新幹線の回数券での「乗り越し精算」の計算式

新幹線の回数券

新幹線の回数券(トクトクきっぷ)での乗り越し精算の計算式について。

追加料金で支払う金額は、乗り越し区間の普通運賃になる。距離や区間の計算は通算されず、差額分を支払うというわけではない。

打ち切り計算となるため、最初から通しで乗車券・特急券を買う場合と比べて割高になりやすい。


乗り越し精算の計算式

A駅→B駅の回数券で、B駅を通し過ぎてC駅まで乗り越すと仮定する。

乗り越し精算時の追加料金:B駅→C駅の乗車券+特急券の普通運賃

…これを「乗り越し区間の運賃」という。

例えば、東京→新大阪の回数券で新神戸駅まで乗り越す場合、追加料金は新大阪→新神戸の乗車券と特急券の合計金額になる。

新大阪→新神戸の乗車券が650円、自由席特急券が870円になるため、合計1,520円という金額になる。

>>JR乗車券の「乗り越し精算」の計算式! 条件によって異なる

主な事例

回数券に記載の区間 実際の降車駅 乗り越し精算で支払う金額
東京→新大阪 新神戸 新大阪→新神戸の普通運賃(乗車券+特急券)
東京→宇都宮 仙台 宇都宮→仙台の普通運賃(乗車券+特急券)
東京→長野 金沢 長野→金沢の普通運賃(乗車券+特急券)
東京→京都 新大阪 京都→新大阪の普通運賃(乗車券+特急券)

乗車券の料金、特急券の料金に関係なく、新幹線での乗り越しの際の追加料金は乗り越し区間の単体での普通運賃になる。

回数券でもこの点では共通する。

「乗り越し」だと割高な負担額になる

上記の東京→新大阪の券面で新神戸駅までの乗り越しからわかるのは、乗り越し精算を前提に新幹線に乗ると合計の負担額が割高になるということ。

普通運賃にて自由席で乗車した場合、東京→新神戸の通しの料金は14,420円(乗車券:9,460円 、自由席特急券:4,960円)。

一方で乗り越し精算をすることを前提だと、東京→新大阪の料金は13,870円(乗車券:8,910円 、自由席特急券:4,960円)と新大阪→新神戸の1,520円を足すため、合計で15,390円になる。

乗り越し精算すると実質的に970円余計な出費になる。

座席の種類ごとの乗り越し精算

券面上の座席の種類 乗り越し区間の座席の種類 乗り越し精算の取り扱い
自由席 自由席 乗り越し区間は自由席利用として計算。
指定席 自由席 乗り越し区間は自由席利用として計算。
指定席 指定席(要車内申告) 乗り越し区間は指定席利用として計算。
グリーン車 自由席 乗り越し区間は自由席利用として計算。
グリーン車 グリーン車(要車内申告) 乗り越し区間はグリーン車利用として計算。

乗り越し区間も引き続き指定席またはグリーン車を利用する場合は、目的地に到着する前に車内で車掌に乗り越しの申し出を行って追加料金を支払う必要がある。

乗り越し区間の基本は自由席

自由席換算の乗り越し精算

回数券上の座席の種類は「普通車指定席」であっても、乗り越し区間は自由席に移動して乗車することが求められる。

乗り越し区間でも指定席を利用したい場合は、券面上の降車駅に到着する前に車掌に申し出て、そのままの指定席にて乗り越しすることを使えて追加料金を支払う必要がある。

ただし、すでに指定席が満席の場合だと座席確保ができないため、券面上の降車駅から実際の降車駅までの区間は自由席に移動しなければならない。

なお、降車後に駅にて乗り越し精算を行う場合は自由席利用として計算される。

仮に指定席に座り続けて乗り越ししたとしても、座席指定を事前に行ってはいないため、駅での乗り越し精算は自由席利用の扱いになる。(そもそも乗車予定区間以上に指定席にいてはいけない)

よくある間違った計算式

間違った計算式

JR線の近距離利用(片道100km以内)や私鉄各社での普通乗車券の乗り越し精算では比較して不足運賃のみ支払う「金額方式」がとられている。

このため、新幹線での差額分のみ支払うと考えている人も結構いる。

東京→新大阪の券面で新神戸駅までの乗り越しの場合だと、東京→新神戸の料金から東京→新大阪の料金を引いた金額という誤りだ。

14,420円-13,870円=550円

これが乗り越し精算で支払う金額だと勘違いしている事例。

「金額方式」の乗り越し精算だと確かにこうなるが、新幹線では「区間方式」のため、あくまでも乗り越し区間に当たる新大阪→新神戸の普通運賃の金額となる。

参考:回数券の乗り越し精算の計算式は鉄道会社によって異なる

なお、乗り越し精算の「金額方式」と「区間方式」の違いは上記にて解説。