阪急神戸線と京都線で運転されている特急では乗車券のみで乗れる。JRや近鉄のような追加的な料金は一切かからない。したがって、「特急券」というようなきっぷも存在しない。
阪急電鉄で運行されている列車はすべて通勤型車両が使われている。そのため、「特急」という名前の種別であっても無料で乗れる。JRでいえば快速のような電車といえるだろう。
阪急電鉄の神戸線と京都線では、特急は日中の時間帯に運転されている種別の中では最速である。平日・土日祝日問わず走っていて、比較的長い距離を移動する人が多く利用する種別となっている。
誰でも乗れる無料の速達列車
乗車券のほかにも別料金がかかるJRや近鉄、南海の一部では特別な場合に乗るよいう性質がある。庶民にとってはやや大きい負担になるというイメージも存在する。
一般的な通勤型の電車では気が下がってしまうような長距離を移動する場合や、確実に座席に座りたい場合などに乗るのが「特急」列車である。ほとんど新幹線に乗る場合の感覚と変わらない。
これらとは違い、阪急の特急はあくまでも単なる通過駅のある電車という受け捉え方で問題ない。神戸線・京都線のどちらも主要な駅のだけ停車して、それ以外の小さな駅は各駅停車が輸送を担っている。
JRにおける快速に乗る際の感覚とまったく同じというわけだ。乗車券以外は無料で乗れるとして気軽に乗れる速い列車が、阪急神戸線と京都線では特急となっている。
日中は10分間隔で運行
阪急神戸線・京都線のどちらも日中の時間帯であれば特急は10分間隔で運行されている。1時間当たりの本数でいうと6本ということだ。
特急に加えて各駅停車も10分間隔で走っている。大きな駅にしか特急は停車しないこともあり、それ以外の駅を乗り降りするのであれば各駅停車に乗るか、緩急接続する途中駅で乗り換えることになる。
京都線に限っては、さらに「準急」という種別の電車も走っている。こちらは、十三~高槻市間で通過駅の設定がされている。特急の停車駅に加えて南方・上新庄・南茨木にも止まる。高槻市~河原町の区間は各駅停車となる。
準急もまた特急を補完する役割を果たしている。特急が主要駅間と都市間の輸送を担っているが、準急は中規模の駅の乗客の輸送を行うという役割を果たしていることがわかる。
ところで、特急が毎時6本、10分間隔で運転されている私鉄はそう多くはない。同じ関西であれば、阪神本線や京阪本線くらいである。それ以外の路線を見ると、どこも15分間隔であったり20分間隔であったりする。
JR東海道・山陽本線の「新快速」でさえ15分に1本のダイヤとなっている。同じ京阪神間を結ぶ阪急の特急は運転本数が充実していることがわかる。