【ランク別】首都圏の遅延が多い/少ない鉄道路線を一覧化

鉄道の遅延

関東地方の首都圏の鉄道路線を遅延の頻度を基にランク別で分類して一覧化。

乗車人員が全国トップクラスで相互直通運転が盛んに実施されている東京周辺は他の地域に比べても定時運行率が悪い。

電車の遅れが生じることが多い事例と少ない事例がある。各々を5段階に分けると以下のような表になった。


各鉄道路線の遅延の多い/少ないの結果

ランク 該当する路線名
非常に多い 中央総武緩行線、宇都宮線、高崎線、東京メトロ千代田線、中央線快速、総武線快速、横須賀線、埼京線、川越線、小田急線、東海道線、京浜東北線、根岸線、常磐緩行線、東京メトロ東西線、東京メトロ有楽町線、山手線
やや多い 東京メトロ半蔵門線、東京メトロ南北線、東京メトロ丸ノ内線、東急東横線、東京メトロ副都心線、都営三田線、常磐線快速、東京メトロ日比谷線
ふつう 東急目黒線、武蔵野線、東急田園都市線、西武新宿線、西武池袋線、京葉線、都営浅草線
やや少ない 京成本線、都営新宿線
かなり少ない 横浜線、南武線、東急池上線、東京メトロ銀座線、京急本線、東急大井町線、京王線、都営大江戸線、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、東武東上線、相鉄本線、京王井の頭線、東急多摩川線、東武野田線(アーバンパークライン)

各ランク毎の判定基準

非常に多い:16日以上
やや多い:12日以上
ふつう:10日以上
やや少ない:8日以上
かなり少ない:7.9日以下

平日20日間のうち「遅延証明書」の発行日数

JR・私鉄・地下鉄問わず、各路線にとって遅延の発生のしやすさには大きな違いが見られる。

路線距離の長さ、乗車人員の数、相互直通運転や並行線路の有無、ダイヤの過密性、天候条件、踏切やホームドアの設置事情などが大きく影響している。

参考:鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

電車のダイヤの乱れの根拠になりやすい事象に関して詳しくは上記にて解説。

首都圏にて特に重要な要素は相互直通運転の有無。他の線区への乗り入れとその対象列車の本数との相関関係が見られる。

路線ごとの遅延の事情

次に首都圏の主な鉄道路線の遅延の頻度についてもっと詳しく見てみる。

各路線の多さとその背景にある事情についてそれぞれ説明。

下記の統計データは国土交通省によって算出された数値。調査が実施されたのは2016年、事情が変化したことで現在とはかけ離れている事例もあるものの、大幅に変化しているところはない。

非常に多い路線

路線名 20日間当たりの日数 主要な理由
JR中央総武緩行線 19.1 混雑、並行路線の影響
JR宇都宮線 18.4 相互直通運転、営業キロ数、人身事故
JR高崎線 18.4 相互直通運転、営業キロ数、人身事故
東京メトロ千代田線 18.4 混雑、相互直通運転
JR中央線快速 18.3 混雑、過密ダイヤ、人身事故
JR横須賀線 17.9 混雑、並行路線の影響、相互直通運転
JR総武線快速 17.9 並行路線の影響、相互直通運転
JR埼京線 17.9 混雑、並行路線の影響、相互直通運転
JR川越線 17.9 相互直通運転
小田急線 17.9 混雑、営業キロ数、相互直通運転
JR東海道線 17.4 混雑、並行路線の影響、相互直通運転
JR京浜東北線・根岸線 17.4 混雑、並行路線の影響
JR常磐緩行線 16.8 相互直通運転
東京メトロ東西線 16.4 相互直通運転、混雑
東京メトロ有楽町線 16.0 相互直通運転、混雑
JR山手線 16.0 混雑、並行路線の影響

平日20日間あたり16日以上遅延が発生している路線が「非常に多い」に該当。

ほとんど毎日何らかの形で電車が運転見合わせ、または5分以上の遅れが出ている。

元々鉄道が遅れやすい首都圏エリアの中でも、特に頻度が高いワースト上位に入る対象なのは言うまでもない。

JR中央総武緩行線(各駅停車)

