通勤電車の女性専用車両の乗車率は男性が乗れる普通車と比べると乗車率は低いのか。空いているような印象が強いが、実際の混雑度にはどのくらいの差があるのか。
首都圏は全国的にも朝や夕方の通勤ラッシュの混み具合がかなり激しい。路線によっては混雑率が200%にも達するところがある。
こうした激混み路線では女性専用車両が設定されていることが多い。関西圏でも設置例が少なくない。
女性からは広い支持を得ている反面、男性からは批判の的となっている。乗れる車両数が少なくなり、普通車の乗車率が上がるのも否定できない。
普通車よりも10~20%ほど乗車率が低い
女性専用車両に乗っている乗客の数は普通車よりも少ないことがほとんどである。
通勤ラッシュとなる朝夕では、普通車はすし詰め状態となっていても女性専用車両は空間に余裕がある光景が有名である。
実際、乗車率は10~20%ほど低いと考える。180%の乗車率を記録している路線では、女性専用車両の場合は150%程度に収まるだろう。
一方で排除されてしまう男性は残りの普通車に乗らざるを得ない。相対的に普通車の混雑度が大きくなる。
女性だけが乗れる車両があるといっても、実際にすべての女性が乗るわけではなく、普通車を選ぶ人も多い。
駅ホームの階段近くの車両を選ぶという人も多い。もちろん、この点で男性の不満のポイントとなっているのも間違いない。
なぜ廃止には至らないのか?
乗車率が低い=需要が少ないのではないかと考える人も、特に男性の人で多いだろう。
しかし、実際のところは廃止になった例はほとんどない。依然として女性専用車両が導入されているところが多い。
理由は女性から少なからず大きな支持を集めているからである。電車内での痴漢事件が多く発生しているため、「男が乗る車両は不安を感じざるを得ない」という意見があるためだ。
鉄道事業者としても女性の乗客に安心して電車に乗ってもらいたいという思惑がある。
女性専用車両と普通車の混雑の大きさが違う現状を容認しても、女性の安心感を優先したいといったところかもしれない。
ただし、列車の遅延が発生しているような異常時では女性専用車両の運用を中止するケースもある。
ダイヤが乱れると混雑がかなり激しいものとなり、今度は男性客からの怒りが爆発することになる。
混雑の差を許容できないほどの超満員化するのはトラブルが起きた時である。こんな時は女性専用車両が一時的にすべての乗客が乗れるようになる例が多い。