都営新宿線においては車内でも無線LANサービスである「Wi-Fi」が使えるようになる予定となっている。これが実現されると電車の中でもモバイルデータ通信を行うことなくインターネットに接続できるようになる。
現在のところ、都営新宿線では駅構内のみ無料でWi-Fiが使えるようになっている。駅のホームにて電車が来るのを待っている最中にスマートフォンやタブレットなどで無線LANサービスにアクセスしてネット回線を使用できる。
しかし電車に乗ってしまうと使用できなくなる。車内に入ると自分で契約している携帯電話会社のパケットを使ってインターネットに接続するしかない。1か月で3GBや5GBというような上限の範囲内に収まるようにして、通信量を節約しながらネット環境を維持することが求められる。
WiMAXのような上限なしで利用できるモバイルルーターを使っていない限り、あまりYouTubeなどの動画サイトを閲覧することができないのは間違いない。
いつ頃までにWi-Fiが利用可能になる?
都営新宿線を運行する東京都交通局によると、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を目途にWi-Fiの設備が設置されると公表されている。
都営新宿線を走る10-300形においてはすべての編成に無線LANサービスが取り付けられるとされている。これにより、車内の中であっても手持ちのスマートフォンやタブレットを使って無料Wi-Fiに接続できるようになる。
導入されるのはNTTBPが提供する「都営地下鉄フリーWi-Fi」とWi2が提供する「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」の2種類が取り付けられる予定となっている。同時にドコモWi-Fiやau Wi-Fi SPOTと契約している人も利用することができる。
京王線の車両では使えない!?
しかし、都営新宿線を走るのは東京都交通局が管理する車両だけではない。新宿駅より西側へ乗り入れている京王線とも相互直通運転を行っていることから、京王電鉄に所属する車両も走っている。
京王線においては今のところ車内Wi-Fiが導入される予定はない。したがって、同じ都営新宿線内であっても都営10-300形ではWi-Fiが使えても京王電鉄9000系などでは利用不可になるかもしれない。
都営地下鉄側では無料で誰でも使える無線LANサービスを電車の中にも取り付ける方針を示していても直通先の鉄道会社が消極的だとそれが100%は実現しないのが、気を付けなければならないポイントともいえるだろう。