中央総武緩行線

JR中央総武緩行線ではもはや慢性的な遅延が生じている。基本的に朝夕の通勤ラッシュの時間帯に電車が遅れることが目立つ。

首都圏で首位であるが、それと同時に混雑率の統計データでもトップ勢に入る。

錦糸町駅からの混雑によって定時運行ができなくなり、それが長い時間にわたって影響が続く。

直接的な要因は、ドアへの荷物の挟まり、乗降時間の延長が主流。

JR宇都宮線

宇都宮線

JR宇都宮線でも毎日必ずといっていいほど遅延が生じている。

朝夕の通勤ラッシュのみならず、日中のオフピークの時間帯であってもダイヤが乱れることが多い。

最大の原因は路線距離の長さにある。100km長の営業キロ数を誇り、しかも踏切が多い。

途中で人身事故や車両・信号・線路などの設備故障も発生しやすい。

さらに、上野東京ライン・湘南新宿ラインによる直通サービスもあり、東海道線・横須賀線・埼京線などの他路線の影響も大きく受ける。

相互直通運転による影響も遅延の慢性状態の大きな原因なのは確か。

JR高崎線

高崎線

JR高崎線でも毎日必ずといっていいほど遅延が生じているが、理由は宇都宮線とまったく同じ。

100km長の営業キロ数という路線距離の長さ、踏切の多さが主要な要因。

上野東京ライン・湘南新宿ラインによる直通サービスもあり、東海道線・横須賀線・埼京線などの他路線の影響も大きく受ける。

東京~高崎間で直接トラブルがなくても、他の路線内での運転ストップがあると間接的に高崎線の列車に遅れが出てしまう。

相互直通運転による影響と高崎線自体の特徴という2種類の原因が合体している。

東京メトロ千代田線

千代田線

東京メトロ千代田線の遅延の理由は、朝ラッシュの混雑が主要な要因。

町屋→西日暮里間の最混雑区間をはじめ、北千住駅から都心へ向かう人達の殺到がダイヤを乱しやすい。

直接的な要因は、ドアへの荷物の挟まり、乗降時間の延長が主流。

常磐緩行線や小田急線とも相互直通運転を行っているが、これも無視はできない。

JR中央線快速

中央線快速

JR中央線快速の遅延の理由は、混雑と過密ダイヤにある。

御茶ノ水駅~三鷹駅の区間は各駅停車と複々線の関係から輸送力が十分に高いが、所要時間の都合から快速電車に乗客が集中する。

朝ラッシュのピークを中心に途中駅での乗降時間の延長などが遅れの理由。

さらに、高尾駅から山梨県側からの直通列車の遅れも影響しやすい。

JR横須賀線

総武線快速・横須賀線

JR横須賀線の混雑の原因は混雑と相互直通運転にある。

特に武蔵小杉駅での近年の人口増加は悪影響を及ぼしている。

乗降時間の延長、ドアへの荷物挟まりが生じやすい。

総武線快速との直通運転も無視できない。それでも、混雑が原因で遅れることが目立つ。

JR総武線快速

JR総武線快速の混雑の原因はほぼ相互直通運転にある。

東京駅から横須賀線と、千葉駅から総武本線・成田線・内房線・外房線と一部列車が直通運転を実施。

上り列車だと、これらの線内からやってくる電車に遅れがあると、合わせて総武線快速の電車も遅れてしまう。

東京駅~千葉駅の区間には大きな問題は起こりにくいが、関連事案によるダイヤの乱れは防げていない。

JR埼京線

埼京線

JR埼京線の混雑の原因は相互直通運転・並行路線の影響が大きい。

池袋~大崎間では湘南新宿ラインと線路を共有する。湘南新宿ラインそのものは直通サービスのため、こちらも埼京線他に東海道線、宇都宮線、高崎線などの影響を受ける。

さらに、東京臨海高速鉄道りんかい線・相鉄線(相鉄・JR直通線)との相互直通運転を実施。

後者は大崎~武蔵小杉間で横須賀線、西谷~海老名間で相鉄本線の線路を走る。

どれかの路線にてダイヤが乱れると、連鎖反応で埼京線へ波及する。

JR川越線

JR川越線では大宮~川越間の系統が遅延しやすい。

原因は完全に埼京線とその背景にある。

埼京線で様々な理由から遅延することで、その延長線上という性質の川越線にもダイヤの乱れが波及する。

川越線は単線ということもあって、一度遅延が起こると大規模化しやすい。

小田急線

小田急線

小田急線(小田原線・多摩線・江ノ島線いずれも)は私鉄の中では特に遅延が発生しやすい路線。

路線距離が長いこともあるが、慢性的な混雑も無視できないほど大きく影響している。

