鉄道・バス等の公共交通機関の遅延のために会社に遅刻しそうな場合、職場へ連絡する常識的な手段について解説。
社会人としては、原則として電話で直接上司に事情を説明するのがベスト。しかし、電車内などで通話できる環境ではない場合ならメールまたはLINE等で報告するのが最適。
時と場合によって電話・メール・LINEを使い分ける必要がある。
各事例ごとの連絡手段
今いる場所 | 連絡手段 |
---|---|
街中、駅構内、バス停 | 電話 |
自宅で待機中 | 電話 |
電車内・バス内 | メール/LINE+電話(空いている場合) |
メール/LINE(混雑時) |
まず、社会人になると公共交通機関の遅延であっても仕事に遅刻することが予想される場合は上司または同僚に連絡することが最低限のマナー。
学生なら高校・大学・専門学校のいずれでも電車・バスの遅れで遅刻した場合が正当な理由ということで事前に連絡する必要がない場合が多い。
>>鉄道・バスの遅延で学校への連絡が必要/不要な場合とは!?
しかし就職後はそういうわけにはいかない。
遅刻しそうなことが予見できた時点で、可能な限り早めに職場の人へ報告する必要がある。
電話での連絡が原則
公共交通機関の遅延を会社の人へ連絡する方法は電話が大原則。
LINEの通話機能でも「電話」とほぼ同じで特に問題はないが、大切なのは自分の肉声で状況を確実に報告すること。
メールやチャットでは文字での報告となり、しかも既読するかどうかが連絡時点ではわからない。
受信に気づかずに始業時刻になってしまうと、「何で出社していないんだろう?」と周囲の人達が感じてしまう。
早めに正確に伝えるために、電話で上司・同僚へ連絡するのが社会人の基本でビジネスマナーである。
今いる場所が駅構内でもバス停でも、それ以外の街中または自宅であっても、電話がその手段なことには変わりない。
電車内・バス車内はメール又はLINEでOK
ただし、場合によっては電話することが困難な時がある。
それが、電車内・バス内に閉じ込められた状態の時。
電車が駅間で止まってしまった場合、バスが渋滞にはまってしまった場合だと、車内から職場へ遅延の連絡をしなければならない。
しかし、朝の通勤ラッシュでは混雑しているのが基本。車内で電話するのは難しく、マナー的にもNG。
電車内のアナウンスでも、「車内での通話はご遠慮ください」と啓発されている。
このよう場合は例外としてメール又はLINEのチャットで上司または同僚へ連絡するのが望ましい。
>><例文集>交通機関の遅延のため遅刻する時のメール! 注意点も
もっとも、電車・バスが圧倒的に空いている場合なら手短に電話しても許容の範囲内になる。
とはいえ、この場合でも「ただいま電車に乗っていまして…」と一言付け加えてあまり長い時間電話ができないことを相手に断る必要がある。
何て電話をすればいいのか?
さて、いざ公共交通機関の遅延が発生した場合に、会社の人へ電話するとしても何て説明すればよいのかわからない場面もあるだろう。
社会人になると「電車が遅れているため遅刻しま~す」では事足りない。
できるだけ具体的な状況を説明し、さらに遅刻したとしても何時頃までに出社できるのかという時刻の目安を伝えるのが求められる。
台詞の例文としては、以下になる。
電話のやり取りの例
上司へ電話連絡する場合のやり取り例
上司「もしもし…(電話に出る)」
自分「おはようございます。(自分の名前)です。今、出勤途中で〇〇線△△駅にいるのですが、電車が人身事故で止まってしまいまして、出社が遅れそうです。」
上司「そうか。それは仕方がないな。」
自分「大変恐縮なのですが、現時点で○○時頃の運転再開見込みのため、○○時頃には出社できるかと思います。」
上司「わかった。」
自分「状況が変わりましたらまた連絡させていただきます。」
上司「わかった。気を付けてな。」
自分「よろしくお願いします。失礼します。」
報告するポイントが次の3つ。
- 遅延している路線名
- 自分自身が今の所在場所(今どこにいるのか?)
- 電車の遅延・運転見合わせの理由
- 出社できる時刻の目安(現時点でわかる範囲)
これらを伝えないと、最悪の場合マイナス評価に繋がってしまう可能性が出てくる。
逆にこれらの情報を正確に使えることで、遅刻がやむを得ないと職場の人達へ理解してもらえる可能性を高められる。
メールの例文
電車内・バス内等で電話が困難な状況下でメールをする場合、文面の例は以下になる。
件名:電車遅延のため遅れます/(自分の名前)
○○さん
おはようございます。(自分の名前)です。
現在、出勤途中なのですが、
□□線が人身事故のため完全に運転見合わせの状況となっております。
このため、出社が遅れます。
大変申し訳ございません。
本来であれば電話での報告が好ましいところですが、
只今電車内(又はバス内)にいるため通話ができる状態ではなく、
本メールにて報告させていただきます。
降車しましたら、改めてお電話致します。
ご迷惑おかけ致しますが、よろしくお願い致します。
(自分の名前)
電話と同じく、どの路線がどんな理由で遅延または運転見合わせになっているのかを伝えることが求められる。
なるべく事態が深刻であることが伝わるようにすることがここでは大切。メール、LINEのチャット、ショートメッセージのいずれでもよいが、スタンプや絵文字が厳禁。
>>上司にLINEスタンプを送るのは失礼!? OK・NGの判断基準
さらに、「なぜ電話ではなく、メールで報告したのか?」という理由を記載しておくのがよい。
今回の場面は電車内・バス内で通話できる環境にいないためということで、「本来であれば電話での報告が好ましいところですが、
只今電車内(又はバス内)にいるため通話ができる状態ではなく」と記載。
そして、電話ができるような環境になったら、再度直接口頭で状況を報告することが重要。
これらもまた、社会人の基本的なマナー。
遅延証明書も可能なら受け取る
職場によって遅延証明書の必要の有無は異なるものの、もしどちらかわからない場合は受け取って提出するのが好ましい。
※遅延証明書の発行条件は5分以上の遅れ発生時<鉄道の「遅延証明書」の発行条件は5分以上の遅れから>
電車やバスの遅延による遅刻が正当な理由での遅刻として認めてもらえるかもらえないかは各会社によって違う。
特に認めてもらえる場合なら、可能な限り遅延証明書を受け取ることが重要。
インターネット上で鉄道事業者のホームページいて遅延証明書を印刷できる事例も多いが、改札口で配布している場合は現物の方が好印象ではある。
ネット上は利用者ではなくても印刷できる一方、駅で配布している遅延証明書は実際に障害が出た路線を利用した人しか受け取れない。
したがって、駅配布の遅延証明書の方が信用度が高く、上司などに「やむを得ない」と理解してもらえる可能性がその分上がる。
ただ、遅延証明書があれば遅刻扱いにはならない法律上のルールはない。会社が独自に判断できるポイントであるため、給料が減額されたり、有給扱いになってしまうところもあるのは確か。