阪急電鉄では人身事故がどこかの路線で発生することが多い。中でも京都線と神戸線では、列車と人または車が衝突したり接触したりする頻度が多い。踏切や駅構内で起こることがほとんど。
中でもよく見受けられるのが、特急がからむ人身事故である。各駅停車と比べると特急の方が運転見合わせの原因となる出来事の当事者となるケースが多い。
踏切で車と衝突するのも各駅停車ではなくて特急である場合が多数派となっている。人が接近する列車に飛び込んで自殺するのも特急ではないか。
そして、阪急電車においても京都線と神戸線は、人身事故が起きる頻度が高い路線となっている。
特急はスピードを出すから
阪急京都線・神戸線では、最速列車は「特急」である。停車駅は大きな主要駅のみとなっていて、速達性に非常に優れているのが特徴である。
最高速度は115km/hに設定されていて、直線区間ではこれを出す列車が多い。全体的にも100km/h以上で走行する部分が多い。
飛ばすということで、駅構内の線路上に何か障害物があったり、踏切内に車が立ち往生していたとしても、特急だと止まり切れない可能性が大きい。
各駅停車はすべての駅に止まるため、スピードは遅めであり、異常が発見された場合には安全に止まり切れることが少なくない。停車駅が少ない特急だと、そうはいかない。駅間距離が長いため、高速走行が可能。
スピードを出しているところの目の前に障害物があっても、それを避けるために止まることは難しい。ゆっくり走る電車の方が優勢なのは言うまでもないだろう。
他の路線の場合、スピードはそれほど出さない例が多い。主要路線である阪急宝塚線でも、カーブが多いことから比較的ゆっくり走る。急行でも安全に事故を回避できる可能性がその分大きい。
踏切が多いのが原因
阪急電鉄の各線の場合、もう1つ人身事故が起きやすい原因が隠れている。それが、踏切の多さである。
他社線と比べると、どの路線も連続立体交差化がほとんど実現されていない。主要路線の京都線・神戸線・宝塚線において、高架化または地下化が進んでいる区間はかなり少ない。
特に京都線と神戸線は大半が地上を走っている。道路とは踏切で交差しているところがほとんど。当然ながら、踏切の数が多ければその分人身事故が起きる確率は高まる。
関西地区の各線を見ると、阪神・京阪・近鉄奈良線などでは連続立体交差区間が多い。その分、踏切が存在する区間が少ない。
踏切の存在は列車と人・車の衝突が起きる直接的な原因となる。したがって、踏切が多い阪急では人身事故が起こりやすいといえる。