東急東横線で遅延が多い原因を調査！ 主要な理由は3つ

東急東横線で遅延が多い原因について調査。主要な要因は3つ。相互直通運転、混雑の激しさ、過密ダイヤがこの理由。

JRはともかく、私鉄の中では首都圏の中でも遅延が発生しやすい路線。電車が5～10分程度は遅れることが決して珍しいことではなく、ほぼ毎日のようにちょっとしたダイヤの乱れが発生する傾向。

運転見合わせとなって列車の運行が完全にストップすることも頻発。運転再開の目途が立たずにJRや京急への振替輸送を実施することを余儀なくされることも少なくない。

東横線自体の路線の営業キロ数は30km程度と長い距離となっているわけではない。

東急東横線の遅延の主な理由

参照：鉄道の遅延の原因とは!? よくある事例の一覧

東急東横線にて遅延や運転見合わせの原因となる点として、上記3つが当てはまる。

まず挙げられるのが相互直通運転。東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線との直通運転が主な理由。

次に慢性的な混雑。朝ラッシュを中心に通勤特急・急行への乗客の集中で乗降時間の延長で遅れやすい。

さらに、過密ダイヤの要因も。東横線は全線に渡って複線だが、特急（通勤特急）・急行・各駅停車が走る。朝は2，3分間隔での運転になるため、どれか1つでも遅れると影響が増大する。

直通運転による影響

東急東横線は以前は相互直通運転があまりない路線だった。

横浜高速鉄道みなとみらい線が開業した2004年以降も東京都心部を走る地下鉄との直通運転は東京メトロ日比谷線のみで、一部列車のみの乗り入れだったことで、これによる遅延は確かに少なかった。

2013年から東京メトロ副都心線への乗り入れ開始で今のようなダイヤの乱れが生じやすい環境に変化。

副都心線を経由して、西武池袋線、東武東上線へも乗り入れるようになり、「5社直通運転」が開始された。

相互直通運転があることで、実質的な路線距離が増大。営業キロ数では、元町中華街～飯能（西武池袋線）で80.5km、元町中華街～森林公園（東武東上線）で88.6km。

