鉄道やバスの通勤定期券は「通勤」以外の目的でも購入・使用のどちらも可能。
通学定期券とは違って利用目的は問われない。証明書なども一切不要。購入時に提出する「必要なもの」はお金以外にはない。
遊びなどの娯楽目的で通勤定期券を使っても問題ない。
目次
購入時でも利用目的は不問
主な目的 | 通学定期券の購入可否 | 補足 |
---|---|---|
通勤 | ○ | 通勤以外でも購入可能。
自宅の最寄り駅と職場の最寄り駅のみならず、どこの区間を購入してもOK。 |
買い物(ショッピング) | ○ | |
子どもの送迎 | ○ | |
アルバイト・パート | ○ | |
就職活動 | ○ | |
遊び(娯楽) | ○ |
通学定期券だと目的は完全に「通学」を目的とした場合のみ買える一方、通勤定期券は何でも問題ない。
購入時であっても利用目的を問われることはない。
各項目の通勤定期券の購入の可否は上記の通り。
仕事のためだけでなく、日常生活のための移動のために購入しても特に問題はない。
当たり前だが、自分自身の職業や年齢、性別に関する条件もまったくない。
証明書は不要
通学定期券だと購入には学校の発行する「通学証明書」または「通学定期券購入兼用証明書」(学生証と兼用のもの)が必要になる。
>>通学定期券の「通学」以外での購入・使用可否! 事例ごとに解説
通勤定期券ではこのような証明書は一切いらない。
通勤定期券の購入の際に必要なものは以下のみ。
定期代のお金(現金またはクレジットカード)
定期代のお金以外に提出する書類等は一切ない。印鑑や身分証明書もいらない。
きっぷ類を発売する窓口だけでなく、駅の自動券売機でも通勤定期券は購入することが可能。
遊びなどの娯楽目的でもOK
遊びなどの娯楽目的のために通勤定期券を購入することも認められている。
例えば、毎日東京ディズニーランドへ行きたいという人なら、通勤定期券を購入してそれを利用することができる。
あるいは、毎日渋谷に遊びに行きたいから、自宅から渋谷駅までの通勤定期券を購入しようとしても問題はない。
現実的に考えると、娯楽目的で通勤定期券を買う人はほとんどいない。定期券の方が普通乗車券や回数券よりも割安になるくらい元を取るのが難しいためだ。
しかし、精度上はこのように遊びのために通勤定期券を買うことはできる。
使用でも制限なし
主な目的 | 通学定期券の使用可否 | 補足 |
---|---|---|
通勤 | ○ | 通勤以外でも使用可能。
ただし職場から定期代を支給されている場合は要注意。 |
買い物(ショッピング) | ○ | |
子どもの送迎 | ○ | |
アルバイト・パート | ○ | |
就職活動 | ○ | |
遊び(娯楽) | ○ |
通勤定期券の使用することに関しても、「通勤」以外の目的でも何の問題はない。
通勤目的で定期券を利用している人でも、平日は通勤に使用し、土日は遊びに使用するようなことも全然問題ない。
定期区間内の途中の駅にて一旦下車して改札の外に出ることもできる。区間内である限りは追加料金はかからない。
通勤と日常生活、遊びのように目的を併用して使うこともできる。
職場から定期代を支給されている場合は要注意
◎定期券の代金が職場から支給されている場合
- 勤務する職場で定期券の私用目的での利用を禁止する事例あり。
- 見つかったら懲戒などになるかも。
- 法律・旅客営業規則上は特に問題ない。
ただし、会社などの職場から「交通費」や「通勤手当」などの名目で通学定期券の代金を支給されている場合は少し注意が必要。
この場合だと会社のお金で定期券を利用していることになるため、仕事(通勤)以外で使用することを禁止している職場がある。
「私用目的で定期券を利用することを禁ずる」と就業規則に書かれている職場も少なくない。
このようなケースは鉄道事業者・バス事業者が決めているルールではなく、利用者自身が勤務している職場が決めているルールに当たる。
法律や旅客営業規則では何も定められてはいないが、勤務する職場で決められているルールとなると、万が一職場の人に私用で使っている光景が見つかると懲戒などになってしまうリスクがある。
何も言われていない場合でも、私用目的で積極的に会社から支給されたお金で購入した通勤定期券を使うのは印象的には好ましくはない。
定期券の使用履歴が職場へ通達されることはない
とはいえ、実際のところはこっそり通勤定期券を使用目的で使っている分には何も起こらないケースがほとんど。
通勤定期券の使用履歴が職場へ通達されることはない。
職場側はJRなどへ社員の定期券の利用明細を請求するようなものもできない。
磁気きっぷタイプ、SuicaやPASMO等のICカードのいずれも違いはまったくない。
職場にバレたとしても、実際に定期券を使用した日付・時間などの情報が行き渡ることはまずないと考えてよい。
ICカードの方がバレにくい
ところで、同じ「通勤定期券」という括りでも、職場から私用目的での利用光景がバレないのは圧倒的にICカード定期券の方。
Suica定期券やPASMO定期券という名前がこれに当たる。
改札の機械に通すきっぷタイプだとあからさまに定期利用だと周辺から見てわかる。
一方のICカードでは、定期利用なのはそれとも普通運賃での利用なのかはわからない。
定期区間外でもチャージ残高だえ残って入れば、定期券の機能が付いたICカードでも普通乗車券として利用することができる。
定期券が付いた交通系ICカードを利用することまで禁止している会社はまずないだろう。
その他、定期券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 直通先での継続購入、区間変更、払い戻しの可否(JR) |
利用上の禁止事項 | 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用、通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用、指定経路外の乗車、使い回し(本人以外の使用) |
運賃・料金 | 乗り越し精算の計算式、回数券との併用、1日の乗車回数の上限 |
上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。