JR東日本には株主優待制度があり、株式を持っていると年に1回運賃が2割引になる「株主優待割引券」がもらえる。
配当金の利回りはそれほど決して高くはない。ただ、経済状況に左右されにくく、安定した株として投資対象に入りやすい。そんなわけで投資の対象としては人気の高い銘柄となっている。
首都圏や東北地方に住んでいる人であれば周辺のJR線なら在来線、新幹線、特急を問わず安い値段で切符が買える。
しかし、残念ながら東海道新幹線では使えない。東京・品川~新横浜~小田原間のように、在来線がJR東日本の管轄エリアとなっている地域でも利用不可となっている。
一方で東北新幹線と上越新幹線は全線にJR東日本の株主優待券が使える。北陸新幹線も東京~上越妙高までなら使える。
東海道新幹線=JR東海だから
東海道新幹線で使えない理由は簡単である。JR東日本が運行しているわけではないからだ。
在来線だと熱海駅まではJR東日本の管轄下にある。一方の東海道新幹線は全線に渡ってJR東海が運営している。
東京駅や品川駅構内についても、東海道新幹線のホームや線路はJR東日本の所有物ではない。
JR東日本の株主優待券が利用可能な範囲はJR東日本の管轄エリア内のみとなっている。他の鉄道事業者の路線では使えなく、JRグループという点では同じでも使えない。
JR東海なら東京~新大阪間すべて割引対象
一方のJR東海の株主優待割引券であれば、東海道新幹線に当たる東京~新大阪間のすべてで利用できる。
乗車券も特急券も割引の対象になる。この点ではJR東日本の制度とほとんど同じといえる。同じく投資家の間では人気度のある銘柄だ。
ただし、割引率は違う。JR東海の場合は片道運賃の1割引にしかならない。JR東日本だと2割引ということで、東海はその半分しか安くならないということになる。
さらに、東京都区内という点では同じでも、JR東海の株主優待券を使って切符を購入できるのはJR東海の窓口だけである。
したがって、JR東日本のみどりの窓口では買えない。もちろんその逆も同じである。JR東日本の株主優待割引券を使って切符を購入できるのは、JR東日本が運営するみどりの窓口のみである。