名古屋市営地下鉄東山線において遅延が多い原因とは何か。他の路線と比べると定時運行されている可能性が低い。運転見合わせにはならなくても、5分ほど遅れるケースは頻発している。
東山線といえば、名古屋市地下鉄を代表する路線である。乗客の数は圧倒的に東山線がトップであり、運賃収入もナンバーワンである。
ただ、電車が遅れるという欠点がある。他の路線へ乗り入れを行っているわけではない。完全に自社線完結となっている。
他の路線と違って遅れる原因は2つある。
- 混雑による乗降時間の延長
- 1列車当たりの輸送力が不足
混雑による遅延が頻発
東山線の場合、慢性的に混雑が激しい。朝ラッシュとなると、名古屋駅ではホーム上が人であふれるほどの人の多さとなる。
改札口でも長い列が出来て、なかなか出口までたどり着けない。ホームと改札口を結ぶ階段上も人が止まってしまうほどの混み具合となっている。
名古屋駅では乗降時間にかなりの時間がかかる。降りる人も乗ってくる人も大量な数にのぼることから、なかなかドアを閉めて発車できない。
同じく伏見駅、栄駅も乗降客数が多い駅である。名古屋市の中心部であることに加えて、伏見駅は鶴舞線と、栄駅は名城線との乗り換え駅ということで混雑する。
名古屋駅ほどではないものの、朝や夕方の通勤ラッシュとなれば、乗り降りにかかる時間は延びやすい。
乗り降りに時間を要するため、東山線の通常のダイヤよりもさらに停車時間が伸びてしまい、電車が遅れる原因となっている。
6両編成しかない
東山線で混雑が緩和されない理由の1つが、輸送力の低さである。全列車6両編成となっているが、地下鉄としては短編成の部類に入る。
乗客数が多い東京メトロや都営地下鉄ではほとんどの電車が10両編成で運転されている。8両編成だと短い方に入る。
大阪市営地下鉄においても、乗客数が最も多い御堂筋線では10両編成での運転を行っている。中心部を走る路線で乗客数の規模が他とは違うため、車両数も多い。
東山線の場合、名古屋市営地下鉄の中で最も乗客数が多くて混雑しやすい路線なのは確かである。しかし、それでも6両編成での運転に留まっていて、決して多いとは言い難い。
列車の運行本数は日中の時間帯で5分間隔、朝ラッシュだと2分間隔ということで高頻度運転を行っている。しかし、それでも1つの列車当たりの車両数が少ないため、混雑が激しい。
出入り口もその分少ないため、電車とホームの間を行き来する際にかかり時間は延びやすい。だからこそ、混雑が原因で遅延が多くなっているというわけだ。