Wi-Fiの周波数帯域ごとの速度差を測定したみた。2.4Ghzと5Ghzのそれぞれの回線速度は実測ではどれくらいの違いが出るのか。
無線LANの通信規格として、今回は2.4Ghzの方は11n、5Ghzの方は11acとする。いずれも今日のWi-Fi通信を用いたインターネット接続の世界では主流のものである。
2.4Ghzと5Ghzの実測値
下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) | |
2.4Ghz(11n) | 49.6Mbps | 57.2Mbps |
5Ghz(11ac) | 231Mbps | 419Mbps |
2.4Ghzと5Ghzそれぞれの周波数帯域のWi-Fi通信で回線速度を測定してところ、結果は上のグラフのようになった。
他のサイトで公開されているような実測値と非常に似たものといえる。
まずは2.4Ghzの方を見てみよう。下り・上りともにおよそ50Mbps前後という測定結果になった。
次に5Ghzの方をみてみよう。下りは200Mbps、上りは400Mbpsという結果なのが分かる。
下りダウンロード速度
下りのダウンロード速度では、2.4Ghzの方が49.6Mbpsだったのに対して、5Ghzの方では231Mbpsという結果になった。
回線速度が高速だといわれている5Ghzだが、その噂の通りの爆速ということがわかる。一方の2.4Ghzだと結構遅い。
ただし、どちらの周波数帯域でも普通の使い方をしている場合にはインターネットの遅さを感じることはないはずだ。
YouTubeでの高画質の動画の再生からオンラインゲームでのプレーでも問題ないくらいのスピードである。
端末もスマートフォンやタブレットだけでなく、パソコンであってもストレスを感じることはまれだろう。容量が大きいデータをダウンロードするときの時間くらいではないか。
上りアップロード速度
上りのダウンロード速度では、2.4Ghzだと57.2Mbpsだったのに対して、5Ghzの方では419Mbpsという結果になった。
いずれの周波数帯域でも下りの速度よりも上りの方が実測値が大きいことがわかる。受信よりも送信の方が通信が安定している。
こちらもやはり無線LAN規格の11acを使った5Ghzの方が圧倒的に速い形になった。11n規格の2.4Ghzはどうしても遅い。
YouTubeなどの動画サイトに自分で撮影・編集した動画を投稿する際にはアップロードの速度が気になる。オンラインゲームでもある程度の上りの回線速度のスピードは求められる。
いずれも場合もこれに支障が出るほどの回線速度ではない。ただし、よりストレスフリーになるのは言うまでもなく5Ghzではないか。
光回線のプロバイダーも重要な要素
今回の測定結果の際に使用したネット回線に関する情報は以下の通りである。
- インターネット環境:ドコモ光(NTTフレッツ光)
- プロバイダー:GMOとくとくBB
- 接続方式:V6プラス(IPv4 over IPv6 接続)
- Wi-Fiルーター:Buffalo WXR-1750DHP2
次世代型の通信システムともいわれている「V6プラス」を使用。正式な技術名は「IPv4 over IPv6 接続」と呼ばれている。
100Mbpsを超える回線速度を実測値でも出せるようにするためには、従来のIPv4接続(PPPoE接続)では限界がある。
特にNTTフレッツ光の回線は遅いという評判が多い。21時頃になれば混雑して低速になってしまう。
こうなるとWi-Fiの周波数帯域を5Ghzにしても、通信規格が11acであっても遅い結果しか出ない。
インターネットの回線設備の環境も測定結果に大きな影響を与えるのは確かである。