電車特定区間とは、JRの東京近郊と大阪近郊のうちで特に利用者数が多い線区・区間で通常の幹線区間の料金よりの安い運賃が適用されるエリアのことである。私鉄と並行する地域であるケースもかなり多い。
JR東日本では、初乗りは133円(ICカード利用時)に設定されている。JR西日本では120円が初乗り運賃になっている。幹線区間だと144円が初乗り運賃と定められているため、電車特定区間では通常よりも安い値段になっていることがわかる。
何で割安な運賃なのか?
東京と大阪の付近エリアはJRの電車を使う人がかなり多い地域である。日中のオフピークの時間帯でも座席に座れない人が出てくるほど大勢の人々が日々利用している。採算性は非常によく、黒字幅が大きい。
また、大都市付近の地域は地下鉄や私鉄が多くは知っている。私鉄各線とJRとの競合も数多く存在している。
少しでも利用者を呼び込むために、JRでは「電車特定区間」という区域を設定してJR側に来るように運賃を従来よりも安く設定している。競争で優位に立つためにこそ割安な運賃を乗客に提供しているというわけだ。
電車特定区間を超えると運賃はどうなる?
ところで、電車特定区間を超えて鉄道を利用した場合、運賃はどうなるのだろうか。たとえば、東京駅から東海道線で藤沢駅まで行ったとき、運賃の計算方法はどのようなものとなるのか。
東海道線の場合、電車特定区間は東京~大船までの区間に設定されている。藤沢駅はそのエリア外となる。
結論をいうと、通常の幹線と同じになる。電車特定区間を含むところを通るからといって、エリア外に出てしまうと料金は通常の幹線区間の運賃として計算される。そのため、割高であると感じるかもしれない。
電車特定区間の領域を一駅でも外へ外れると、運賃が一気に上がるのが特徴であるといえる。エリアの範囲内でJRの電車を利用するのであれば運賃は割安で大きなメリットがあるが、その外へ出るとメリットはまったくないどころか割高感を感じてしまうのは避けられない。