2018年には複々線化事業が完成して、代々木上原駅~向ヶ丘遊園駅の区間は上下線それぞれ2つの線路が確保された。

急行線と緩行線がそれぞれ別々の線路を走るようになったことはもちろん、輸送力が大幅に改善した。

しかし、それでも向ヶ丘遊園駅から下り側は複々線ではないこと、混雑差が列車によって大きいことで、遅延が発生頻度はまだまだ高い。

複数の列車種別が高頻度で運転されていることで過密ダイヤも無視できないレベル。

東京メトロ千代田線との相互直通運転もまた小田急線にもダイヤの乱れが波及しているのも確か。

JR東海道線

東海道線

JR東海道線の遅延の原因は相互直通運転、営業キロ数の長さ、混雑にある。

東海道線は東京~熱海間が東京近郊の路線の範囲だが、ほとんどの列車は上野東京ライン・湘南新宿ラインとして運転。

宇都宮線・高崎線・常磐線と直通運転を実施している関係から、他線区からのダイヤの乱れの影響が流れてくる。

路線距離の長さにも理由がある。100km超の営業キロ数で、東海道線単独でも遅延が生じやすいのは確か。

朝ラッシュの時間帯の遅延は混雑の激しさも影響している。川崎→品川の超満員電車は特にひどくなる傾向。

JR京浜東北線

京浜東北線

JR京浜東北線は東海道線・宇都宮線または高崎線(東北本線)の各駅停車としての役割を果たす一方、営業キロ数の長さがある。

遅延の原因としても、停車駅数が多い上に路線が長い点がある。

同時に、並行して走る東海道線・宇都宮線・高崎線・山手線での緊急停止などのトラブルも京浜東北線に影響することがある。

線路が並行している区間にて駅構内の列車緊急停止ボタンが作動すると、すべての線路の列車が停止する設定がほとんど。

信号トラブル、ポイント故障などでも同時に複数線区にて運転できない状態になることもたまにある。

JR根岸線

JR根岸線では、単独では遅延が多くなる要因は少ない。

混雑・運行ダイヤ・踏切の数のいずれも他の路線と比べて余裕がある。

しかし、京浜東北線とほぼすべての列車が直通運転を実施している関係から、京浜東北線からのダイヤの乱れの影響を受ける。

これが根岸線の唯一の遅延要因といっても過言ではない。

JR常磐緩行線

常磐緩行線

JR常磐緩行線(各駅停車)の遅延の原因は東京メトロ千代田線。

綾瀬駅を境にほぼ全列車が地下鉄へ乗り入れている。

千代田線は首都圏でも有数の遅延発生路線ということで、それが常磐緩行線にも波及。

実質的に千代田線の延長線上という特徴から、常磐緩行線で定時運行を保つのは困難。

また、線路が隣合う常磐線快速の列車の影響も多少は受ける。

東京メトロ東西線

東西線

東京メトロ東西線は首都圏で混雑率が首位に入ることがほとんど。

朝ラッシュとなれば全国一の超満員電車になる。

途中駅での乗降時間の延長でまず遅延が発生しやすい環境が確立。

さらに、東葉高速鉄道線、JR総武線(津田沼駅まで)・中央線(三鷹駅まで)と相互直通運転する点も影響。

ただ、遅延の最大の理由はやはり混雑状況に起因することが多い。

東京メトロ有楽町線

有楽町線

東京メトロ有楽町線の遅延の要因は相互直通運転。

小竹向原駅からは西武池袋線、和光市駅からは東武東上線とそれぞれ直通運転を実施。

さらに、小竹向原駅~和光市駅では副都心線との共用区間。これによって、副都心線でダイヤの乱れが生じると連鎖反応で有楽町線のダイヤも乱れる。

副都心線はさらに相互直通運転の範囲が広く、東急東横線・みなとみらい線へも乗り入れている。

複数の鉄道路線へまたがっている運転系統は遅延の温床というほかない。

もちろん、有楽町線単独区間でもトラブルが起きることはある。混雑による要因も数多く発生。

JR山手線

山手線

JR山手線といえば首都圏を代表する通勤電車の路線。利用者数も1日を通して多い。

一方の遅延もかなり多い路線に該当。

主な原因は混雑による乗降時間の延長と並行する路線(京浜東北線、埼京線等)の存在。

まず、朝夕の時間帯では新宿駅をはじめ各駅にて乗客の乗り降りに時間がかかって停車時間が超過しやすい。

山手線は都心部のみを走るため、乗降客数が多い駅が多数存在。その分、乗り降りにはどうしても時間がかかりやすい。

