何でJR東日本では山手線だけにホームドアを設置しているのか。他の路線でも線路への転落事故が多発しているにも関わらず、なぜ東京をぐるっと一周しているここだけにすべての駅に整備することを最優先しているのか。
他の路線ではまったくホームドアがない理由とは?
では、なぜ山手線以外の他の路線へのホームドア設置はまったくといっていいほど進んでいないのか。
この理由こそがコストの大きさだ。29駅への整備で約550億円かかるのに、それ以外の路線にも導入すればJR東日本はもはや資金を捻出することが難しくなる。
確かに首都圏の鉄道は利用者数がどこも多くて黒字幅はかなり大きい。お金がまったくないわけではない。しかし、各線で必要とされている設備はホームドアだけではない。
既存車両の老朽化に伴う新型車両の投入であったり、信号設備の改良であったりする。どれにも言えることは、コストがかなり要するということだ。鉄道で使われている設備はどれも高いものだらけである。
線路への転落や列車との接触事故を抑止するためにホームドアを付けるのはかなり優先されるべき課題であるのは事実。しかし、それ以上に即座に行わないといけないものも数多く存在するのも間違いない。
こうしてことが、山手線を除く他の路線へのホームドアの設置が積極的に進められていない理由である。