鉄道にて定期券と回数券の併用は可能。定期区間外の部分を回数券を割り当てることができる。
乗り越し区間の運賃を普通運賃で必ずしも支払う必要はなく、有効な回数券があればそれを利用することで対応可能。
JR・私鉄・地下鉄のいずれも同じ。ただし、実際にところは注意点もある。
目次
定期区間外の運賃分を回数券で精算するのはOK
定期区間外の利用区間 | 使用できる回数券 |
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降車駅が区間外 | 定期区間の最も近い駅から降車駅までの回数券があれば利用可能。 |
乗車駅が区間外 | 乗車駅から定期区間の最も近い駅までの回数券があれば利用可能。 |
※自動改札機が使えない。 ※回数券でも不足運賃が生じる場合は逆に割高になることも。 |
降車駅・乗車駅のどちらかが定期区間外の場合、定期区間には該当しない区間分の回数券がある場合はそれを乗り越し区間のきっぷとして使うことができる。
例えば、新宿~東京間の定期券で新宿→浜松町まで行く場合、東京→浜松町の回数券があれば、それを利用できる。
東京メトロなどの回数券が金額ごとに区分されて発売されている鉄道事業者では、回数券を〇〇円区間分として使える。
渋谷~永田町の定期券で大手町まで乗り越す場合、200円の回数券で乗り越し精算に充てることができる。
回数券の乗り越し精算の計算方法は各鉄道会社によって別だが、定期券との併用時は基本的に同じ。
利用手順
◎定期券+回数券の併用手順
降車駅が区間外:乗車駅では定期券で入場、降車駅では定期券+回数券を見せる(ICカードは入場記録取り消し作業が必須)
乗車駅が区間外:乗車駅では回数券で入場、降車駅では定期券+回数券を見せる(ICカードも見せるだけ)
定期券と回数券の併用して電車に乗る場合は、いつも通りに自動改札機を使うわけにはいかない。
特にICカード定期券だと降車駅で改札にタッチすると自動的に乗り越し区間分の普通運賃の料金分が差し引かれてしまう。
降車駅が区間外
乗車駅では定期券で改札内へ入る。
降車駅では定期券と回数券を用意して有人改札へ向かう。そこで駅員に定期券と回数券の両方を提示して、回数券のみを提出する。
SuicaやPASMOなどのICカード定期券の場合は、降車駅にて入場記録を取り消してもらう必要がある。
間違っても自動改札機を使ってはいけない。磁気券ならエラーが出るだけだが、ICカード定期券はそのまま乗り越し区間分の普通運賃が引かれてしまう。
回数券を持っていたとしてもそれを使わないで降りることとなってしまうためここは要注意。
乗車駅が区間外
乗車駅では回数券で改札内へ入る。
降車駅では定期券と回数券を用意して有人改札へ向かう。そこで駅員に定期券と回数券の両方を提示して、回数券のみを提出する。
前述とは違うところは、ICカードでも磁気券でも入場記録の取り消し手続きがいらない点。
乗車駅だけが定期区間外なら、回数券を提出して定期券をただ見せるだけで問題ない。
一方で自動改札機に回数券を通すと乗り越しのためエラーが出る。
駅員のいるところへ行って定期券も同時に見せる必要があることには変わりない。
注意点
主な注意点 | 詳細な内容 |
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降車時は自動改札機は利用不可 | 降車時は必ず駅係員がいる有人窓口へ向かう。ICカードは特に要注意。 |
回数券は乗車前に購入する必要あり | 改札入場後は回数券を購入することができない。 |
過剰区間の回数券でも払い戻しなし | 回数券の料金が乗り越し区間の料金よりも高くても差額の払い戻しは不可。 |
定期券と回数券を同時に使用する場合の注意点は上記の3つ。
いずれも通勤定期券・通学定期券問わず共通する。
降車時は自動改札機はNG
定期券・回数券の併用時は降車時は自動改札機を通ってはいけない。
2枚のきっぷを同時に処理することが仕組み的にできないため。
ICカード定期券に至っては、乗り越し区間は改札タッチ時にチャージ残高から引かれる。
間違ってそのまま改札タッチすると回数券を利用できずに普通運賃を支払うことになってしまう。
回数券は乗車前に購入する必要あり
回数券は事前に購入する必要がある。
あとから降車駅にて定期外区間分の回数券を購入しようとしても、原則的にできない。
乗車駅にて入場時点で回数券がない場合は、降車時には区間外の部分の運賃を普通運賃の料金で支払うことになる。
過剰区間の回数券でも払い戻しなし
乗り越し区間の回数券の料金が実際の乗り越し区間の料金よりも高い場合でも、実質的に過剰徴収された差額分の払い戻しはできない。
回数券を使う場合には途中下車扱いになり、前途無効となってしまう。
例えば、定期外区間の普通運賃が170円のところ、200円分の回数券で乗り越したとしても、差額の30円は返金できない。
その他、定期券/回数券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 直通先での継続購入、区間変更、払い戻しの可否(JR) |
利用上の禁止事項 | 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用、通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用、指定経路外の乗車、使い回し(本人以外の使用) |
運賃・料金 | 乗り越し精算の計算式、回数券との併用、1日の乗車回数の上限 |
上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 時差回数券の取扱有無、土日回数券の取扱有無、回数券がない(廃止)鉄道会社 |
利用上の注意点、禁止事項 | 複数人での使用 |
運賃・料金 | 乗り越し精算の鉄道事業者ごとの計算式、有効期間 |
新幹線回数券(トクトクきっぷ) | 乗り越し精算の計算式、変更の可否と条件、払い戻し |
回数券に関する条件や注意点について解説。在来線と新幹線では事情が異なり、さらに鉄道事業者でも取り扱い条件が大幅に違う。