KIホールディングス・コイト電工の平均年収は約500万円と推定。製造業ではやや低い金額。上場企業の平均よりは低い。
基本給、ボーナス支給額ともに機械メーカーとしては普通よりも少ない。
社員個人の給料水準は職種によって異なり、大卒・院卒向けの総合職と高卒の技能職では異なるが、給料体系はいずれも高くはない。
平均年収は500万円前後と算出
年度 | 平均年収詳細金額 |
---|---|
2017年 | 5,610,600円 |
2016年 | 5,409,702円 |
2015年 | 5,246,557円 |
2014年 | 5,369,991円 |
2013年 | 5,112,143円 |
2012年 | 5,119,081円 |
KIホールディングスは2019年7月30日に上場廃止、現在は非上場。ゆえに有価証券報告書は公表されていない。2018年度以降の年間平均給与も公式のものは非公開。
コイト電工は、有価証券報告書は公表されていないものの、推定では年収は全従業員で換算すると500万円前後になる。
上記には基本給・賞与・各種手当(時間外手当・家族手当・深夜勤務手当等)などすべてが含まれている。
夏と冬の年2回(7月と12月)のボーナスもやや低い金額。2019年、コイト電工では年間3.73か月分という実績がある。
世界的な景気動向で大きく左右されるが、例年も同じく年間3か月分強が相場。
年収偏差値
職種 | 年収偏差値 | 概要 |
---|---|---|
事務系総合職 | 55 | 上場企業の中では平均よりやや低め |
技術系総合職 | 55 | |
高卒(技能職) | 50 | 大企業の平均並み |
KIホールディングスの平均年収を偏差値にすると、総合職は55、高卒は50、期間工などの契約社員は45。
総合職(大卒・院卒向けで採用された場合)は事務系・技術系いずれも核となる職種ということもあって大幅に給料が高い水準。将来的な幹部候補でもある。上場企業の全社員の平均的な金額に近い。偏差値55がこれに当たる。
高卒に関しても大卒以上に比べると劣るものの、上場企業と比較しても悪くはなく、最終学歴が高卒に絞った場合、大企業では平均並み。
期間工などの契約社員、あるいは派遣社員は低い。非正規労働者として、中小企業の正社員並みの給料水準にとどまる。
他社と比較して
KIホールディングスは鉄道関連企業としては給料面ではあまり恵まれていない。
ここ2~3年は賞与が支給されていません。
給与水準は同業種の中では中の下レベルで、残業しないと生活が苦しいが、業績不振が続いており、残業規制が厳しい。
担当役員の承認が無いと、残業もさせてもらえない状態です。
支給額の低下が長期化しており、早期希望退職者を募集en light house「KIホールディングス株式会社の年収・給与(給料)・ボーナス(賞与)」
運行会社と比較しても、平均年収は中小私鉄並みの水準。上場する私鉄各社と比べると低い。
なお、KIホールディングスに傘下にはコイト電工が入る。ここでは、鉄道車両シートや鉄道車両用制御機器・表示機器を手掛ける。
コイト電工の平均年収は基本的にKIホールディングスに準ずる。したがって、約500~550万円が相場。
KIホールディングス単体では航空機シート製造を行う。
ボーナス
KIホールディングスのボーナス賞与は未支給。業績が良い時期はあったものの、近年は不振状態が続いていることもあって無し状態。(2018年実績)
一方のコイト電工に関しては、ボーナスは約3か月ほど出るのが通例。2019年度は年間で3.70ヶ月分が支給された。
採用に関してもコイト電工が中心。KIホールディングスは特殊持ち株会社という位置づけで、就職に関してもコイト電工が基本になる。
小糸製作所と比較して
KIホールディングスは小糸製作所の子会社という立ち位置。
小糸製作所は自動車用照明部品、航空機部品メーカーであるが、平均年収はKIホールディングスより高く、2018年度は6,676,675円と公表。
500万円台のKIホールディングスよりも+100万円ほど高い金額なのがわかる。
もっとも、給料体系はどこの会社でも「親会社>子会社」の構図が成り立つ。
総合職(大卒・院卒)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 20-25万円 | 40-85万円 |
25-29歳 | 350-500万円 | 20-25万円 | 50-80万円 |
