定期券で使い回しをするとどうなる? バレる確率も

定期券

鉄道やバスの定期券では「使い回し」、すなわち本人以外の使用は禁止されている。通勤定期券・通学定期券のどちらも同じ。

もし駅員、運転士、車掌などの職員に発覚して見つかると重い罰則がある。

特に高校生や大学生などの学生に多いと言われている。


定期券の使い回しは100%禁止

定期券の使用者に関する制限
定期券の区分 使用者の限定事項 補足
通勤定期券 券面記載氏名の本人のみ使用可能 定期券は記名式で、切符に記載されている氏名の人だけが使用可能。第三者(家族・友人含む)は使用不可。
通学定期券
※全国の鉄道・バス事業者に共通。(「持参式」をとる事業者は例外)

全国のJR・私鉄・地下鉄とほとんどのバス事業者では、定期券は「記名式」を取っている。

定期券に記載されている氏名の本人しか使用できないという制限がある。

氏名が「山田太郎」と書かれてある定期券では、この山田太郎という人しか使用することができない。

本人以外が使用するのは完全に不正乗車に該当。家族でも友達でも職場の同僚などでも認められていない。

紙券、磁気券、ICカードのいずれも共通。

もし見つかったらどうなる?

もし定期券の使い回しが鉄道会社やバス会社の職員見つかった場合、以下のようなペナルティーないし罰則がある。

定期券の不正使用の罰則
定期券不正使用の罰 具体的な内容
無効・回収 残り期間に関係なく無効となり回収される。以後は同一の定期券は使用不可。
割増料金の支払い 「定期券の利用可能日から無効となる日まで、区間内を毎日1往復した運賃」に2倍の金額を加えた金額を支払うことに。
詐欺罪に問われる 詐欺罪として法律(刑法)の罰則の対象になるかも。(10年以下の懲役)
以後の購入が不可に(通学) 通学定期券だと以後の購入ができなくなることも。退学・停学などの懲戒処分にも。
※「持参式定期券」(誰でも使っても良いタイプ)を除く。

いずれも通勤定期券・通学定期券の両方に当てはまる共通点。

単に「すみません」「ごめんなさい」では済まされない内容であるのは言うまでもない。

無効・回収

定期券にて使い回しが発覚すると、まずその定期券は無効となってしまう。

鉄道・バスのいずれでのその場で職員に回収されてしまい、以後はその定期券を使用することができなくなる。

SuicaやPASMOなどの交通系ICカードだと、ICカード本体ごと没収されてしまう。チャージ残高も無効となる。

残りの期間は一切関係ない。6か月定期券で効力開始日の翌日でも不正乗車が見つかると没収されてしまう。

支払った代金も返金されることはない。

割増料金の支払い

さらに、その場で割増料金を支払いを求められることとなる。

各鉄道・バス会社によって多少内容に違いがあるが、JRグループでは「『定期券の利用可能日から無効となる日まで、区間内を毎日1往復した運賃』に2倍の金額を加えた額」とされている。

往復金額にさらに2倍の割増が加わることで非常に大きな金額を支払うこととなります。

定期券の金額ではなく「往復金額」を基準に計算する点に注意しておいてください。

例えば、JR東日本の旅客営業規則には次のように記載されている。

第265条(定期乗車券等不正使用旅客に対する旅客運賃・料金の収受)

第168条第1項の規定により定期乗車券を無効として回収した場合(同条第2項において準用する場合を含む。)は、当該旅客から次の各号による普通旅客運賃(特別車両定期乗車券にあっては、特別車両料金を含む。)と、その2倍に相当する額の増運賃とをあわせて収受する。

(1)第168条第1項第1号から第5号までの1に該当する場合は、その定期乗車券の効力が発生した日(第5号に該当する場合で効力の発生した日が異なるときは、発見日に近い日)から、同項第7号に該当する場合はその使用資格を失った日から、同項第8号に該当する場合はその発売の日から、同項第9号に該当する場合はその有効期間満了の日の翌日からそれぞれの無効の事実を発見した当日まで、その定期乗車券を使用して(特別車両定期乗車券にあっては、特別車両に乗車したものとして)券面に表示された区間(同項第5号の場合においては、各定期乗車券の券面に表示された区間と区間外とを合わせた区間、また、特殊均一定期乗車券にあっては、営業キロ35キロメートル相当分)を、毎日1往復(又は2回)ずつ乗車したものとして計算した普通旅客運賃(特別車両定期乗車券にあっては、特別車両料金を含む。)

