阪急電車の路線別の混雑状況を時間帯と区間ごとに調査してみた。各線の朝と夕方・夜の通勤ラッシュから日中の昼間ではどれくらいの混み具合になるのか。
混み合う時間帯に関しては、朝は8時30分頃に梅田駅に到着する列車、夕方と夜は18時頃に梅田駅を出発する列車がそれぞれのピークになる。
各線ともに通過駅の設定がある優等列車が運転されているところでは、各駅停車よりも圧倒的に速達列車の方が激しく混む。乗車率は目に見えるほどの違いがある。
時間帯ごとの混雑度
阪急電鉄各線の時間帯ごとの混雑度は以下の表のような感じになる。
―(梅田駅にて調査)― | |||
朝の時間帯 | 混雑レベル | 夕方の時間帯 | 混雑レベル |
6:30-7:00 | 2 | 16:00-17:00 | 3 |
7:00-7:30 | 4 | 17:00-18:00 | 4 |
7:30-8:00 | 5 | 18:00-18:30 | 5 |
8:00-8:30 | 5 | 18:30-19:00 | 5 |
8:30-9:00 | 5 | 19:00-20:00 | 4 |
9:00-9:30 | 4 | 20:00-21:00 | 3 |
9:30-12:00 | 3 | 21:00-22:00 | 3 |
12:00-16:00 | 3 | 22:00- | 2 |
朝夕それぞれのピーク時をレベル5としたとすると、1日の混み具合のレベルの数値はこのようになる。
どの路線でも時間帯ごとの混雑状況は共通する。特定の路線だけ偏っているわけではない。
朝ラッシュは7:30~9:30
朝ラッシュのピークを迎えるのは7時台と8時台、もっと具体的には7:30~9:00までのおよそ1時間半超満員電車の頂点となる。
それ以降は緩やかになり、電車内のぎゅーづめ状態は解消される。10時台になると座れずに立っている人がいても空間には余裕は生まれる。
京都線・神戸線・宝塚線は上りの梅田行の電車に混雑が集中する。千里線は天神橋筋六丁目方面、今津線は西宮北口方面へ向かう電車がこれに該当する。
京都線と神戸線はそれぞれ京都市、神戸市の中心部への交通手段となっているため、下りもやや混み合う。ただ、それでも上りほどの高い混雑率には発展しない。
本線ではない小規模な路線の混雑率は国土交通省から公式のデータが公表されていない。しかし、感覚的にはどこの路線でも130~150%程度になると考える。
ドア付近に立っているとかなりの窮屈感を感じるほどのレベルである。
夕方以降の帰宅ラッシュは18時がピーク
夕方と夜の帰宅ラッシュは18:00~19:00までがピークまたはそれに近い状態で、満員電車の状態は17:30~20:00のおよそ2時間半続く。
こちらも通勤・通学で大量の人が一斉に移動する。平日は特に行楽客よりも通勤客が圧倒的多数派である。仕事が終わって駅に着くのがちょうど18時頃に重なる人が多い。
夜遅い時間帯になればピークは過ぎて人だらけの車内は解消される。しかし、下り列車はそれでも全員が座れるようなレベルにはならない。
とはいえ、乗車駅は梅田駅が主流のため、十三駅や淡路駅を除いては停車駅止まるたびにいずれの路線の混雑は徐々に解消されていく。
路線ごとの混雑状況
―路線ごとの混雑度― | ||
路線名 | 混雑区間 | 混雑レベル |
京都線 | 上新庄→淡路 | ★★★★ |
千里線 | 下新庄→淡路 | ★★★ |
宝塚線 | 三国→十三 | ★★★★★ |
神戸線 | 神崎川→十三 | ★★★★★ |
今津線 | 門戸厄神→西宮北口 | ★★★ |
路線別の混雑度を見ると、各線を比較した場合の違いは上のようになる。最混雑区間とその乗客の多さでは、特に宝塚線と神戸線で激しい。
京都線
京都線も梅田~京都河原町を結ぶ幹線の路線だが、これら2路線よりはやや空いている。すぐ近くにJR京都線が走っていること、他線からの合流が少ないのが主な理由である。
最混雑区間は上新庄→淡路。淡路駅では地下鉄堺筋線、天神橋筋六丁目方面へ向かう人と梅田方面へ向かう人で分散されるため、ここでいったん混雑が解消される。
特急や快速急行などの優等列車は茨木市→淡路が最混雑になる。各駅停車や準急よりも乗客は多い。
>>【阪急京都線】混雑はどの程度激しい!? 朝と夕方のラッシュは?
千里線
千里線は天神橋筋六丁目~北千里までを走る路線だが、運行ダイヤは京都線と一体的になっている。
最混雑区間は下新庄→淡路。淡路駅にて堺筋線。天六方面と京都線の梅田方面に分かれる。いったんは混雑が解消される。
その次は天神橋筋六丁目駅で大量の乗客が降りていく。地下鉄谷町線へ乗り換える人も結構多い。
千里線の電車は天神橋筋六丁目駅からはほぼすべてが地下鉄堺筋線へ乗り入れる。引き続き乗ったままの乗客もかなり多い。
>>【阪急千里線】混雑はどれくらい激しい!? 座れる可能性は?
宝塚線
阪急電車で朝ラッシュの混雑が最も激しい路線なのが阪急宝塚線である。
三国→十三の混雑率は関西圏ではトップクラス。首都圏の大規模な超満員電車ほどではないとはいえ、地獄の通勤ラッシュになるのは否定できない。
日中の最上位種別は「急行」。通過駅の設定があるのも豊中~梅田に限られるものの、各駅停車よりも圧倒的に急行の方が乗車率が高い。
地図上ではJR宝塚線と並行するため競合関係になっている。しかし、豊中市内、池田市内は阪急独占エリアのため、混雑が分散されるわけではない。
神戸線
京都線とは対照的に阪急神戸線の朝ラッシュの混雑は激しくなる。各線と比較してもトップクラスの満員電車になる。
梅田~神戸三宮、さらには神戸高速鉄道線の新開地までの全線においてJR神戸線および阪神本線と並行している。阪急・JR・阪神の3社が競合する構図が形成されている。
しかし、阪急神戸線は夙川駅にて甲陽線、西宮北口駅にて今津線、塚口駅にて伊丹線と合流することで、これらの支線から乗客が集まる。
他の路線からの乗客が集中することもあって、混雑率はまったく低い数値ではない。
>>阪急神戸線、混雑はどれくらい激しい!? 特急はいつも満員?