蔵門線 | 15.6日 | やや多い |
南北線 | 15.4日 | やや多い |
副都心線 | 14.4日 | やや多い |
参考:【ランク別】首都圏の遅延が多い/少ない鉄道路線を一覧化
埼玉高速鉄道線と関連のある路線の遅延や運転見合わせ等の輸送障害の事情について上記で解説。
相互直通運転による影響
埼玉高速鉄道線は前述のように地下鉄・私鉄と直結。
赤羽岩淵を境に東京メトロ南北線、目黒駅を境に東急目黒線とそれぞれ相互直通運転を行う。
さらに目黒~白金高輪間は都営三田線との共用区間。東京メトロと都営地下鉄が双方の電車が同一線路上を走る。実質的に相互乗り入れと似ている。
相互直通運転によるダイヤの乱れはこれらの乗り入れ先でのトラブルが原因である場合も多い。
どれか1つの路線でも遅れれば、赤羽岩淵~浦和美園間の埼玉高速鉄道線内でも遅れという結果につながる。
南北線に起因する遅延
◎南北線に起因する遅延
- 混雑による乗降時間の延長
東京メトロ南北線に起因する遅延とは、混雑状況の事情くらい。
全線が地下区間のため、地上の天候や踏切関連の影響はまったくない。
ただし、混雑によって電車の遅れが生じることがある。駒込→本駒込を筆頭に混雑率は150~160%。
首都圏ではトップクラスほど高い数値ではないものの、乗降時間の延長などが遅延の原因にはなる。
通勤ラッシュとなれば、埼玉高速鉄道線の区間ではまだ空いていたとしても、南北線では確実に満員電車になる。
一方、全駅ホームドア設置のため人身事故はほとんど起こらない。運転見合わせはレア事象。
ただし、ホームドアが停車時間の超過につながるのも確か。車両側のドアの開け閉めとホームドアの開け閉めにはタイムラグが発生する。
発車直前の駆け込み乗車やその他強引な乗降があると、ドアの再開閉をおこなうが、ここで数十秒のタイムロスが発生しやすい。
加えて南北線のホームドアは床から天井まで完全に覆った「フルスクリーン式」。運転士からの見通しが悪いことで、乗降確認は慎重にならざるを得ない。(埼玉高速鉄道は腰くらいの高さの可動式ホーム柵)
その分、発車するのは遅れて電車の遅れにつながることがよくある。1つの駅のみであれば数十秒にとどまるものの、複数の駅で続けば数分単位の遅延になる。
東急目黒線に起因する遅延
◎東急目黒線に起因する遅延
- 混雑の影響(急行への集中)
一方の東急目黒線に起因する遅延としては、混雑による影響。特に「急行」へ集中が遅れの原因になりやすい。
武蔵小杉駅、大岡山駅、武蔵小山駅での乗車時間が長くなりやすい。
最も東急目黒線も首都圏では遅延の温床となるほどのレベルのひどい路線ではない。
総延長も12kmほどしかないため、踏切関連の人身事故や緊急停止は少ない。
全駅にてホームドアが設置されていることもあって、駅構内でのトラブルも低水準ではある。
それでも、埼玉高速鉄道線と南北線・目黒線を合算すれば距離が長い距離になり、駅数も多くなるため、総合的に見て途中で遅延の原因となるトラブルに見舞われるリスクが上がる。
埼玉高速鉄道線の電車に絞ると、すべての電車が目黒線内まで乗り入れるわけではない。それでも半数近くが相互乗り入れを行うため、埼玉高速鉄道線まで影響しないとはまったく言い難い。
その他、各路線の遅延事情について
鉄道事業者 | 路線名 |
---|---|
JR東日本 | JR中央総武緩行線、JR宇都宮線、JR高崎線、JR中央線快速、JR横須賀線、JR総武線快速、JR埼京線、JR川越線、JR東海道線、JR京浜東北線・根岸線、JR山手線、JR常磐線快速、JR武蔵野線、JR京葉線、JR横浜線、JR南武線 |
東京メトロ | 千代田線、東西線、有楽町線、半蔵門線、南北線、丸ノ内線、副都心線、日比谷線、銀座線 |
都営地下鉄 | 都営三田線、都営浅草線、都営新宿線、都営大江戸線 |
京成電鉄 | 京成本線 |
東武鉄道 | 東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、東武東上線、東武野田線(アーバンパークライン) |
西武鉄道 | 西武池袋線、西武新宿線 |
京王電鉄 | 京王線、京王井の頭線 |
小田急電鉄 | 小田急線(小田原線・多摩線・江ノ島線) |
東急電鉄 | 東急東横線、東急目黒線、東急田園都市線、東急池上線、東急大井町線 |
京浜急行電鉄 | 京急本線 |
相模鉄道 | 相鉄本線 |
その他の私鉄 | つくばエクスプレス、東葉高速鉄道、北総鉄道、埼玉高速鉄道、東京臨海高速鉄道りんかい線 |