JR宝塚線では「丹波路快速」と単なる「快速」が運転されている。いずれも乗車券または定期券だけで乗ることができ、特急券のような追加料金はかからない。では、どこに違いがあるのか。
停車駅はどちらも同じで変わりはない。通過駅の設定があるのは、いずれも三田駅以南の部分で、新三田駅以北は各駅停車と同じになる。
所要時間も同じで、丹波路快速でもふつうの快速でも、列車が出すスピードに変わりはない。最高速度も120km/hまでとなっていて、かつて速度超過による脱線事故があった関係から、尼崎駅~宝塚駅は95km/hとなっている。
違いがあるのは、使用される車両と行き先である。尼崎駅より大阪側での経路が違ってくる。
使用される車両とは?
丹波路快速で使われるのは223系または225系である。これらは近郊型車両と呼ばれ、座席は転換クロスシートになっている。新幹線や特急のように進行方向に向いて座るタイプだ。
扉の数も1両あたり片側3つドアとなっている。そして、全列車にトイレが付いている。京都線・神戸線系統の新快速で使われているのと同じ車両だ。
一方のふつうの快速では、321系または207系が主流となっている。朝晩の大阪駅発着の快速においては、丹波路快速と同じ223系・225系が使われることもあるが、基本的には321系・207系となっている。
321系・207系は通勤型車両となっている。座席は進行方向に対して横向きに座るロングシートで、トイレもまったく付いていない。
扉の数も片側4つドアとなっている。JR西日本の大阪都市圏の各路線の各駅停車として使われている車両である。
行き先や運転区間も違う
丹波路快速はすべて大阪駅発着となっている。尼崎駅からはJR神戸線に乗り入れ、大阪駅止まりとなる。
快速の場合は、朝と夕方を中心に尼崎駅よりJR東西線に乗り入れ、京橋駅から学研都市線へ乗り入れる系統となっている。
上り列車の行き先は、JR学研都市線内の木津や同志社前となっている。直通先の学研都市線でも快速として運転される。
大阪駅発着の快速は日中が中心だが、運転される区間が丹波路快速より短い。ほとんどが大阪~宝塚間の運転に留まる。新三田や篠山口方面へは各駅停車でまかなわれている。
丹波路快速は、終日行き先は同じ。上り側の発着駅は大阪駅に固定されている。下り側は篠山口駅または福知山駅となっている。
宝塚駅止まりや新三田駅止まりの丹波路快速はない。新三田駅以北の地域輸送の役割も持っているのが特徴だ。