また、並行する路線があることで、これらの路線のホームにて列車緊急停止ボタン作動等の問題が生じると山手線の電車も止まってしまう部分が多数存在。

山手線に原因がある場合もあるものの、どちらにせよ遅延につながる。

やや多い路線

路線名 20日間当たりの日数 主要な理由
東京メトロ半蔵門線 15.6 相互直通運転
東京メトロ南北線 15.4 相互直通運転
東京メトロ丸ノ内線 14.7 混雑、過密ダイヤ
東急東横線 14.4 相互直通運転
東京メトロ副都心線 14.4 混雑、並行路線の影響、相互直通運転
都営三田線 14.0 並行路線の影響、相互直通運転
JR常磐線快速 13.7 混雑、人身事故、営業キロ数
東京メトロ日比谷線 12.3 相互直通運転

平日20日間あたり12~16日で遅延が発生している路線が「やや多い」に該当。

小規模な遅れが発生しやすい路線だとこれくらいの高頻度でダイヤの乱れが生じる。

非常に多い路線と比べるとまだよいが、時刻表通りに来ないことが結構多いことには変わりない。

東京メトロ半蔵門線

東京メトロ千代田線の遅延の理由は、渋谷駅での混雑。

渋谷→表参道間の最混雑区間と渋谷駅の構造が問題に。

駅ホームが1面2線で交互発着ができないことで入線待ちの待機時間が発生。

東急田園都市線・東武スカイツリーラインとの相互直通運転を行うため、田園都市線内の混雑もこの要因に。

東京メトロ南北線

同様に混雑などが主な遅延の理由。

ホームドアもフルスクリーン式でホーム上の見通しが悪いため、停車時間の超過も起こりやすい。

東急目黒線・埼玉高速鉄道線との相互直通運転も影響。特に前者での遅延の影響が頻度的に多い。

東京メトロ丸ノ内線

混雑による乗降時間の延長(停車時間超過)と過密ダイヤにある。

朝は2,3分間隔のダイヤで運転されるものの、過密ダイヤのため少しの遅れが大きく影響しやすい。

6両編成で輸送力が小さいのも混雑の理由で、間接的に遅れの遠因になっている。

東急東横線

混雑による影響の遅延が目立つ。

朝夕の通勤特急、急行への集中のため、これらの乗降のための停車時間の超過によって遅れやすい。

「5社相互直通運転」と呼ばれる横浜高速鉄道みなとみらい線・東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線との相互乗り入れも遅延の原因に。

東京メトロ副都心線

副都心線内でのトラブルが遅延の原因になることは少ない。

上記と同じく東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線・東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線との相互直通運転が原因。

他線区でのダイヤの乱れが副都心線にも波及する形がほとんど。

都営三田線

混雑と東急目黒線との相互直通運転が主な理由。

6両編成で輸送力が小さいことで、首都圏の鉄道網としては1列車で輸送できる旅客数が少ない。

より混雑が激しくなって、各駅での乗降時間の延長で遅れることがよくある。

東急目黒線との相互直通運転、南北線との共用区間(目黒~白金高輪)も要因に。

JR常磐線快速

路線距離の長さが間接的な原因。100km長の営業キロ数を誇り、しかも踏切が多い。

途中で人身事故や車両・信号・線路などの設備故障も発生しやすい。混雑による停車時間の超過ももちろんある。

ただし、直通サービスの上野東京ラインでも常磐線は品川駅までの乗り入れのため、他線区の影響は受けにくい。

宇都宮線・高崎線・東海道線と比べると遅延頻度は少ない。

東京メトロ日比谷線

混雑による停車時間の超過と東武スカイツリーラインとの相互直通運転。

乗降時間が長くなりやすいのは、朝だと北千住~銀座間。

7両編成で輸送力がやや小さいことも混雑に影響。

東武線内でのトラブルの影響も受けやすい。

ふつう

路線名 20日間当たりの日数 主要な理由
東急目黒線 11.9 相互直通運転
JR武蔵野線 11.8 相互直通運転、営業キロ数
東急田園都市線 11.7 混雑、相互直通運転
西武池袋線 11.7 混雑、相互直通運転、人身事故
西武新宿線 10.7 混雑、人身事故
JR京葉線 10.5 相互直通運転
都営浅草線 10.4 相互直通運転

