JR鹿児島本線の本数は九州地区の中で利用者が最も多いが、その割に本数が少ないと感じたことはないだろうか。快速も普通電車もそれぞれ30分間隔位しか走っていない。
博多駅を中心に福間~鳥栖間は1時間当たりそれぞれ2~3本走っているものの、乗客が同じく多い北九州地区は毎時2本しかない。
すべて合わせても通勤型の電車は毎時4本程度になっている。
大都市圏の中核ともいえる鹿児島本線であるにも関わらず、これほど少ない路線は他にない。
福岡市と同じように日本三大都市圏を争っている名古屋都市圏でも、東海道線は快速と普通がそれぞれ毎時4本、合計で8本も走っている。
本州のJR各社と比べてJR九州そのものの収益性があまり良くないため、電車の運行本数を必要以上に増やせないという事情があるが、それでも鹿児島本線としては少ない印象を受ける。
乗客が減少傾向?
JR九州が管轄する各路線では年々乗客の数が減少している。そのため、近年は列車の本数の減便が話題となっている。
特急のみならず普通列車もその対象となっている。中核路線の鹿児島本線も沿線の鉄道利用者数が減少傾向が見られる。需要の減りに対して供給量も減らしているという構図になっている。
福岡都市圏の場合、鹿児島本線について乗客が多い。博多~大牟田間は西鉄天神大牟田線と並行していて競合関係にある。
JR九州と西日本鉄道の2路線が走っている地域ということで、鉄道利用者を2社で分け合っているという構図になっている。
それでも沿線の人口が多いため、本数もそれなりに確保されている。しかも、快速の場合は小倉側と比べて通過駅が多い。これと同時に速達性も確保されている。
小倉駅拠点の北九州地区の本数が少ない
一方で小倉側の本数が少ない。日中の時間帯だと、福間以北のエリアは快速・普通(各駅停車)がそれぞれ毎時2本になっている。
福岡市都市圏よりも人口が少ないというのもあるが、山間部が広がっているため、住民の数そのものが少ない。
その人口自体も減り続けていることが拍車をかけている。
とはいえ、混雑がまったくないかというと決してそういうわけではない。小倉~博多間においては、小倉方面の上りも博多方面の下りともに座席が満席になっているケースが多いのは事実。
北九州地区の場合、競合相手となる私鉄が存在しない。JR九州が独占できている地域のため、多少電車が混雑しているところで増発は簡単にはいかない。
経費をできるだけ抑えながら大量に乗客を乗せることで、鉄道会社の利益率が上がる。こうした視点からも、北九州地区の鹿児島本線の本数が少ない状態になっている理由と思える。