JR鹿児島本線の遅延が他より多い! どんな原因があるのか?

遅延する鹿児島本線

JR鹿児島本線の遅延が多い理由としてどんな原因があるのか。九州の中の鉄道路線では最多クラスともいえるほどダイヤの乱れが頻繁に発生している。

北九州・福岡地区の鹿児島本線は、特に電車に遅れが出やすい。快速でも普通電車でも、乗り入れる特急列車でも例外はない。

直接の要因としては、人身事故や車両・信号設備の故障、大雨や強風による天候不順だろう。夏は台風、冬は雪によって運転見合わせとなることも少なくない。

しかし、これらの要因は他の路線でも起こることがある。決して鹿児島本線だけで起きるトラブルではない。問題はその頻度の高さだろう。


長距離路線だからか?

JR九州の主力地区ともいえる小倉駅や博多駅を中心とする北九州・福岡地区では、鹿児島本線が中核路線である。乗客の数が一番多く、最も黒字幅が大きい路線でもある。

もう1つの特徴として、路線距離が長いことが挙げられる。快速電車だと基本的に門司港~荒尾間を通しで走る。151.6kmを連続で走る。一部は熊本駅まで乗り入れる。

通勤型の電車でこれほど長い距離を走る路線はJR九州が管轄する在来線だと鹿児島本線くらいである。これ以外にも特急列車が数多く走っている。

長距離路線ということで、途中で何らかのトラブルが起きる可能性は当然ながら他路線よりも多い。

距離の長さが遅延の原因になっているのは否定できない。しかし、これだけが理由とまでは言えない。

地上の平面を走るから

地上の平面を走る区間がほとんどなのも鹿児島本線の特徴といえる。

連続立体交差化が進んでいる地区は少ない。高架でもなく地下でもないことで、輸送障害が発生しやすいのは確か。

交差する道路とはほとんど踏切となっている。踏切が多ければ、その分人身事故が発生する確率が上がる。

平面は雨風による影響を非常に受けやすい。高架でも排水がしやすい環境となっているため、線路が浸水する可能性が低い。大雨でもある程度は走れる。

地上の平面はそういうわけにはいかない。窪地だとあっという間に浸水する可能性がある。踏切があることで視認性も要求される。視界が悪い悪天候だとすぐに運転見合わせになる。

そして、長距離路線という点がこれに拍車をかけている。どこかで電車の運転に支障がある条件になると、長い距離に渡ってその悪影響が及ぶ。

鹿児島本線で遅延や運転見合わせが多い原因はここにある。

北九州(小倉)地区は振替輸送がない

ところで、鹿児島本線でも博多~大牟田間では西鉄天神大牟田線と並行して走っている。

JR九州と私鉄である西鉄が競合する地域となっている一方で、どちらかの電車の運転がストップした時の振替輸送の手段となれる。

この区間では、もし鹿児島本線の電車が運転見合わせとなった場合、代わりに西鉄を使うという手段が使える。

一方で小倉駅を中心とする北九州地区では、並行する私鉄が存在しない。JR九州の独占エリアとなっていて、いざ運行がストップした時の代替手段がない。

同じ鹿児島本線でも、特に小倉付近の遅延が多くの乗客にとって致命的な問題になるのが避けられない。


広告

おすすめ記事