30-34歳 | 450-600万円 | 25-35万円 | 70-120万円 |
35-39歳 | 500-700万円 | 30-45万円 | 80-150万円 |
40-44歳 | 550-800万円 | 35-50万円 | 100-150万円 |
45-49歳 | 600-900万円 | 35-50万円 | 100-200万円 |
50-54歳 | 700-1,000万円 | 35-50万円 | 150-250万円 |
55-59歳 | 700-1,000万円 | 35-50万円 | 120-250万円 |
上記は大卒・院卒向けの職種の年齢ごとの推定年収の目安。全体では前述の通り500~600万円と推定。
世間的に同年代で比較すると平均より若干上回るが、大卒・院卒に限定して比較すると平均並み。
管理職となれば年収1,000万円以上になる人も出てくるものの、組合員ではまずない。
深夜勤務や休日出勤の有無、残業時間によっても異なるものの、おおむね上記の範囲に入るはず。
事務系
事務系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 経営企画
- 総務
- 財務
- 人事
- 営業
- 海外業務
- 購買
主に文系を対象とするのが事務系。営業職もここに分類。
事務職は名前の通り管理部門(事務関連)を対象とした職種。
いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代のうちは年収が300~500万円、30代は450~700万円、40代は550~900万円、50代は700~1,000万円が相場。
技術系
技術系総合職では主に以下の仕事内容が挙げられる。
- 開発設計
- 研究開発
- 生産技術
- 情報システム
- 製造管理
理系の学部学科を出ている人を対象とする技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代は300~500万円、30代は450~700万円、40代は550~900万円、50代は700~1,000万円相場。
理系職種の場合は学部卒よりも大学院卒の社員の割合が大きいため、その分平均年収も事務系より若干高めになりやすい。
それでも30代以降になると最終学歴による違いはあまり影響せず、役職や評価による要素が大きくなる。
技能職(高卒)
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | 賞与 |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-400万円 | 15-18万円 | 60-70万円 |
25-29歳 | 350-400万円 | 18-20万円 | 60-80万円 |
30-34歳 | 400-500万円 | 20-25万円 | 80-100万円 |
35-39歳 | 400-600万円 | 25-30万円 | 80-120万円 |
40-44歳 | 500-700万円 | 25-35万円 | 80-150万円 |
45-49歳 | 500-700万円 | 25-35万円 | 80-150万円 |
50-54歳 | 600-800万円 | 25-40万円 | 80-150万円 |
55-59歳 | 600-800万円 | 25-40万円 | 80-150万円 |
高卒向けの技能職の採用での年齢別年収の目安は上記の通り。全体では450~550万円と推定。
主な仕事内容は、組立、機械加工、溶接、検査などで工場の製造現場での勤務が主流。
20代で300~400万円、30代で400~600万円、40代で500~700万円台、50代で600~800万円が平均的な社員の年収。
最終学歴ごとの年収の差
特にコイト電工では、公募されている営業職・事務職・技術職は院卒・大卒(学部卒)・高専卒を採用。
初任給は最終学歴によって差が見られる。
コイト電工の初任給
博士 月給255,000円
修士 月給224,000円
学部 月給204,000円
高専 月給180,000円
各月給、一律地域手当2,000円、一律住宅手当3,000円、一律食事手当600円含む。
出典:リクナビ2021
全体的には年収水準は「大卒・院卒>高専卒>高卒」の構造。
ただし、年齢が上がれば上がるほど役職や評価での給料の差が出てくる。
大卒・院卒でも定年まで平社員の人と、高卒だが管理職に昇進した人では、後者の方が最終的な年収は高くなる。