平日20日間あたり10~12日以上遅延が発生している路線が「ふつう」に該当。

小規模な遅れが発生しやすい路線だが、大規模な輸送障害(運転見合わせ)は少ないところがここに入る。

相互直通運転がない、または合わせてもトラブルが少ない路線が目立つ。

東急目黒線

総延長が短いこともあって、他線区に比べると少ない。

それでも急行への集中、相互直通運転による影響は無視できない。

急行を中心に途中駅での停車時間の超過がやや目立ち、さらに南北線・三田線との相互乗り入れも遅れにつながる。

後者はいずれも東京都北部の地域での混雑による遅れがやや多い傾向。

JR武蔵野線

JR武蔵野線は京葉線との直通運転、全列車各停の割に総延長が長いことが主な理由。

東京~西船橋間では京葉線のダイヤの影響を受ける。

路線距離も近郊路線並みの長さ。途中で不測の事態が起きるリスクがその分増える。

その反面、全線が高架上または地下トンネルを走る構造のため、踏切が一切ない。人身事故や線路内立ち入りがない分、遅延はまだ最悪レベルではない。

東急田園都市線

通勤ラッシュを中心に混雑による遅延が多い。

半蔵門線と同じく渋谷駅の構造の問題も。1面2線のため、交互発着ができずに後続列車が駅間で止まる現象が起きやすい。

一方で、全線が高架または地下区間のため踏切がない。人身事故、踏切内点検が少ないため遅延はトップ級にはならない。

西武池袋線

朝の混雑が影響。特に快速急行・急行・通勤急行等の優等列車への集中で乗降時間が長引く。

練馬~石神井公園間の複々線が完成したものの、列車種別ごとの混雑差により遅延が起きやすいのは変わっていない。

有楽町線・副都心線・東急東横線との相互直通運転も影響。

西武新宿線

同様に急行・通勤急行への集中混雑による乗降時間の延長、複々線区間が皆無で線路容量が限界な点が遅延の理由。

小平駅での拝島線と新宿線の平面交差もダイヤ上のネックに。

一方で相互直通運転がない分、毎日遅れるわけではない。

JR京葉線

乗降時間の延長に伴う停車時間超過、内房線・外房線との直通運転が主な理由。

全線が高架上または地下トンネルのため踏切ゼロのため、首都圏の中では決して多すぎるわけではない。

強風の影響をかつては受けていたものの、防風柵の設置で対策済。運転見合わせは大幅に減少。

都営浅草線

京浜急行線、京成線との直通運転が一番の原因。

どちらかでの遅延の影響がそのままダイレクトに浅草線へ影響。

羽田空港~成田空港まで走る電車も乗り入れ、総延長が長いことも要因の1つ。

やや少ない路線

路線名 20日間当たりの日数 主要な理由
京成本線 8.8
都営新宿線 8.8

平日20日間あたり8~10日以上遅延が発生している路線が「やや少ない」に該当。

首都圏の中ではここに入るなら優秀な路線と判断可能なレベル。

混雑がそれほど激しくはない、相互直通運転の対象列車が一部に限定されている路線がここに該当する路線の共通点。

京成本線

混雑が比較的緩やかなこと、相互直通運転が一部列車に限られていることで遅延が少ない。

京成本線の上野方面と京成押上線で都心方面と行き来する利用者が分散される構造もプラスの要因に。

踏切内点検がよくあるものの、それ以外の遅延の要因が少ない分、トータルでは「やや少ない」に入る。

都営新宿線

都心と千葉方面を結ぶ路線としては混雑が緩やかなこと、相互直通運転の京王線内の遅延も少ない傾向なことがプラスに。

混雑や直通先でのトラブルで遅れることもあるが、他の路線はもっとひどいこともあって相対的に少ない。

かなり少ない路線

路線名 20日間当たりの日数 主要な理由
JR横浜線 7.7
JR南武線 7.7
東急池上線 7.6
東京メトロ銀座線 7.4
京急本線 7.1
東急大井町線 6.7
京王線 6.3
都営大江戸線 5.3
東武伊勢崎線(スカイツリーライン) 5.3
東武東上線 4.8
相鉄本線 4.2
京王井の頭線 3.9
東急多摩川線 1.9
東武野田線(アーバンパークライン) 1.4

