ロードバイクを私服で街乗りする人が近年はかなり増えてきている。服装は普段着のままちょっと出かける際に自転車で移動するという点では、ママチャリからクロスバイクとほぼ同じである。
そのような乗り方でヘルメットが必要であるか、それとも別になくても問題ないかはしばしば議論の的となりやすい。
スポーツバイクに関するブログを目にすると、一貫して「ロードバイク=ヘルメット絶対必須」と記載されているが、かぶらないという選択肢はないのか。
距離と目的によってヘルメットの必要性が異なる
ロードバイクに乗るという点では同じでも、実際にはヘルメットを被る人とノージェルで乗る人がいる。実態を考えると、必ずしも絶対着用と言い切ることはできない。
距離 | 目的 | ヘルメットの実態 |
3km未満 | 近所の移動 | ノーヘル多数 |
3-5km | 近距離の移動 | 着用が好ましい |
5-10km | 中距離の移動 | 着用派が多数 |
10km以上 | ポタリング | ほぼ全員着用 |
ヘルメットを着用している人としていない人の差としては、自転車に乗る目的が大きく関係している。
表のように、近距離しか乗らない人だとヘルメットをかぶらない人が多い。完全にノーヘル派が多数となっている。
一方で長距離を移動するためにロードバイクの乗っている人を見ると、ほとんどがヘルメット着用である。
走行距離とヘルメット着用率は互いに比例する。
私服×街乗りはヘルメット必要?
街乗りという点では、ほとんどの場合が3km未満ということになってくる。自宅から駅やショッピングセンターまでの移動のためにロードバイクに乗るということもあるだろう。
こんな時は服装も「ふつうの私服」になる。ジャージやサイクルウェアではない。上はシャツやカーディガン、冬ならダウンジャケットで、下はジーンズやチノパン、女性ならスカートなどになってくる。
完全に街乗りで、しかもサイクリングではなく移動手段としてのロードバイクになる。
このような使い方の場合であれば、ヘルメット着用は必ずしも絶対必要とは言えない。走行する場所も幹線道路なら歩道になってくるだろう。
低速走行がメインのため、ヘルメットがあれば好ましいものの、無理してかぶるほどのレベルではないと判断できる。
中・長距離は完全にヘルメット着用
一方で中・長距離の移動になるとロードバイクをはじめとするスポーツ自転車に乗るのであればヘルメット着用はかなり重要になる。
車道を走る機会も多くなり、スピードを出す時間と距離も長くなる。中でもドロップハンドルのロードバイクは非常に危険な環境になる。
ノーヘルで乗るのは大きなリスクを背負うことになる。ちょっとバランスを崩しただけで死亡する可能性がかなり大きい。
しかもロードバイクは前傾姿勢になるため、落車すると頭から転倒する確率がかなり大きい。ノーヘルならおそらく死に至るだろう。
街乗りで「ふつうの私服」でロードバイクに乗る場合でも、距離が片道5km以上になるのであればヘルメット着用が当たり前ととらえられる。
サイクリング、ポタリング目的でロードバイクに乗る場合はなおさらだろう。周囲を見てもヘルメット着用率はかなり高い。ノーヘルという選択肢はない。