クロスバイクに乗る際にヘルメットをかぶることは必要であるという人と、そうではなく、ヘルメットはいらないという人がいる。頭の安全性をかなり気にするべきか、それともノーヘルが主流なママチャリの人と同化するべきなのだろうか。
現状では、街中をクロスバイクで走っている人々を見ると、7~8割の利用者は「ノーヘル」であり、ヘルメットをかぶっていない例がほとんどである。
街中ということで、買い物など近場に行くことを目的に自転車に乗っている人々であるが、ママチャリと同様の服装で乗っているのが大半だ。
スポーツバイクであるとはいえ、考え方は軽快車の時と同じになっている。それによって、ヘルメットもかぶらなく、そもそも持っていない可能性もかなり高い。
一方、河川敷や公園のサイクリングロード、あるいは郊外の幹線道路を走っているクロスバイクの利用者を見ると、そもそも自転車自体が多い街中と比べて、ヘルメットを着用している人が多い。
ママチャリが少ないような場所の場合や趣味としての自転車利用者が走る場所では、クロスバイクなどのスポーツ自転車のヘルメット着用率は上がる。
とはいえ、クロスバイクでヘルメットを身に着けている人の絶対数は少なく、ほとんどがノーヘルで乗っているのが現状には変わりない。
ヘルメットの着用率が低いクロスバイク
クロスバイク | ロードバイク | |
ヘルメットの有無 | 10-20%、少数派 | 着用率が70-80% |
使い道 | 日常生活の移動 | サイクリング |
感覚 | ちょっと軽くて速いママチャリ | スピードが出るスポーツ自転車 |
クロスバイクで最も人気のあるGiant Escapeシリーズでヘルメットをかぶる人は少数派になっている。
Gios MistralやBianchi Romeなどの車種でも同じくノーヘル派の人が多いようだ。
クロスバイクに乗っている人自体とみても、サイクリングを娯楽として楽しんでいるというよりも生活のための移動という日常的な使い方をしている人が多い。
「ママチャリよりちょっと速い軽量自転車」という感覚で乗っているような感じだろう。
やはり必要なのか?
クロスバイクの場合、巡航速度は一般的な自転車よりも速いスピードで道路を走ることになる。
特に、近年は自転車であっても歩道ではなくて車道を走ることが推進されていることから、クロスバイクを乗る際には自動車と同じく車道を通ることになる。
しかし、車道を走るとなると、歩道走行の場合よりも車との接触や追突の事故の可能性が格段に上がる。
「走る凶器」とも呼ばれている車と同じ場所を通るので、自転車を利用していて不測の事態が起こる可能性が決して低くはない。
万が一事故に遭ってしまった場合、ノーヘルであると頭部を強打したときには死亡する確率がかなり高い。命こそは救われても、何らかの後遺症が残ることも十分に考えられる。
「もしヘルメットをかぶっていれば、不運な結果にならずに済んだ」という過去の事例も少なくない。こうしたことを考えると、ヘルメットを着用することで得られるメリットは大きいといえるだろう。
また、低速走行時に失速して落車する危険性も存在する。クロスバイクでは、サドルの高さを上げることによって両足が地面につかない状態となる。これによって、落車した時に地面や電柱などに頭をぶつける可能性が出てくる。
この場合、ヘルメットなしだと痛い思いをすることになるが、逆にヘルメット着用ならばそんなことにはならない。
ファッション性を重視する人の中には、ノーヘルこそが「カッコイイ」と考える人が少なくない。しかし、車道を走るという傾向が見られる今の世の中において、事故時に対する防御力を身に着けておくことも不可欠になっている。
よって、クロスバイクにヘルメットは必要であると結論付けられる。もし、今後あなたがクロスバイクに乗ってどこかに行くのであれば、近所の買い物などを除いてはヘルメットを着用することをおすすめする。