JRの近郊路線並みの道のり。

これにより、東横線では他の路線のダイヤの動向に左右されるようになった。

副都心線に起因する遅延

東京メトロ副都心線に起因する遅延とは、有楽町線との重複区間である小竹向原～和光市の線路共有の事情くらい。

この区間は有楽町線と同じ線路を使用する関係から、有楽町線の遅れの影響を受けることもある。

とはいえ、それ以外には欠陥がないのも確か。

地下鉄であって、踏切が存在せず、地上の天候にも左右されにくいため、電車の遅延の直接的な原因は少ない。

混雑率を見ても、東京メトロ各線の中では最下位。乗降時間の延長も少ない。

人身事故や安全確認の面でも、全駅にホームドアが設置されているため、ほかの路線と比べても運行障害が起きにくい。

東武東上線に起因する遅延

東武東上線に起因する遅延もまた、踏切関連の人身事故、緊急停止と安全確認が主流。

東武東上線は地上平面を走る区間がほとんど。道路との交差部では踏切がほとんど。

幹線道路では立体交差になっているが、生活道路等では踏切で交わっている。

自動車と列車の衝突による人身事故に加え、列車通過直前横断、線路内立ち入り、小動物との衝突などでの安全確認が遅延の原因。

ただし、頻度自体は首都圏では少ない。もっとひどい路線は他にたくさん存在するのは否定できない。

東急東横線および地下鉄副都心線の遅延の原因への影響度は西武池袋線に比べると幾分少ない。

西武池袋線に起因する遅延

西武池袋線に起因する遅延とは、慢性的な混雑と踏切関連の人身事故、緊急停止・安全確認が目立つ。

同じく地上平面を走る区間がほとんどで道路との交差部では踏切が多い。

自動車と列車の衝突による人身事故に加え、列車通過直前横断、線路内立ち入り、小動物との衝突などでの安全確認が遅延の原因。

さらに、通勤ラッシュの時間帯の混雑の影響も受けやすい。

首都圏でも有数の混雑路線。練馬～石神井公園間は複々線が完成したものの、輸送力不足はまだまだ続いている。

途中駅にて乗降時間の延長により副都心線直通列車に遅れが生じ、さらに東横線へも遅れが連鎖しやすい。

慢性的な混雑

混雑する朝ラッシュの東横線
出典：www.youtube.com/watch?v=mMAkD5EvoFU

混雑が原因での遅延の詳細

• 東急東横線：祐天寺→中目黒の混雑率170％前後
• 列車種別による偏りが大きく、通勤特急・急行などが超満員

＞＞【朝ラッシュ】東急東横線の混雑状況を時間帯・区間ごとに調査！

東急東横線の朝ラッシュの混雑率は170％近くの数値を出している。首都圏では首位ほどではないが、都心直結路線では標準的。

しかし、列車種別ごとの混雑差がある。

特定の列車種別の混雑に伴う乗降時間の延長により、路線全体の遅延へと結びつく。

通勤特急・急行に集中混雑

朝ラッシュに当たる7～9時で東横線の列車種別で混雑するのは「通勤特急」「急行」の2つ。

各駅停車は停車駅が多いため所要時間が長くなる。これを敬遠する人たちが多い。

菊名駅や自由が丘駅では緩急接続を行う。通勤特急・急行と各駅停車が接続するが、ここで各停から優等列車へ乗り換える人が大量に発生。

ここでの停車時間が長くなって、電車の発車が遅れる。さらに、待避中の各駅停車の発車も遅れる。

これによって、東急東横線全体に遅延が生じる形につながる。

しかも、大半の電車は副都心線内へも直通するため、副都心線での遅延の原因にもつながる。

過密ダイヤ

東急東横線は過密ダイヤの傾向もあり、これも遅延の理由になるポイント。

朝と夕方以降の帰宅ラッシュでは通勤特急・急行・各駅停車の3種類が運転。日中は特急・急行・各駅停車の3種類。

日中でもすでに高密度運転となっているが、朝は特に本数が増発される。1時間当たり平均して2,3分間隔で電車が行き来する計算。

線路容量が限界

渋谷～横浜間の全線で単なる複線。田園調布～日吉間こそは複々線だが、1セットは目黒線専用のため、東横線単体として考えると複線にとどまる。

ここを3種類の種別が走るで線路容量の限界に達している。定時運行の面では限界があると言わざるを得ない。

通過駅のある列車であれば、途中の区間をいつもより少しスピードを出すことができ、最高速度で定速運転を行えばちょっとの遅れなら定刻で到着できるケースがある。

しかし、各駅停車は加速してはすぐに減速するという運転の繰り返し。遅延回復には途中の駅で停車する時間を短くするしかないが、混雑する時間帯ではこれは不可能。

定刻に戻すのは困難。過密ダイヤということで、前を走る各駅停車に後続の特急・急行が追い付いて遅れる光景が良くみられる。

これは何本の電車で同じことが起こることで、東急東横線の「遅延」という結果になっている。

＜まとめ＞3つの理由、だから遅延する！

東急東横線において電車に遅延が生じる理由は3つ挙げられる。その内容は下のものだ。

• 5社相互直通運転
• 高頻度の運転
• 混雑が激しい

相互乗り入れが最大の理由

中でも1つ目の5社相互直通運転は遅延が生じやすい大きな原因となっている。かつては、東急東横線は渋谷駅～桜木町駅間を単独で運行していた。しかし、2004年2月1日にみなとみらい線へ乗り入れるようになった。これと同時に横浜駅～桜木町駅間は廃止され、すべての電車がみなとみらい線へ乗り入れることとなった。

そして、2013年3月16日より、渋谷駅は地下ホームへと移動して、東急東横線は東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始した。副都心線を介して西武池袋線と東武東上線との相互乗り入れも同時に実施されるようになった。

これまでは渋谷駅にて折り返ししていた電車が地下鉄を経由して埼玉県内まで乗り入れることとなったため、1本の電車の走行距離はかなり長くなった。

利便性が向上したのは確かだが、これまではまったく無関係だった他の路線のダイヤの影響も受けるようになったのも事実である。

西武池袋線や東武東上線において何らかのトラブルで電車に遅れが生じた場合、乗り入れる東急東横線においてもその遅れが及んでしまう。

ダイヤの乱れの規模が拡大した場合には、副都心線との直通運転を中止することがあるが、それでも元通りに復旧するまでには時間を要する。

利用者が多いのも遅れの原因に

東急東横線は利用者が非常に多いエリアを走っていることから、列車の本数が多い。

日中の時間帯であっても渋谷～菊名間では18本の電車が運行されている。複線路線としてはかなり多い方に入る。

しかも、特急・急行・各駅停車の3種類の電車が走っていることから、一旦ダイヤが乱れると元通りに戻しにくい環境となっている。

そして、混雑もまた激しい路線なのが東横線ならではの特徴だ。

乗客数が多ければ、乗客が原因で電車が止まってしまうことも多くなる。ホームから線路へ転落したり、乗客同士の喧嘩や口論、さらには人身事故も発生しやすい。

旅客の輸送量が少ない路線と比べると、東急東横線は遅れやすい環境になっているといえる。

その他、各路線の遅延事情について

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