名古屋市営地下鉄の駅はどこも汚いところばかりだと感じたことがある人は多いだろう。トイレは中でも汚く、和式便器しかない駅も多数ある。洋式トイレに乏しい。
和式トイレということは、作られたのが昔であり、ここ最近はまったく改修されていないことを意味する。2000年以降に完成したところは、公共施設では洋式が主流である。
和式便器はどこも何かしらが錆びているケースが多いのはそのためである。年月が大きく経過している証拠でもある。
券売機もまた古い機械が今でも多くが使われている。1990年代に作られた旧式の発券機が使われている。
他の鉄道会社ではあまり見られない。他社だとタッチパネル方式の新しい機器が使われているにに対して、名古屋交通局ではボタン式のものが現役。これも名古屋市営地下鉄ならではの特徴だ。
さらに、駅の構内も全体的に薄暗い。改札口もホームも照明が付いているとはいえ暗い。内装などによる影響もあるが、ここでも古い雰囲気が漂う。
サービス向上は後回し
名古屋市営地下鉄と普通の私鉄では、運営している媒体が大きく違う。一般的な鉄道会社は民間企業で、利益を増やすためにサービスの質を向上させる必要がある。
その一環として駅の改装を積極的に行って、見た目を綺麗にしている。中には私鉄でも汚い駅が存在するが、地下鉄ほどではない。
私鉄では、乗客からサービスに対する不満の声が増えれば、それを解消させるために設備投資に踏み切るところが少なくない。
赤字ギリギリで経営状況が悪い鉄道会社では、駅の美化までに予算を使うお金がないため、汚くても放置することがある。
しかし、黒字幅が大きくて経営が安定している大都市部の私鉄であれば、見た目の改善に何かしらの方法で力を入れている。
利益が第一目的ではない
名古屋市営地下鉄は文字通り名古屋市が運営する公企業である。利益の追求よりも市民へ公共サービスを提供することを優先している。
公共サービスとはもちろん電車の運行である。逆に言えば、電車が時刻表通りに走っていれば特にそれ以上何かを追求する必要性が薄いというわけだ。
駅の設備や見た目が汚いのはこのためである。トイレが汚いと不評があっても改装したり、清掃に力を入れることには消極的な理由は、利益を追求する私企業ではないからなのだ。
同じ公営鉄道である大阪市や京都市の地下鉄も駅が汚いところが多いが、理由は名古屋市の場合と同じである。
大阪市営地下鉄では近年駅の改修工事を行うなどして内装を新しくする事業を積極的に進めているが、これは近い将来に民営化を予定しているからである。
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