主要鉄道事業者ごとの「時差回数券」の有無! 使用条件も

時差回数券

主要鉄道事業者の「時差回数券」の取り扱い有無について一覧化。平日の昼間の時間帯と土日祝の終日に限って乗れるタイプの回数券だが、その取り扱いの有無は各社局によって異なる。

JR線では原則発売されていない。私鉄・地下鉄はあるところとないところがある。

土基本的に10回分の普通運賃で12回分乗れる仕組みなのは共通。例外的に13回のところもある。


各地域ごとの時差回数券の取扱状況

各地域ごとの「時差回数券」の取り扱いの有無は地域性の特色が出ている。

大都市圏の時差回数券の取扱状況

  • 関東地区:都営地下鉄以外の私鉄・地下鉄
  • 東海地区:該当なし
  • 近畿地区:大阪メトロ・京都市営地下鉄以外の大半の私鉄

参考:主要鉄道事業者ごとの「土日回数券」の有無! 使用条件も

大手私鉄・中小私鉄のいずれも同じ。

JRグループでは前述の通り全社「時差回数券」の取り扱いはない。あくまでも普通回数券にとどまる。

関東地区(首都圏)

関東地区(首都圏)
鉄道事業者 時差回数券の有無 割引率
JR東日本 ×
東武鉄道 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
京成電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
西武鉄道 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
京王電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
小田急電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
東急電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
京浜急行電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
相鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
東京メトロ 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
都営地下鉄 ×
横浜市営地下鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)

関東地区の鉄道事業者ごとの時差回数券の有無は上記の通り。

首都圏の代表的な大手私鉄ではいずれも「時差回数券」を取り扱っている。平日は10~16時に利用可能(改札入場の時点で判定)。土日祝は終日使える。

10回分の普通運賃分の料金で12回分付いてくる。

都営地下鉄とJR東日本では取り扱いがない。

◎時差回数券がある中小私鉄

東葉高速鉄道、北総鉄道、埼玉高速鉄道、横浜シーサイドライン

一方で次の中小私鉄に当たる鉄道事業者では時差回数券は発売されていない。

東京臨海高速鉄道(りんかい線)、東京モノレール、多摩モノレール、ニューシャトル、江ノ島電鉄、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道、伊豆急行

こちらは普通回数券のみの取り扱い、もしくは回数券自体がない鉄道事業者に当たる。

同じPASMOエリアでも、時差回数券の有無は各社で異なる対応であるのは確か。

中部地区(東海)

東海地区
鉄道事業者 時差回数券の有無
JR東海 ×
名古屋鉄道(名鉄) ×
名古屋市営地下鉄 ×
※名鉄、名古屋市営地下鉄では回数乗車券自体の取り扱いがない

回数券を発売しているのはJR東海のみだが、「時差回数券」の発売は一切ない。

名鉄と名古屋市営地下鉄では回数券そのものの取り扱いがない。

名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、愛知環状鉄道、東海交通事業(城北線)、遠州鉄道などの中小私鉄でも取り扱いなし。

参考:回数券を発売していない主要鉄道事業者とその理由

時差回数券・土日回数券ともに共通する内容。

近畿地区(関西)

近畿地区
鉄道事業者 時差回数券の有無 割引率 
JR西日本 ×
近畿日本鉄道(近鉄) 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
南海電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
京阪電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
阪急電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
阪神電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
山陽電鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)
大阪メトロ ×
京都市営地下鉄 ×
神戸市営地下鉄 16.7%(10回分の普通運賃料金で12回枚つづり)

近畿地方の鉄道事業者では、私鉄では特に「時差回数券」の発売には積極的。

大手私鉄は全社にて取り扱いがある。

普通運賃10回分の料金で12枚分が付いてくるタイプが多いが、一部では5回分で6枚綴りのところもある。

阪急電鉄では「ハーフ時差回数券」というタイプもあり、5回分で6枚綴りも購入可能。

次の中小私鉄でも時差回数券の発売がある。

◎時差回数券がある中小私鉄

泉北高速鉄道、神戸電鉄、能勢電鉄、大阪モノレール、神戸新交通(六甲ライナー・ポートライナー)、北神急行電鉄

PiTaPaエリアに入る関西地区では基本的に中小私鉄でも「時差回数券」を取り扱っている。

ほかの地域と比べるとかなり積極的な姿勢を見せている。

九州地区(福岡)

九州(福岡地区)
きっぷの種類 時差回数券の有無
JR九州 ×
西日本鉄道(西鉄) ×
福岡市営地下鉄 ×
※福岡市営地下鉄は回数券そのものの取り扱い無し。

福岡地区を中心とする九州地方の鉄道事業者では、西日本鉄道、福岡市営地下鉄いずれも「時差回数券」の発売は一切ない。

福岡市営地下鉄に至っては、そもそも回数券そのものが発売されていない。

西日本鉄道も普通回数券はあるものの、さらなる割引がある種類は取り入れていない。

その他の地域

鉄道事業者 時差回数券の有無
JR北海道
JR四国
×
札幌市営地下鉄 ×
仙台市営地下鉄 ×

他の大都市圏といえば札幌都市圏と仙台都市圏だが、いずれの公営地下鉄もそもそも回数券そのものの発売がない。

独自の交通系ICカードを発行していて、ポイント制度が充実していることもあり、回数券は過去に廃止した経緯がある。

割引率は28.6%

◎主な回数券の割引率

  • 普通回数券:9.1%(10回分で11枚)
  • 時差回数券:16.7%(10回分で12枚)
  • 土日回数券:28.6%(10回分で13枚)

※鉄道事業者で上記とは異なる事例あり。

「時差回数券」の発売があるところでは、割引率は普通乗車券に対して16.7%引きである。

普通回数券では9.1%、土日回数券では28.6%という割引率のため、時差回数券はそれらの中間的な存在。

10回分の普通運賃の料金で12枚分の回数券が付いてくるのは基本。

一部の私鉄では5回分で6枚分となっているところもあるが、割引率はいずれも変わらない。

どこの鉄道事業者でも平日の10~16時と土日祝の終日が使用可能な時。

降りる時間は関係ない

降車時刻

時差回数券の使用可能時刻の基準=乗車駅の改札入場時刻

  • 電車の乗る駅の改札通過が10~16時であるのが必須。(平日のみ)
  • 降りる時間は関係ない。降車駅の改札通過時刻が16時過ぎでもOK。

※土日祝は終日利用可。

時差回数券の平日の時間帯の制限に関しては、乗車駅の改札入場時刻が判定基準となる。

夕方も16時までに改札内に入れば、降車時刻が18時や20時であっても問題はない。

平日で時差回数券が使用できなくなるのは16時01分以降。

有効時間帯を過ぎると、その日は普通回数券しか使用できない。

土日祝に関しては時間帯の制限は一切ない。朝夕夜でも使える。


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その他、回数券に関する各種のルール

主な項目 内容
購入・発売 時差回数券の取扱有無土日回数券の取扱有無回数券がない(廃止)鉄道会社
利用上の注意点、禁止事項 複数人での使用定期券との併用
運賃・料金 乗り越し精算の鉄道事業者ごとの計算式有効期間
新幹線回数券(トクトクきっぷ) 乗り越し精算の計算式変更の可否と条件払い戻し

上記の記事にて回数券に関する条件や注意点について解説。在来線と新幹線では事情が異なり、さらに鉄道事業者でも取り扱い条件が大幅に違う。