東京メトロ日比谷線では2020年を目途に現在の03系がすべて新型車両13000系に置き換わる予定となっている。20m4ドアの7両編成に統一されるということで日田旅東急東横線との直通運転が再開される可能性はあるのか。
日比谷線が開業したのは1961年である。当時日本は高度経済成長期の最盛期であり東京近辺は人口が急増していた時代であった。東京都心をより快適に便利に移動できる手段として地下鉄の建設も急ピッチで進められていた。
50年以上も東横線へ乗り入れていた!
開業当初から日比谷線では東武伊勢崎線と東急東横線と相互直通運転を行ってきた。東急・営団・東武の3社間で運転されてきたという歴史を持っている。
東武鉄道側ではそれまでは終着駅が浅草駅のみであり、JR山手線が通っていないターミナル駅ということで利便性は悪かった。東武沿線から都心部へ行くためには北千住駅で常磐線に乗り換えるか、浅草駅にて銀座線に乗り継ぐ必要があった。
それが日比谷線への乗り入れが始まったことにより、都心部まで電車1本で行けるとようになった。利便性が増大したため、それに合わせて東武沿線の人口も急激に増えていった。
一方の東急東横線では、自社線の終着駅である渋谷駅を利用する人が多かったため、日比谷線内へ行く人はそれほど多くはなかった。とはいえ、東横線沿線から日比谷線を使って都心を目指す人も徐々に増えていった。
しかし、2013年の東急東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転が開始されたのと当時に日比谷線と長年続いてきた乗り入れは終わった。
理由としては、東急東横線において20m車のみに対応したホームドアの設置工事が始まったことや副都心線への乗り入れが始まったことによる都心直結の利便性が増加したことが挙げられる。
20m・4ドアの13000系なら東横線へ乗り入れられる?
日比谷線を走る既存車両である03系は1両あたりの長さが18mでドア数が3つである。しかし、新しく投入される13000系は1両あたり20mの長さがあり、ドア数は4つとなる。
これは現在東横線を走っている車両と同じ規格である。13000系の場合は1編成あたりは7両となるが、それでも東横線のホームドアには対応できる規格である。
2020年にはこの13000系及び東武70000系に統一される予定となっているが、これにより18m・3ドア車が消滅する。そうなると、日比谷線ー東急東横線の相互直通運転が物理的にはできるようになる。
ただし、それでも問題点が1つ残る。それは、ダイヤの設定が複雑かつ難しいという問題だ。東横線が副都心線、さらには東武東上線・西武池袋線との相互乗り入れを始めたため、かつてよりもダイヤ設定が複雑なものとなった。
ここに日比谷線への乗り入れを再開させるとなるとさらに日比谷線と渋谷方面を行き来する列車との調整がダイヤ設定の際には必要となる。もし遅延などのトラブルが生じると、影響を受ける路線はますます増える。
今のように系統分離させておくのが良いというのが現状ともいえる。20m・4ドアの東京メトロ13000系に置き換わるとはいえ、東急東横線への乗り入れ再開は少し難しいと結論付けられる。