LINEアプリの無料通話はスマートフォンの通信制限がかかっているときでも使えるのか、それとも使えないのか。
1か月のデータ通信量の上限を超えると128~200kbpsの速度制限がかかって低速モードになるが、この時にLINEの通話機能を使うと相手側に自分の声が伝わるのか調査してみた。
128kbps制限時に通話した結果
無料通話 | ビデオ通話 | |
結果 | 問題なく通話可能 | 映像・音声が途切れる |
音質 | 高速データ通信とほぼ同じ | 声の遅延が発生 |
状態 | 128kbps制限 |
今回は無料通話と同時にビデオ通話の2つを128kbps制限の状態で使ってきた。
無料通話に関しては、特に問題なく通話ができた。声の伝達も通常の通信速度と大差なく、声の遅延や途切れるというトラブルは感じなかった。
ビデオ通話では予想通り大きな問題が発生。映像は結構乱れ、声も無料通話の時とは対照的になった。
映像も音声も途切れる現象が連発。LINEでコミュニケーションをとるのは難しい結果となった。
無料通話は消費する通信量が少ない
1分当たり消費するデータ通信量 | |
無料通話 | 0.2~0.5MB |
ビデオ通話 | 4~10MB |
無料通話は0.5MB/分
無料通話の場合、消費するデータ通信量そのものが少ない。1分間の通話でも使われるのは0.2~0.5MB(200~500KB)くらいである。
1時間の通話でも15~30MB程度である。LINEを使ってデータ通信するのは音だけということで、送受信するデータの大きさが小さいことが理由といえる。
このため、スマートフォンの4G回線で通信制限がかかっていても、比較的安定して声のやり取りができる。
送受信するデータの大きさが小さければ、回線上で通信するために要する時間も少なくなるからだ。
ビデオ通話は10MB/分
ビデオ通話の場合、動画によるデータ通信を行うという性質から消費するデータ通信量も大きくなる。
1分間のビデオ通話では4~10MBほどを消費する。1時間だと250~400MBほどのデータを使う。2,3時間も話せば1GBに到達する。
同じLINEアプリでも大容量のデータの送受信を行うため、通信制限がかかっている状態ではそれを維持するのが難しい。
ビデオ通話で必要となる回線速度は概ね1Mbps前後になる。したがって、128kbpsや200Kbpsの速度制限が発動している環境ではやり取りができないと考えてよい。
100Kbps以下になると通話に支障が出る
ただし、通信制限がかかっているとLINEの無料通話に支障がでることがあるのもまた確かである。
高速通信ができる状態が確保されていれば、それに越したことはない。
10Mbps以上の回線速度が出ているときと数百kbpsしか出ないとでは、音の質にも差を感じるかもしれない。
回線速度が大きく下がると無料通話でも声の伝達に遅延が生じたり途切れ途切れになることがある。
個人的な経験からだと、通信速度の実測値が100Kbps以下になるとLINEの無料通話がうまくできなくなる。
128kbpsや200Kbpsというのはあくまでもベストエフォートであり、実際に保証される通信速度ではない。
1か月のデータ通信量の上限を超えてもこの速度が出るかというと、実際にはこれを下回る。
したがって、スマートフォンの速度制限時にLINEの無料通話機能を使う際は、「絶対にトラブルがない」状態で使えると考えてはいけない。
まとめ
- LINEの無料通話:100Kbps以上なら問題なし
- 100Kbps未満だとプツプツ声が切れたり、遅延が生じる
- ビデオ通話は制限速度がかかると使用不可能
この問題に関しては、携帯電話キャリアによる違いはほとんどない。大手ならドコモ、au、ソフトバンクのいずれも状態は同じと考えてよい。