平日20日間あたり8日未満で遅延が発生している路線が「かなり少ない」に該当。

首都圏の中では相当優秀な路線と言える。

混雑がそれほど激しくはない、相互直通運転の対象列車が一部に限定されている路線がここに該当する路線の共通点。

JR横浜線

都心直結ではないため、混雑が一部区間に限られていること、直通運転がほとんどないことで遅延も少ない。

京浜東北線・根岸線への直通運転があるとはいえ、基本的に桜木町駅までの短い区間にとどまる。

他の線区でのダイヤの乱れが波及するほどではない。

JR南武線

通勤ラッシュでは川崎駅や武蔵小杉駅を中心に混雑しやすいものの、同様に一部区間に限られる。

都心直結ではないため、長い区間に渡って満員電車が続くわけではなく、停車時間の超過がそうは起きない。

踏切関連の輸送障害はやや多い傾向だが、路線の距離が短いことで全体としてみた頻度こそは少ない。

東急池上線

東急池上線は総延長が短いことがプラスに。

すべて各駅停車で相互直通運転も一切ない。

遅延が起きにくい環境が整っている。

東京メトロ銀座線

相互直通運転がないこと、混雑状況が東京メトロの中で緩やかなことで遅延が少ない。

丸ノ内線と比べても路線距離が短く、さらに日比谷線・千代田線とほぼ平行していることで代替手段が確保されている。

遅延につながる銀座線の一極集中の要素がないこともプラス要因に。

京急本線

相互直通運転先の都営浅草線への乗り入れ電車が一部に限られていること、踏切の数が路線の距離の割には少ないこと、品川~横浜間でJR線と並行することがプラス要因に。

朝だと快特・特急に乗客が殺到して数分の遅れにはつながるが、いくつもの途中駅で乗降時間の延長が起きる光景が少ないことで遅延もその分少ない。

JR線との並行する環境は混雑緩和には好都合。

東急大井町線

総延長が短いことがプラスに。

田園都市線との相互直通運転があるものの、複々線区間では大井町線と田園都市線の線路がそれぞれ別々に分けられている。

遅延が起きにくい環境が整っている。

京王線

調布駅での平面交差が解消されたことで遅延が減少。

優等列車(準特急・急行等)の混雑、踏切関連による遅れが起こることがしばしばあるものの、相互直通運転の対象が一部列車に限定されている点は好都合。

都営新宿線への直通が全体の3分の1程度にとどまっているため、他の線区の影響が首都圏の中では少ない。

都営大江戸線

近年の利用者数の増加で遅れやすくはなっているものの、相互直通運転がないこと、ドアが閉まらないほどの超満員電車の区間がほとんどないことでプラスに。

全駅ホームドア設置済、地上走行区間ゼロの点も遅延が少ない理由。

東武スカイツリーライン

北千住~北越谷間の複々線で運転本数が多いことで混雑が緩やか。

途中駅での停車時間の超過が少ないこともあり、遅延が少ない。

連続立体交差にも積極的で、踏切数が比較的少ないことも要因に。

東武東上線

混雑が首都圏では下位に入ることで、乗降時間の延長による停車時間の超過が少ない。

有楽町線・副都心線への相互直通運転も一部列車に限定。

2013年からは東急東横線とも乗り入れ開始となったものの、一部列車のみが対象のため、これによる影響は限定的。

相鉄本線

長年にわたって相鉄線は単独路線だった。

東京都心へ直結するわけではないため、混雑も首都圏では比較的緩やか。

途中駅での停車時間の超過が少ない分、遅れにくい。

ただし、2019年より相鉄・JR直通線の開業でJR横須賀線・埼京線のダイヤの乱れが影響するようになった。

一部列車に限った話ではあるものの、今後は遅延が増える見込み。

京王井の頭線

総延長が短いことで遅延もその分少ない。

朝ラッシュでは下北沢→渋谷間の混雑が激しいものの、そんな満員電車が続く区間がわずかにとどまる。

いくつもの駅にて乗車時間が長くなることは少なく、遅延が起きにくい。

東急多摩川線

東急多摩川は総延長が短いことがプラスに。

すべて各駅停車で相互直通運転も一切ない。

かつては「目蒲線」として目黒駅まで乗り入れていたが、目黒線の武蔵小杉・日吉延伸や南武線・三田線との相互直通運転スタートで多摩川駅にて運転系統が分離。

それ以外は遅延が起きにくい環境が整っている。

東武アーバンパークライン

鉄道会社別で遅延が少ない東武鉄道だが、アーバンパークライン(野田線)は東京圏では特に遅延が少ない。

都心直結ではないこともあるが、運転系統が春日部駅、柏駅等で分離されていて、通しで走る電車がかなり少ないことが影響。

途中で2,3分の遅れが発生したとしても、複線区間なら複数の列車に影響することが少ない。