電車の回数券の有効期間は各鉄道事業者によって異なる。均一に「3か月間有効」というわけではない。これよりも長いこともあり得る。
全国的にみると、大きく分けて2種類に分類される。
1つ目が発売日から3か月間有効の場合。最も主流なタイプで、購入日に関係なくその日から3か月間使える。
2つ目は発売日の翌月から数えて第3月の末日までという場合。購入日の翌月初めから3か月間有効のタイプ。関西の私鉄で目立つ。
目次
主要鉄道事業者の各種きっぷの有効期間
有効期間 | 7月10日に購入した場合の期限 | 主な鉄道事業者 |
---|---|---|
発売日から3か月間 | 10月9日 | JR全社、私鉄・地下鉄(関西以外) |
発売日の翌月から数えて第3月の末日まで | 10月31日 | 阪急、阪神、京阪、山陽、大阪メトロ、京都市営地下鉄、神戸市営地下鉄など関西私鉄 |
ここでの回数券とは回数乗車券のことを指す。
全国的にみれば、基本的には発売日から3か月間有効のケースがほとんど。
発売日から3か月間有効
購入日に関係なく3か月先まで有効。
7月10日に回数券を購入した場合、10月9日が有効期限。
3か月定期券と同じ形になる。
JRグループは全社、私鉄でも関西地区以外ではこのように発売日より3か月先が有効期限に設定されている。
発売日の翌月から数えて第3月の末日まで
購入した日の翌月1日から3か月間有効。
7月10日に回数券を購入した場合、10月31日が有効期限。
「発売日の翌月から数えて第3月の末日まで」は近鉄・南海以外の関西私鉄で主流。
回数券の有効期間で変わった計算方式。全国的にはレアケース。
各地域ごとのJR・私鉄の回数券の有効期間
関東地区(首都圏)
鉄道事業者 | 回数券 |
---|---|
JR東日本 | 発売日から3か月間有効 |
東武鉄道 | |
京成電鉄 | |
西武鉄道 | |
京王電鉄 | |
小田急電鉄 | |
東急電鉄 | |
京浜急行電鉄 | |
相鉄 | |
東京メトロ | |
都営地下鉄 | |
横浜市営地下鉄 |
関東地区の鉄道事業者ごとの回数券の有効期間は各社局での違いは特にない。
各社局いずれも「発売日から3か月間有効」となっている。
連絡回数券に関しても有効期間に関する条件は変わらない。
◎中小私鉄も発売日から3か月間有効
東葉高速鉄道、北総鉄道、埼玉高速鉄道、東京臨海高速鉄道(りんかい線)、江ノ島電鉄、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道、東京モノレール、多摩都市モノレール、横浜シーサイドライン、ニューシャトル
中部地区(東海)
鉄道事業者 | 回数券 |
---|---|
JR東海 | 発売日から3か月間有効 |
名古屋鉄道(名鉄) | ー |
名古屋市営地下鉄 | ー |
※名鉄、名古屋市営地下鉄では回数乗車券を取り扱い無し。 |
回数券を発売しているのはJR東海のみ。名鉄と名古屋市営地下鉄では取り扱いがない。
manacaの普及のためというのが理由にされている。
近畿地区(関西)
鉄道事業者 | 回数券 |
---|---|
JR西日本 | 発売日から3か月間有効 |
近畿日本鉄道(近鉄) | 発売日から3か月間有効 |
南海電鉄 | 発売日から3か月間有効 |
京阪電鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
阪急電鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
阪神電鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
山陽電鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
大阪メトロ | 翌月から数えた第3月の末日まで |
京都市営地下鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
神戸市営地下鉄 | 翌月から数えた第3月の末日まで |
近畿地方の鉄道事業者では、回数券の有効期間に他の地域とは異なる。
大手私鉄だと、近鉄と南海電鉄を除く鉄道会社では回数券は「翌月から数えた第3月の末日まで」が有効期間。
つまり、実質的な有効期間は3~4か月間ということになる。購入した日が月の初めか終わりかで変わってくる。
近鉄と南海電鉄、JR西日本がほかの地域と同じく「発売日から3か月間有効」となっている。
中小私鉄:翌月から数えた第3月の末日まで
以下の中小私鉄でも、発売日の翌月からカウントした第3月の末日までが有効期間となっている。
- 山陽電鉄
- 神戸電鉄
- 能勢電鉄
- 大阪モノレール
- 神戸新交通(六甲ライナー・ポートライナー)
泉北高速鉄道は南海グループということもあって、他の地域と同様に発売日から3か月間が有効期間。関西としては少数派ではある。
九州地区(福岡)
きっぷの種類 | 回数券 |
---|---|
JR九州 | 発売日から3か月間有効 |
西日本鉄道(西鉄) | 発売日から3か月間有効 |
福岡市営地下鉄 | ー |
※私鉄は距離に関係なく不可。(片道101km以上でも不可) |
福岡地区を中心とする九州地方の鉄道事業者でも、回数券は全国標準型。
西日本鉄道でも「発売日から3か月間有効」となっている。
福岡市営地下鉄ではそもそも回数券の発売がない。
その他の地域
鉄道事業者 | 回数券 |
---|---|
JR北海道 JR四国 |
発売日から3か月間有効 |
札幌市営地下鉄 | ー |
仙台市営地下鉄 | ー |
※JR北海道、JR四国では「大都市近郊区間」の設定はない。 |
他の大都市圏といえば札幌都市圏と仙台都市圏だが、JR線(JR北海道、JR東日本)はどちらも発売日から3か月間有効。
公営地下鉄の札幌市営地下鉄、仙台市営地下鉄では回数券は発売されていない。
その他、回数券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 時差回数券の取扱有無、土日回数券の取扱有無、回数券がない(廃止)鉄道会社 |
利用上の注意点、禁止事項 | 複数人での使用、定期券との併用 |
運賃・料金 | 乗り越し精算の鉄道事業者ごとの計算式、有効期間 |
新幹線回数券(トクトクきっぷ) | 乗り越し精算の計算式、変更の可否と条件、払い戻し |
上記の記事にて回数券に関する条件や注意点について解説。在来線と新幹線では事情が異なり、さらに鉄道事業者でも取り扱い条件が大幅に違う。