名古屋市営地下鉄桜通線の混雑状況について調査してみた。朝と夕方・夜の通勤ラッシュの混雑率、満員電車のピークを迎える時間帯を対象に見てみた。
名古屋市営地下鉄の路線は、桜通線の他に東山線、名城線、名港線、鶴舞線、上飯田線があるが、桜通線はそれらと比べても混み具合のレベルが低い方に入る。
もともと東山線のバイパス路線として建設された経緯から、朝ラッシュでも混雑が激しい路線といえば、東山線や名城線である。
駅間別の混雑状況(朝ラッシュの場合)
ー駅間ー | ー混雑レベルー | |
(中村区役所方面) | (徳重方面) | |
徳重~野並 | 1 | 1 |
野並~新瑞橋 | 2 | 1 |
新瑞橋~御器所 | 3 | 2 |
御器所~今池 | 4 | 3 |
今池~久屋大通 | 5 | 3 |
久屋大通~名古屋 | 5 | 5 |
名古屋~中村区役所 | 2 | 2 |
中村区役所方面は御器所駅から混雑
朝ラッシュの時間の桜通線の場合、中村区役所方面は御器所駅から本格的に混雑が激しくなってくる。
ここまでは始発駅の徳重駅からは他路線との乗り換え駅があまりないことで、沿線に住む乗客がほとんど。御器所駅では鶴舞線と接続するため、ここから混みあう。
桜通線は名古屋駅へ乗り入れることで、名古屋駅方面へ向かう人が鶴舞線から桜通線へ乗り換えてくる。
東山線と並行する区間に入る今池駅からはさらに混雑のレベルが上がる。ここからは桜通線の中でも混雑のピークに達するエリアだ。
久屋大通駅や丸の内駅に到着すると、まとまった数の乗客が降りていく。そして、名古屋駅で残りの大半が降りていく。
なお、東山線と並行する区間であっても東山線と混雑度を比べた場合は、明らかに桜通線の方が空いている。
参照:地下鉄東山線の混雑はどのレベル!? 乗車率はどれくらいに?
混雑度はピークでも110%程度と国土交通省から公表されているが、これは通勤路線では小さい方に入る。
徳重方面は久屋大通までが混雑
一方の桜通線の徳重方面へ行く電車の場合、朝ラッシュで激しく混雑する区間は名古屋~久屋大通までと短い部分に限られる。
JR線、近鉄、名鉄からの乗り換え客が名古屋市中心部へ向かうために桜通線を使うという人が多いが、その先まで行く人はあまりいない。
名古屋駅で大量の乗客が乗車して、丸の内駅と久屋大通駅で降りていくというイメージである。
久屋大通駅を過ぎると、朝ラッシュであっても閑散とした車内となっている。
今池駅、御器所駅、新瑞橋駅は他の地下鉄路線との接続駅となっているが、大量の乗客が乗ってくることはない。
時間帯ごとの混み具合
―(丸の内駅にて調査)― | |||
朝の時間帯 | 混雑レベル | 夕方の時間帯 | 混雑レベル |
6:30-7:00 | 2 | 16:00-17:00 | 2 |
7:00-7:30 | 3 | 17:00-18:00 | 3 |
7:30-8:00 | 4 | 18:00-18:30 | 5 |
8:00-8:30 | 5 | 18:30-19:00 | 5 |
8:30-9:00 | 5 | 19:00-20:00 | 4 |
9:00-9:30 | 3 | 20:00-21:00 | 3 |
朝は8時台がピーク
桜通線に限らず、名古屋市営地下鉄では8時台が朝ラッシュのピークになる。
多くの職場が8時半または9時始業となっているため、それに合わせて人々が移動する。
混雑率に関しては、7時台後半に入ると一気に乗客が増える。それまでは早朝の静けさがまだ残るが、7時半以降は完全な通勤通学のラッシュの風景に変わる。
朝ラッシュの混雑した状態が落ち着いてくるのは9時以降になる。午前9時を過ぎれば、次第に昼間の静けさが現れる。
桜通線の場合は名古屋市中心部が混雑の核となっているが、郊外部でも9時以降はガラガラになる。
夕方・夜は18時台がピーク
夕方から夜にかけての時間帯では18時台が帰宅ラッシュのピークになる。17~18時が終業時刻となっている職場が多く、その時刻を過ぎると一気に乗客が増えるという構造だ。
桜通線だと、名古屋駅へ向かう人は特に18時台に集中する。19時を過ぎると次第に満員電車が解消されていく。20時台なら結構空いてくる。
一方の徳重方面は中心部から郊外へ向かうという路線の性質から、19時台や20時代に入ってもまだ混雑の激しさが残る。
そして、徳重方面の電車は混雑した車内が続く時間が長い。1駅、2駅を過ぎただけでは座れるチャンスが回ってこないことが多い。