要するに、有効期間の開始日から不正発覚日までの日数分の往復普通運賃の2倍の料金が取られるということを意味する。

数式で表現すると、「片道普通運賃×日数×2(1往復)×2(倍)=料金の収受額」となる。

詐欺罪に問われる

詐欺罪

単に定期券が没収されて違約金を支払うだけでは済まされないこともあり得る。

悪質性が高い場合だと、詐欺罪として刑事告訴される可能性もある。

有罪だと10年以下の懲役となり、かなり重い罪になる。

実際のところは定期券の使い回し自体で詐欺罪に問われた事例はほとんどないものの、組織的な犯行などだとあり得る話。

通学定期券を使用する未成年の中学生や高校生でも最悪の場合は少年院送致となるリスクもある。

再購入不可、退学・停学(懲戒処分)も

特に通学定期券の場合は、学校と鉄道・バス事業者が協力して成り立っているものである。

教育目的という性質から鉄道・バス事業者が割安な価格で発売している。

その分、不正乗車に対する姿勢も厳しいのは確か。通学定期券で友達などとの使い回しが見つかると、もう二度と通学定期券が購入できないことになる事例もある。

学校と鉄道・バス事業者の契約上のものでもある性質から、同じ学校の生徒や学生が全員通学定期券が買えない自体になることもあり得る。

何の関係もない他人へ思わぬ迷惑がかかってしまう。

さらに、学校から懲戒処分の対象にもなる。高校や大学、専門学校だと「退学」「停学」などになることも。

バレる確率の目安

交通機関の特徴 通勤定期券 通学定期券
路線バス(大都市) 1%以下 10%程度?
路線バス(郊外・地方) 1%以下 20%以上?
大都市部の鉄道(自動改札機あり) 1%以下 1%以下
地方部の鉄道(駅員提示式) 10%程度? 20%以上?
地方部の鉄道(ワンマン列車) 10%程度? 20%以上?
車内改札のある列車 1%以下 20%以上?

実際のところ、定期券の使い回しが発覚する確率のデータは存在しないため、正確な数値はわからない。

一方で個人的な私見と感覚の問題であるが、バレる確率は上記が1つの目安になると思う。

数値的な根拠はかなり乏しいものの、利用者数が少ない交通手段では見つかるリスクが上昇する。

自動改札機の大都市部の鉄道はバレにくい

自動改札機

大都市部のように自動改札機が普及していて、駅係員によるチェックが行き渡りにくい地域であれば、定期券でも本人と別人のどちらが改札を通過しているかはわからない。

そのため、本人以外の人が使用しても見つかりにくいのは否定できない。

駅の有人改札にいる駅員も、定期券を使用している人の顔や氏名までは全く知らない。

このように不特定多数の人が乗り降りする駅では、定期券の使い回しは改札の通過時点で発覚することはレア。

路線バス、地方の鉄道はバレる

地方の鉄道

一方の乗客数が少ない路線バスや地方の鉄道では定期券の使い回しがバレることがよくある。

利用者数が少ないと、駅員や運転士が定期利用者の顔を覚えていることが少なくない。

鉄道でも、定期券を駅員や運転士(ワンマン列車)に直接提示する鉄道ではこのようなパターンが多い。

いつもは乗っている光景を見たことがない人がいきなり定期券を提示すると怪しいと疑う。

ここで本人ではないと発覚してしまうようだ。

通学定期券だと学校の制服などが特徴的で鉄道・バス会社の職員に覚えられやすい。

全通学定期券利用者の2割ほどの人の学生の顔を覚えている駅員・運転士がいると仮定すると、バレる確率として「20%以上」という数値になる。

前述のように具体的な数値はないものの、高いリスクであるのは確か。絶対にやってはいけないことと認識しなければならない。


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その他、定期券に関する各種のルール

主な項目 内容
購入・発売 直通先での継続購入区間変更払い戻しの可否(JR)
利用上の禁止事項 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用指定経路外の乗車使い回し(本人以外の使用)
運賃・料金 乗り越し精算の計算式回数券との併用1日の乗車回数の上限

上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。