常磐線快速として運転される上野~取手と、取手以北の常磐線の普通電車の最高速度は130km/hとなっている。「ひたち」、「ときわ」という名称の特急列車についても、最高時速130 km/hで運転している。
特急列車はほぼ全区間にわたって最高時速を出している。停車駅が少なく、曲線通過速度(カーブ通過時のスピード)も普通電車よりも高く設定されているため、よりスピードを出してカーブを曲がることができる。特に「ひたち」は、全国の特急の中でも表定速度が速い方に部類される。
一方の快速として運転される普通電車については、車両と運転系統によって異なる。取手以北まで運転する電車はすべて交流区間でも走れるE531系であるが、この車両の場合は最高速度130 km/hで運転される。
直流区間の取手以南しか走れないE231系については、最高速度が120 km/hとなっている。利用者量によって、同じ快速線を走る場合であっても、出せるスピードが少し違うのが特徴的であるといえるだろう。
最高速度はどこの区間で出す?
E531系による普通電車、特別快速の場合、130 km/hを出す区間といえば、龍ケ崎市~牛久の区間が一番有名である。この区間は長い直線となっていて、しかも駅間距離も長いため、スピードが出せる。
取手以南については、E531系・E231系ともに北千住~松戸間の内の綾瀬駅付近の直線で120 km/hを出す。また、松戸~柏でも直線でも最高速度を出す場合が多い。そのほかの場所でも、北千住から北側では100 km/h超で走る。
一方、上野~北千住までの緩行線が走っていない区間はカーブが多く、駅間距離も非常に短い。このため、都心側では徐行運転が続く。これは、並行するつくばエクスプレスも同様である。
特急を除いては普通電車しか走らない土浦以北に関しては、各列車のダイヤによってスピードが異なるが、概ね時速110~120キロメートルくらいで運転する場合が多い。
土浦から北側の郊外では全体的に駅間距離が長く、直線も多い。カーブがあっても比較的緩やかなものが多い。そのため、最高速度までは出さなくても、それなりに飛ばす地域である。
全体的に速い!
常磐線快速の全体的な特徴としては、路線自体がスピードを出すという点である。最高速度が追加料金なしの普通電車で最高130 km/hまで出せる路線は、JR東日本では常磐線だけである。
常磐線の場合、他の路線と違って他の線路に直通しない場合が多い。2015年3月の上野東京ライン開業以降は品川まで乗り入れる列車が登場したが、それでも他の近郊路線と比較すると圧倒的に少ない。
こうしたことから、常磐線のダイヤが他の路線での運転見合わせや遅延による影響があまり受けない。定時運行がより維持されやすい環境となっている。
この独特の性質から、線形の良さや車両性能の高さをフルに活用できているといえるだろう。首都圏の中でもスピード、表定速度が速いのが常磐線(快速線)ならではのメリットであることは間違いない。