東武東上線の有料座席定員制列車として「TJライナー」が運転されているが、絶対に座れるということで利用者数はかなり多い。最近は朝の上りの池袋行でも走るようになったため、ますます人気度が高くなっている。
乗車率は夕方の下りよりも朝の上りの方が高い。1日の中でも一番混雑する時間帯である中で、必ず座れるという需要を満たすことから満席になることも珍しくない。普段の乗車率も90%を超えることが多い。
追加料金を支払うことで座れる電車ということで、簡単にいえば特急列車のような存在と言える。通過駅もかなり多く設定されていることから、所要時間も大幅に短い。
朝の上りは川越駅以北の利用者が多数
朝の上りのTJライナーの乗車駅を見ると、特に川越駅から北側から乗ってくる人が圧倒的多数である。坂戸駅と川越駅から大量に乗客が乗車する。
整理券の発売枠は停車駅によって異なっているが、これら2つの駅にはそれぞれ172席分が設定されている。それ以外である森林公園・東松山・ふじみ野の3駅は合計して92席分しか枠がない。
長距離の通勤客向けの速達・着席サービスという性質が大きいことがわかる。通常の電車の場合、朝のラッシュの時間帯となると遠方からすでに満員電車の状態となっているため、長時間座れないのは避けられない。
そんな辛い環境の中で生まれたTJライナーの需要は当然ながらかなり大きい。この結果として、朝の上りのTJライナーの乗車率は常に90%以上になっていることが多い。小さくても8割は座席が埋まっている。
下りも80%以上の乗車率
一方で夕方の下りのTJライナーについても乗車率は80%を超えていることが多い。朝の上りほど混雑するとは言えないものの、それでも人気のある有料列車となっている。
朝の上りの整理券の料金は410円(ふじみ野駅のみ310円)に設定されているが、夕方の下り列車は池袋駅から乗ってどこで降車しても310円に設定されている。割安な値段といえる。
そんなこともあって、昼間の仕事などの行動で疲れた中でも絶対に座れるTJライナーに乗るという需要が大きいようだ。
なお、ふじみ野駅を過ぎると整理券をもたない乗車券のみの乗客も乗れるようになっている。そのため、ふじみ野駅以北の区間に入ると乗車率は100%を超える。座席に座れずに立っている人も現れる。
ここ最近は東武東上線と同じように着席保障のある有料列車を導入する鉄道会社が増えているが、TJライナーはすでにその文化が定着したといえる。